ブカブカドンドン。
 皆様もご存じのことと思いますが、江戸時代てえますものは、神君家康公が慶長八年(共通歴1603年)に征夷大将軍に相成って、江戸の地に幕府を開いてから、明治維新にいたる時代を指す言葉でございます。
 さて、江戸に幕府が出来てからてえもの、日本てえ国は大変な発展を遂げることになりました。そりゃあそうでございます。なにしろ、それまで戦争ばっかりやってたエネルギーが全部産業に行ったわけですから。
 たとえば、一日三食おまんまを食べる習慣ですとか、歌舞伎や落語のような娯楽ですとか、浮世絵や大衆小説、西陣織、瀬戸物、濁ってないお酒や白いお塩、女ひとりでも旅が出来る安全な街道、料理屋なんてえものは、江戸時代になってから出来たものでございます。言ってみりゃあ、後の二十一世紀に“日本の暮らし”って言って思い出す生活は、だいたいこの時期に成立したんですな。
 意外に思われるかもしれませんが、海外の貿易(*1)も振るっておりました。長崎からやってきたオランダ渡りの文物はお金持ちには垂涎の的でしたし、中国や朝鮮、琉球王国や北方のアイヌとは大いに貿易しておりました。そうして入ってきた外国の文化によって、ますます日本は豊かに、平和になったんでございます。

(*1) 貿易
 ちなみに、密貿易もそれなりに行なわれていたようで、いくつかの殿様は結構な儲けをあげていたそうです。明治維新の時にやたらと金がある殿様がいらしたのは、そういう事情もあったそうですな。
 また、そういうところから、外国の事情を調べて、いろいろと対応策を練ったりもしていたそうです。。


 ところが、世の中なかなか上手いことばかりではありません。江戸時代も百年、二百年も経ちますと、いろいろな問題が持ち上がってまいります。
 まず一番の問題は、今もあんまり変わらない気がいたしますが、経済ですな。
 この時代の支配者はお侍でございます。武士階級てえやつですね。この人たちは、自分の仕えておりますお殿様、正確にはそこから頂いた領地(*2)から、お前は何石、お前は何石、とお米をもらって生活しておりました。
 結構なご身分に思えますが、これが面倒なものでして。と、言いますのは、戦国の昔ならお米だけ食って戦争だけしてりゃあいいんですが、太平の世ではお金がかかります。服だってお腰の刀だってつきあいだって、そしておかずを買うにも銭がかかるわけですな。
 そうしますてえと、米を売って金に換えるわけですが、これが難しい。といいますのは、米価てえものは一定ではないからです。
 たとえば、あなたが年に四十石(*3)取りのお侍だったとしましょう。ある年に、米一石が一両の小判(*4)になったとします。ところが次の年には、三石で二両にしかならない。いきなりお給料が減るわけです。
 米価が上がっていけばいいんですが、農業技術は改善されて、どんどん収穫量は増えますから、米価は下がるかむしろ安定します。さらに経済が発達しますとインフレってのがおきまして物価があがります。身分制度の時代ですから、武士の給料てえものは増えません(*5)
 そうなると、お侍は上も下も生活に困りまして、内職に精を出します。借金しても追いつきません。
 寺子屋の先生や盆栽作り、剣術指南なんてのはごくまっとうなほうですが、ひどいのになるとごろつきと結託して賭場を開帳する。権力を振り回して領民から搾り取る。あるいは、賄賂を取る。そうしないとやってけないんです。
 こうして、お金が物を言う世の中がやってまいりました。何しろ、どのお役人も生活に困っているんですから、つけ込む隙はいくらでもあります。「役人の子はにぎにぎをよく覚え」てえますな。
 まじめにやってると飢え死にする、賄賂を取ればがんじがらめ、賄賂を払うやつは元を取ろうと悪どい儲けで搾り取る、金のない奴は必死に金持ちになろうとあがく。モラルもへったくれもありません。
 これは、そういう時代のお話です。

うちつづく天変地異
 間の悪いことはそれだけではありませんで。化政に入る少し前、富士山が大噴火を起こしました。何度も噴火しておりましたが、これほどの噴火は例がなく、火山灰は地球の反対側まで飛んでいったそうでございます。
 舞い上がった火山灰は太陽の光を遮り、夏でも冬のように寒い異常な年が何年も続く始末。当然、農作物は取れなくなって世の中は大混乱。食えなくなった農民が大都市に流入しますが、そこだって別に仕事も食い物もありません。
 彼らのほとんどは犯罪者に身を落とすか、暴動や一揆を繰り返します。米商人は売り惜しみをいたしますし、それでさらに物価が上がります。領地から年貢をもらおうにも、その年貢がありません。えらいことです。

外国からの圧力
 さて、幕府の政治の方針というのはいろいろありつつも、基本的には世界が変わらないことを前提にしておりました。それが先ほどから述べました経済の不安を招いていたのですが、それだけではありません。
 遠く離れた欧州や米国では第一次産業革命と植民地主義が勃興し、これまでのイスパニアやオランダに変わって、大英帝国が勃興。さらにはフランスでは国王が倒れて民衆が政治をやるという驚天動地の革命が起きます。
 こうした時代のうねりの中、日本だけが無縁ではいられません。まずカムチャッカ半島に進出したロシア帝国が、何度となく通商と補給、開港を求めてやってまいります。これはなんとか断わったものの、次にはオランダと戦争をしている英国の軍艦フェートン号が長崎を襲撃するという“フェートン号事件”が起きましたが、この時の長崎は手も足も出ませんでした。
 人の口に戸は立てられません。詳しい事情はわからねど、どうもご公儀は外国人に手も足も出ないらしい、という話が出ます。
 さらに諸外国はこれらの交渉を通じて、日本が大変豊かで平和で、しかも太平洋の要衝であることを理解するようになります。最初に日本に影響力を及ぼした国が、それからの国際情勢に大きな力を持つでしょう。
 かくして、天地には不安と不満の声があふれ、百年前の人が聞いたらぶったまげるような考え方、たとえば身分制度を撤廃しろとか、鎖国をやめろとか、幕府を倒せ、などという考え方まで出てくる始末。
 しかし、脅威はそれだけではありませんでした。

(*2) 領地
 知行地といいます。将軍様の直参である旗本や御家人、あるいは一部のお大名の臣下には、蔵米といいまして、直接殿様からお米をもらっております。
 ちなみに、この蔵米を米問屋に持って行くのを仲介する商人を蔵前(くらまえ)と言いまして、金に困ったお武家様にお金を貸し出しては大層繁盛しておりました。

(*3) 一石
 だいたい180.39リットル。1000合。人間ひとりが一年に食べるお米の量でございます。

(*4) 小判
 本当はお米は銀本位制だったんですが、ここではわかりやすく金貨にたとえました。一両てえますと、だいたい人間ひとりがつつましく半年暮らせたといいます。

(*5) 増えません
 身分が固定してるってのはそういうことでございます。何年務めようがどれだけ有能だろうが、生まれた家の身分で基本給(役職手当は別とはいえ)が決まっちまうわけです。
 これじゃあ、まじめなお侍だって、なかなかまともに働こうという気にはなりません。


 さてお立ち会い。
 この時代の人々を脅かしていた存在、そしてこのゲームであなたがたが立ち向かうべき敵。
 それが、妖異てえものでございます。
 わかりやすく申し上げると化け物です。そいつらは始終往来を歩いていたりはしませんが、裏路地の闇の中に、どぶ川の水底に、そしてお屋敷の片隅に、確かに潜んでおります。
 妖怪?
 いいえ、河原で小豆を研いでたり、夜道で人を脅かすかわいい連中のことじゃありません。妖怪は単なるあたくしたちの隣人(*6)です。
 こいつらがいったいどのようにして生まれたのか、いかなる存在なのか、ちゃんと説明できる者はおりません。
 わかっていることは、妖異は人の悲惨を喜ぶ、ということです。
 殺す、ですらないんだから性質が悪い。
 もてあそび、堕落させ、いじめ抜き、さんざんひどい目に遭わせてからはじめて殺すか、さもなければ死ぬこともできないようにするのです。
 戦国時代に横行していた妖異の脅威を鎮め、天下に平和をもたらした天海僧正というえらいお坊様がおっしゃるには、妖異は人の恐怖と悲しみに惹かれて現われるというのです。
 そしてその言葉を裏付けるように、諸国に妖異が大量に出現いたしました。妖異はさらに悲劇を呼び、それがさらに妖異を呼ぶてえ悪循環でございます。

(*6) 隣人
 この時代、妖怪や小さな神々は身近な存在でした。山には天狗が、川には河童が、地にはなまずが、夜道にはべとべとさんが住んでいるのだ、と人々は当然のように信じておりました。
 妖怪を見た、という体験談もたくさん残っています。もちろん、妖怪は目に見えないのが普通ですから、妖怪なんて迷信だよ、という人もたくさんおります。


妖異と日常
 ありがたいことに、というべきか、妖異を直接的に見かけるてえことはまずありません。
 というのは、先ほども申し上げましたとおり、妖異は恐怖と悲しみに惹かれて現われます。こういっちゃなんですが、日常的にでくわす相手にそんなものを覚える奴はいません。それは単に形が違う熊や狼です。
 ですもんで、妖異はその存在を隠しておるわけですな。人を殺すにしても、事故や火事に見せかけたり、山中で人知れず殺したり、神隠しであったり、あるいは人間をそそのかして殺させるってえ寸法。そうして初めて、犠牲者は妖異の存在を知って恐怖にまみれるてえわけです。
 もちろん、妖異の犠牲者をたまに生かしておくこともあります。そいつはもちろん周りに触れ回りますな。けれど、そんな怪物を見た奴はいない。信じてもらえないならともかく、悪くすると奉行所に引っ張られて、人心をまどわしたてえんでひどい罰を受けます。
 単なる妖怪でしたら、あるいはそのへんのお坊様や陰陽師で対抗できることもありましょうが、妖異の力はそんなものじゃありません。まともに戦えるのは軍隊か、後で述べます英傑くらいのもんでございます。

羅刹
 さらに性質が悪いのは、妖異は人に影響する、てえことですな。単にとりついて動かす、ってのもありますが、朱に交われば赤くなるように、妖異とかかわるとやがて妖異になっちまうんですな。魅入られる、ってえ人もいます。
 こうなったのを、羅刹ってえます。わかりやすく言いますと地獄の悪鬼ですな。
 羅刹は妖異同様、とんでもねえ力を発揮するもんです。殴れば岩が砕け、走れば千里を駆け、高い天守閣もひとっ飛び。その力は妖異のもんですから、恐怖と悲しみをばらまくことでどんどん強くなります。なんせ便利ですから、羅刹はどんどんそれに頼るってカラクリ。
 こいつらの中には、妖異に魂を売った、ってわかりやすい奴らもおりますが、自分では気づいてない場合もございます。たとえば、やたらめったらに腕が立って、夜な夜な人を斬る剣客。絞れる限りの年貢を搾り取って、良民を苦しめる悪代官。朝から晩まで使用人をこき使い、貧しい者から搾り取って豪勢な暮らしをしている悪徳商人。そういう連中が妖異に力を与えられて気づかぬうちに羅刹になっている、というのも、珍しい話ではないってのがたまったものではありません。

閻羅王
 この妖異どもを率いておりますのが、閻羅王と呼ばれる存在でございます。
 閻羅王を見て生きてる、って奴は天海僧正くらいしかおりませんから伝聞に属しますが、こいつらは人間や妖怪の中でもひときわ強い欲望と憎悪をもった連中が生まれ変わるんだそうで。
 幸い、その数はほとんどおりませんし、はるか神話の時代に、そうそう閻羅王が出てこれないようにこの地球にゃ結界が張ってあるんだそうで。百年に一度、それも分身が出てくるのが御の字、というのがせいぜいなんだそうです。
 閻羅王の最終目標は謎に包まれております。世界の破滅って話もあれば、神仏に取って変わろうとしてるんだ、って人もおります。詳しいことはわかりませんが、はっきりしていることはひとつ。
 連中がもしまかりまちがってこの世に現われようもんなら、人間には明るい未来は待っちゃあいない、ってことです。


 人間じゃ勝負にならない、妖怪でもまともには戦えない(*7)、お上はまともに相手にしてくれない。
 それじゃ世の中真っ暗闇か、といいますと、そんなことはありません。
 それがこのゲームであなたがたが演じます“英傑”です。
 英傑は、血筋でも能力でもありません。
 こいつは何かてえと、“宿星”、平たくいうと運命です。
 何、そんな理由で妖異と戦うのはまっぴらだ。俺ァ自分の意志で、運命に縛られずに妖異とやりあいたい、とおっしゃる。はい。そのように腹が据わっちまった人間を、“英傑”と呼びます。そう呼ぶしかない。
 逆に、あっしぁまっぴらだ、そんなことにゃかかわりたくない、と言いながら、なぜだか成り行きで妖異とかかわっては事件を解決してしまうのも、“英傑”でございます。
 宿星を持ってるから英傑になるのか、英傑の魂を持ってるから宿星に選ばれるのか、卵が先かニワトリが先か、こいつはお天道様ならいざ知らず、あっしらにはわかりません。
 英傑は身分でも道徳でもありません。実直なお侍ってえこともあれば、金のためならなんでもやる殺し屋ってえこともあります。武器なんぞ持ったことのねえ庶民ってえこともありますし、武芸の達人かも知れません。
 恐怖に怯える人々の代わりに、どうしてもやるしかない、と腹をくくって戦うつもりになった人。あるいは、腹をくくるしかない宿星を負ってしまった者。
 それが英傑でございます。
 ぶっちゃけた話、このゲームを遊ぶあなたがたの分身が英傑でして、あなたがたがその気にならねえと、お奉行所も代官所もお坊様も、絶対に困ってる人を助けたりはできねえ(*8)、ってことだとお考えください。

(*7) まともには戦えない
 妖怪の中でも龍や大天狗というような大妖怪ならば妖異とも戦えるんだそうですが、そういう連中はたいてい守らにゃならないものがあったり、結界から出られなかったりと不便なんだそうですな。
 ちなみに、軍隊でも妖異を何とか出来ることもありますが、英傑が指揮を執っていたり、作戦に手を貸していないと、まともに作戦行動が取れないのが普通でござんす。目の前に妖異が現われてもやる気になる兵隊はなかなかおりません。

(*8) 助けたりはできねえ
 助けようとしない、ってことではありません。ありませんが、英傑が手を貸してやらなけりゃあ、妖異の夕飯が増えて終わるのがオチでありましょう。


英傑と社会
 残念ながら、英傑のことを知ってる人てえのはあまり多くありません。当人たち自身も、てめえのことをそんなものだとは思ってないのがほとんどでしょう。
 とはいえ、長いこと妖異と戦ってきた寺社仏閣の方々や、幕閣のお偉い方の一部には、宿星を持ち、運命に導かれた英傑が、歴史の影から妖異と戦ってきたてえのを存じている方がいらっしゃいまして、そういう方は、影から(*9)英傑を支援してくださることもあります。たとえあなたが入国厳禁の外国人でも、あるいは人間でなかろうとも、派手なことさえしなけりゃあ、ちょいと役所に口くらいは効いてくれるもんでございます。
 ちなみに、英傑は英傑を見ればだいたいそれがわかります。もっとも、何となく縁がある気がする、何となくたいした相手のような気がする、という程度のことですが。


 さて、これまでの長い歴史の中で、妖異と英傑の戦いは果てしなく続いてまいりました。
 ところが、その歴史に大きな転換点が訪れます。
 それは、化政時代より数十年の後。
 土佐の地で妖異と戦っておりましたひとりの英傑が死を迎えました。
 男の名は坂本龍馬。
 みなさんもご存じのとおり、明治維新の最大の原動力と呼ばれました、英傑の中の英傑でございます。
 ですが龍馬は、本来の歴史よりもはるかに早く横死してしまいます。
 このことが、歴史の流れに途方もない歪みを生じさせたんだから大変なことです。
 これを待っていた閻羅王、由井正雪はその歪みの力を使って、因果の輪を解き、世界そのものを時空ごと消滅させようといたしました。
 この試みそのものは、天海僧正が一朝時に備えて展開しておりました結界によって辛くも阻まれたんですが、その代償はとんでもないものでした。
 過去と未来と現在が一時的にごちゃごちゃになった(*10)結果、過去の時代の閻羅王たちが次々と蘇り、この化政時代に集まったのでございます。その数は確認されているだけで五人(*11)。百年に一度出るか出ないかの連中が化政時代に集まったんですから、まさに天下の一大事。
 幸い、天海僧正の結界は連中の完全な実体化は押さえ込んでおりますけれども、そいつは僧正の無限の生命を削っての秘術で、妖異の力がさらに増せば、いつ破れるかもわかりません。破れなかったとしても、閻羅王に従う八百八の妖異たちの圧力は日々強まっている始末。
 時空破断が起きてより、化政時代では一年。人々の知らぬところで、世界は風前の灯火になっておりました。


時を超えた英傑たち
 しかし、捨てる神あれば拾う神ありと申します。時空破断は閻羅王だけを呼び込んだわけではありませんでした。
 妖異のあるところ英傑あり。それはあらゆる時代に共通しております。したがって、妖異が時を超えたならば、英傑も時を超えて集まってまいります。
 現在確認されている限りでは戦国の昔と、龍馬が活躍しておりました幕末の動乱期から、何人かの英傑がこの地に現われたようです。

神剣・村雨丸
 しかし、時空破断が起きたとはいえ何故この時代に英傑たちと閻羅王が集結したのでしょうか。
 鍵となるのは、村雨丸という一本の刀だと言われております。
 この刀はもともと、鎌倉公方足利家が朝廷より妖異と戦うために授かったもので、はるか神代の昔に神々が振るっていた剣を打ち直したものと言われております。
 室町の終わりごろ、閻羅王のひとり扇谷定正との戦いで、里見八犬士が振るったのがまさにこの刀。その瑞気はすさまじく、妖異のあらゆる闇を打ち払ったという話。
 しかし、鎌倉足利家が歴史の表舞台から消えてより、村雨丸の行方は長らくわからなくなっておりました。
 朝廷に伝わる秘事によれば、村雨丸には時空を維持する力があるといいます。村雨丸の力によって、すべての時と場所が混じり合ったこの化政時代が維持されているのだ、と天海僧正はおっしゃっております。
 とすれば、村雨丸を閻羅王が手に入れれば、完全にこの世界は消滅してしまい、世は魔界となってしまいます。逆に、英傑が村雨丸を見いだすことができれば、時空破断による歪みを修復し、世界をもとのすこやかな世界に戻すことができるんじゃないでしょうか。
 そう考えた英傑と妖異たちは、競って諸国を旅し、村雨丸を探し求めております。

(*9) 影から
 妖異がいるぞ! と表沙汰にしようもんなら、それこそ社会がひっくりかえっちまいます。これから先はともかく、今のところは敵も味方も、妖異騒ぎをおおっぴらにしたくはないのが本音でございます。

(*10) ごちゃごちゃになった
 そもそも今の化政時代そのものが正しい歴史から逸脱してるんじゃなかろうか、と疑ってる英傑もおります。
 特に、化政より未来からやってきた新撰組の隊士によれば、あきらかに自分たちの過去と微妙な違いがあるんだそうで。

(*11) 五人
 さらに多くの閻羅王が復活しているてえ噂もあれば、そいつらを率いる“上様”てえのがいるって話もあります。

▲ページ上部へ