天下繚乱RPGシナリオ「妖刀・鬼一文字」
著:力造 監修:桶田大輔/梶岡貴典


シナリオデータ

プレイヤー:3〜5人
キャラクターレベル:3〜5
プレイ時間:4〜5時間
使用サプリメント:なし(基本ルールブックのみを使用)


シナリオ背景

 東海道の宿場町、石蕗(つわぶき)の宿。
 近頃この町では、旅人などを狙った凶悪な辻斬り事件が続発しており、その煽りを受けた町の治安は徐々に悪化していた。
 石蕗を恐怖に陥れている辻斬りの正体は、PC1のかつての好敵手、剣客室戸半兵衛(むろと・はんべえ)であった。
 半兵衛は鬼神衆の魔力を宿した妖刀鬼一文字(おにいちもんじ)の魔力に心を奪われ、人々を襲っていたのだった。
 しかも、半兵衛が持つ鬼一文字は、蘭学者蔵六(ぞうろく)がPC2の師匠にして鬼の刀鍛冶である霧鬼(きりおに)の鍛えた邪剣を元に生み出した試作品に過ぎず、真打の鬼一文字は蔵六の主である悪代官、金井三十郎(かない・さんじゅうろう)の手の中にあった。
 三十郎の正体は、閻羅王、由比正雪(ゆい・しょうせつ)が入手した真打の鬼一文字を量産する使命を受けて、地元の石蕗へと派遣されてきた羅刹である。
 そして、腕利きの剣客である半兵衛を利用し、最初の試作品の成果を試すために辻斬りを行わせていたのだった。
 半兵衛を倒し、その真実を知ったPCたちが蔵六と三十郎を倒すことでこのシナリオは終了となる。


今回予告

 平和な宿場町、石蕗の宿に辻斬りの刃が閃き、血の雨が降る。
 残虐、無頼、非道、極悪。
 どれが起きても、小さな宿場には致命傷となる。
 紅の雨を止めるため、立ち上がりしは英傑たち。
 そして、辻斬りを追う彼らの前に、おぞましい妖異の姿が浮かび上がる。
 はたして、血の雨の中から浮かび上がってくるのは、絶望か、それとも。
 天下繚乱RPG『妖刀・鬼一文字』
 百花繚乱綾錦、いざ開幕!

キャラクター作成

 今回予告を読み上げた後、次ページのハンドアウトをコピーして切り離し、各プレイヤーに配布せよ。どのプレイヤーにハンドアウトを渡すかは、GMの任意にしてもよいし、プレイヤー間で選択させてもよい。プレイヤーの人数が少ない時は、若い番号のものを優先すること。

●ハンドアウト
 ハンドアウトには、各PCによって異なる事前情報と、シナリオによってPCに与えられる因縁が記載されている。
 今回予告を読み上げたのち、GMは下のシナリオハンドアウトの内容を読み上げて、各プレイヤーに配ること。その後、ハンドアウトに沿ってPCを作成してもらうとよい。

●クイックスタート
 プレイヤーが『天下繚乱』を初めて遊ぶ場合や、ルールブックを持っていないならクィックスタートでキャラクター作成を行うとよい。
 本シナリオでは以下の5つのサンプルキャラクターをクィックスタートで使用することを推奨する。
PC1: 流浪の剣客(『天下繚乱』p052)
PC2: 天下のご老公(『天下繚乱』p054)
PC3: 必殺の仕事人(『天下繚乱』p070)
PC4: 輝く鬼(『天下繚乱』p061)
PC5: 闇を払う者(『天下繚乱』p068)

●コンストラクション
 プレイヤーがルールを知っていて、ルールブックも所持している場合、コンストラクションでキャラを作成してもよい。
 このとき、各PCにはハンドアウトで推奨されるクラスを取らせ、またハンドアウトに付随する設定についてはGMから説明を行うこと。

●PC間コネクション
 キャラクター作成後に、プレイヤーにPCの自己紹介をしてもらおう。その後PC間のコネクションを決定すること。PC間コネクションの結び方は以下のとおり。
PC1→PC2→PC3→PC4→PC5→PC1

●シナリオハンドアウト
 各PCには以下の設定がつくので、キャラクター作成の時によくプレイヤーと相談すること。
PC1:室戸半兵衛の旧友である
PC2:放浪の天下人である
PC3:仕事人である
PC4:霧鬼の弟子である
PC5:退魔師である

妖刀・鬼一文字:PC1用ハンドアウト
コネクション:室戸半兵衛(むろと・はんべえ) 関係:友人 クィックスタート:流浪の剣客 コンストラクション:剣客 カバー:指定なし
 キミには友がいた。同じ道場で竜虎と呼ばれた好敵手、室戸半兵衛。彼が剣名で仕官を目指して流浪の旅に出たのは、もう五年も前のことだ。そんな半兵衛とキミが再会したのは、東海道のある峠でのことだった。半兵衛は、無辜(むこ)の人々の血にまみれ、屍の山の上に立っていた。キミを見ると半兵衛はかけ去ってしまったが、どう考えても様子は尋常ではない。キミは彼を追うことにした。

妖刀・鬼一文字:PC2用ハンドアウト
コネクション:石蕗宿(つわぶきじゅく)の人々 関係:幼子 クィックスタート:天下のご老公 コンストラクション:天下人 カバー:指定なし
 キミは人々を救うため、諸国を漫遊している天下人だ。やってきた石蕗の宿で、キミは東海道を旅する人々が、謎の辻斬りに次々と襲われているという話を聞く。このままでは石蕗は干上がってしまうし、東海道の往来が途絶えて天下の人々が難儀をすることになる。キミは、近しい英傑たちを集めて、石蕗を救うことを決意した。

妖刀・鬼一文字:PC3用ハンドアウト
コネクション:お鈴(りん) 関係:取引 クィックスタート:必殺の仕事人 コンストラクション:仕事人 カバー:指定なし
 キミは石蕗の宿に住まう――あるいはそこを根城のひとつにしている――仕事人だ。今日の依頼人は石蕗の代官、金井三十郎(かない・さんじゅうろう)の姪、お鈴。彼女の恋人であった町人、隼人(はやと)が、辻斬りによって殺されてしまったというのだ。奉行所さえ手を出せないその辻斬りを、鈴は殺して欲しいのだという。キミは、彼女の依頼を受けた。

妖刀・鬼一文字:PC4用ハンドアウト
コネクション:霧鬼(きりおに) 関係:師匠 クィックスタート:輝く鬼 コンストラクション:鬼神衆 カバー:指定なし
 キミの師匠、霧鬼は刀鍛冶としても知られている。多くの鬼神衆が、師匠の打った刀で悪と闘ってきたのだ。だが、病床に伏し、今や死を迎えようとする師匠は驚くべき告白をした。ただ生涯に一度、邪剣を打ってしまったことがあるという。その刀の名は鬼一文字。人を狂わせるというその刀が、石蕗(つわぶき)の里で見いだされたという。キミは師匠の最期の頼みを聞いて、石蕗へと向かった。

妖刀・鬼一文字:PC5用ハンドアウト
コネクション:辻斬り 関係:好敵手 クィックスタート:闇を払う者 コンストラクション:指定なし カバー:指定なし
 キミは妖異と闘う英傑だ。東海道を脅かす辻斬りの影に妖異の影を感じ取ったキミは辻斬りを追った。だが、斬った人々を次々と妖異へ変貌させるその異様な力の前に、キミは撤退を余儀なくされる。そのとき、キミは見た。人々の魂が辻斬りの男と、鬼の一文字が刻まれた刀へと吸い込まれていく姿を。あの力を封じる対策を講じねば、妖異を討つことはできまい。


オープニングフェイズ

 オープニングフェイズでは、基本的にシーンプレイヤー以外は登場できないものとする。

●シーン1:その刃は苦く冷たく
マスターシーン
◆解説
 半兵衛の壮絶な悪行を描写するシーン。PCは登場不可。
 半兵衛は試作品の鬼一文字を用いて辻斬りを行なう。
▼描写
 東海道は石蕗宿近隣の山道を、ふたりの若い男女が必死になって駆け抜けていた。
 夫婦なのであろう、男は女の手を引き、懸命な眼差しで“なにか”から遠ざかろうとしている。しかし、突如として、ふたりの目前に黒い影が現れる。
 男は立ち止まり、女をかばうように立って、黒い影に言葉を投げかけた。
▼セリフ:若い男女
「あ、あんたはもしや、この石蕗近隣に出るという辻斬りか?」
「たのむ……オレはどうなってもいい。だから、こっちの女だけはかんべんしてくれ!」
「たのむ。金ならやる。だから……ぎゃあああ!」(斬られる)
「お前さん!」
「ひ、人殺し! わたしの夫が何をしたって……がふ!」
「ぐ……呪ってやる! 呪ってやるよ! この人……殺……し……」
◆結末
 女が最後の言葉を呟きながら、男に手を伸ばそうとしたところで、影は無情にも女に刃を突き立てる。そして、血しぶきが月光を覆うように舞ったところでシーン終了となる。

●シーン2:妖異の群れ
シーンプレイヤー:PC5
◆解説1
 噂の辻斬り(半兵衛)を発見し、討伐を試みるシーン。
 半兵衛は鬼一文字の力で男女の遺体を妖異へと変え、PC5にけしかける。
 なお、この妖異はエキストラであり、PCが宣言するだけで倒すことが可能である。
 半兵衛のセリフを終えたところで、描写2へと移る。
▼描写1
 真相を確かめるために、石蕗の宿近くまで足を運んでいたキミは、遠くから響き渡る女の断末魔を聞いた!
 キミがその場にかけると、そこはすでに血の海と化しており、女の遺体から刃を引き抜く異様な武士の姿を見た。
 武士はキミの姿に気付くと、手にした刀を振るう。
 すると“鬼”の一文字が刻まれた刃は妖しく輝き、倒れ伏した男女になにかを宿らせる。
 そして、遺体は突如として妖異の姿に変貌し、キミに対して襲いかかった。
▼セリフ:辻斬り(半兵衛)
(妖異が倒された)「くくく、なかなかやるな。おぬし、もしや退魔師か?」
「だが、おぬしの法力では、我が刃に秘められし魔力を退けることは不可能だ」
「どちらにせよ。姿を見られたからには生かしておけん」
「ここで、我が刃の餌食となるがよい!」
◆解説2
 半兵衛は鬼一文字の力を更に解放し、無数の死体を妖異へと変え従わせる。
 PCは撤退を余儀なくされる事となる。
▼描写2
 武士が再び刃を振るうや否や、地面から妖異と化したおびただしい数の死体を起き上がる!
 これはまずい……この場は一度、撤退するしかないようだ。
▼セリフ:辻斬り
(PCが撤退を宣言する)「ほう……下らぬ正義感に流されず、冷静に撤退を選ぶとは」
「どうやら、よほどの腕前らしい」
「我が力を見られたのは痛手だが……まあよい。いずれ出会ったときには、我が刃の餌食にしてくれる」
◆結末
 PC5に【宿星:妖異を倒す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン3:血塗られた再会
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1が、辻斬りの帰りの半兵衛と再会し、真実を確かめることを決意するシーン。
▼描写
 理由あって旅を続けていたキミは最後の峠に差し掛かった。
 ここを超えれば、間もなく石蕗の宿に辿りつく。
 途中、小川にかけられた橋に差し掛かる。すると、清らかな水と木々の芳香が突如として血の臭いと濃密な殺気に穢される。
 キミは正義感からか、剣客としての本能からか、その殺気の主を確かめるために血臭が漂う林の方へと向う。
 するとそこには、斬り伏せた若い男の遺体を踏みにじり、茫然とたたずむ……かつての好敵手、室井半兵衛の姿があった。
▼セリフ:半兵衛
「なにやつだ……おぬしは、もしやPC1か?」
「なぜこのような場所に……」
(遺体について尋ねられた)「この遺体は、だと? ふん、おぬしには関係のないことよ」
「うるさい! よいか、どちらにせよ早くこの石蕗から去ね。それがかつての同門としての助言だ!」
「すぐに去ぬのだ……よいな!」
◆結末
 半兵衛はPC1にそう告げるや否や、林の向こうへと消えてしまう。PC1に【宿星:半兵衛の真実を追う】を渡してシーンを終了すること。

●シーン4:許せぬ悪
シーンプレイヤー:PC2
◆解説1
 PC2が黒幕のひとりである三十郎と出会い、石蕗宿の窮状を知って、事件解決のために英傑を集めることを決意するシーン。
 PC2は石蕗宿の異変に気が付き、宿の女将に現状を尋ねる。
 女将のセリフを終えたところで、描写2へと移る。
▼描写1
 漫遊の旅の途中、キミは東海道は石蕗へとやってきていた。
 石蕗は、噂ではたいそうな賑わいを見せる宿場町のはずだが、なぜか町全体に活気がない。
 いや……それどころか、剣呑とした空気すら漂っている。
 石蕗で、最も大きな旅籠「いわや」を宿に決めたキミは草鞋を脱ぐ最中、出迎えに出た店の若い女将から町の現状を聞くことにした。
▼セリフ:女将
「……この町の様子に気付かれましたか」
「実は……この石蕗では最近、辻斬りが横行しているんです」
「辻斬りは夕刻近くになると石蕗の峠近くに現れて、罪もない旅人や石蕗の者を次々と斬り伏せているのだそうで……」
「代官さまも懸命に辻斬りを探しているらしいのですが、辻斬りは神出鬼没で、一向に捕まる気配がないのだとか」
「こんなことが続けば、やがてこの石蕗は干上がってしまいますし、天下の往来にも影響が出るかもしれません」
「それに……」
◆解説2
 PC2が金井三十郎と邂逅する。
 三十郎は女将に、女将と恋仲だった板前が辻斬りに遭った事を報告する。
▼描写2
 若い女将がそういって、心配そうに入り口を見たその時、そこへ何人かの武士たちがやってきた。いずれも山狩りの後らしく、物々しい姿をしている。そして、武士たちの中央にいた立派な人物が、神妙な面持ちのままキミに対して語りかけた。
▼セリフ:金井三十郎
「旅人の方ですな……辻斬りに遭わず、ご無事でなにより」
「それがしは、この石蕗で代官を務めおる金井三十郎と申す」
「悪いことは申しません。できるなら、近いうちにここを発ち、しばらくは近寄らぬ方がよいでしょう」
「それと女将……いや、お鈴。残念な知らせだ」
「この旅籠の板前の隼人がな……先ほど峠の林の中で、斬られた姿で見つかった」
「お主とは恋仲だったのだろう。まだ若いのに……お主の叔父としても無念だ」
「本当に……すまぬ」
▼セリフ:女将
「そんな……隼人が……」(その場に泣き崩れる)
◆結末
 PC2が町を救うことを決意した時点で、PC2に【宿星:英傑を集めて町を救う】を渡してシーンを終了すること。

●シーン5:お鈴からの依頼
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3が、お鈴から依頼を受けるシーン。
▼描写
 石蕗の中でも、もっとも大きな店を持つ旅籠「いわや」。
 そのいわやの離れの一室は、通夜特有のしめやかな空気に支配されていた。
 殺されたのはいわやの若い板前、隼人。そして、葬式の喪主は隼人の恋仲だった若女将お鈴であった。
 お鈴は、キミを見るや否や、無念の涙と共に依頼を始めた。
▼セリフ:お鈴
「……よくぞ、おいでくださいました」
「あなたが腕利きの仕事人だというのは、さるお方から聞き及んでおります」
「すでに聞き及んでいるかもしれませんが……わたしの想い人だった隼人が、石蕗界隈に出没する辻斬りに殺されたのです」
「隼人は真面目で、悪事とは縁もなかったというのに!」
「隼人のことを思うと……このままでは捨ておけません!」
「どうかこれで、隼人の無念を晴らしてやってくださいまし!」
◆結末
 PC3がその依頼を受けた時点で、PC3に【宿星:お鈴の怨みを晴らす】を渡してシーンを終了すること。

●シーン6:師からの願い
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 PC4が、病床に伏せる師匠、霧鬼から最後の頼みを聞くシーン。
▼描写
 師匠が不治の病に臥せっていることを知ったのは、キミが呼び出しの手紙を読んだ時だった。
 そうして、キミは矢も盾もたまらず、師の住む山奥の庵へと足を運んできていた。
 師、霧鬼は布団に臥せったまま、笑顔でキミを出迎える。
 だが、その弱々しい笑顔からは、往年の鋭さや輝きを見い出すことはできなかった。
▼セリフ:霧鬼
「おいおい、まったくなんてえツラをしてやがるんだ」
「あのな……オレたちは生きてる。だから死ぬ。そんな当たり前の事、とうの昔に教えてはずだぞ」
「……なあPC4。実は、お前に頼みがある」
「お前も知ってのとおり、オレは昔、刀を鍛えていたこともあった」
「幾人もの英傑たちがオレの刀で妖異と戦ったもんよ」
「だが……人生で一度だけ、間違いを犯した」
「かつてオレは一度だけ、邪剣を打ってしまったのさ」
「しかし、オレはその邪剣……鬼一文字の美しさに魅入られ、壊すことができず、この床下に封印していた」
「ところが、オレが留守の間に何者かがそれを持ち出し……その行方が分からなくなってしまった」
「だが、つい最近、東海道は石蕗の宿の近くでその刀を見たという者が現れたんだ」
「鬼一文字は……我らが鬼神衆の魔力を秘めた妖刀だ」
「もし、アレが妖異たちの手に渡れば、どれだけ無辜の人々が涙を流すことになるか……」
「だから、アレを潰さんことにゃあ、オレはおちおち死んでもいられんのよ」
「頼む、PC4よ。オレの最後の願いだ。あの鬼一文字をオレに変わって破壊してくれ」
◆結末
 PC4が霧鬼からの依頼を受けた時点で、PC4に【宿星:妖刀・鬼一文字を破壊する】を渡してシーンを終了すること。


ミドルフェイズ

●シーン7:妖異の襲撃
シーンプレイヤー:PC1
◆解説1
 PC1が石蕗宿に入ると、地元のヤクザ(エキストラ)に半兵衛と間違われてしまい、からまれるが、その途中半兵衛に斬られたヤクザの仲間が妖異と化して襲撃してくるシーン。
 他のPCの登場難易度は8とする。
 ヤクザとの会話を終えたところで描写2へと移る。
▼描写1
 キミが半兵衛を追って、石蕗の宿場町に到着したのは、宵の口をかなり過ぎた頃だった。
 しかし、周囲には半兵衛の姿は見当たらず、仕方なしに今日の宿を探そうとする。
 すると、通りの向こう側から人相の悪いヤクザ者と思しき二人組が、キミの姿を認めて近づいてきた。
▼セリフ:二人組
「おう、テメエ、どこから来た?」
(街道から、あるいは峠からだと答えた)「なにい? もしやテメエ、このあたりを騒がしてる辻斬りじゃあねえだろうな?」
(PC1が取り繕おうとした)「とぼけるな! おう、悪いがよ。お前の腰に差してるもん、こっちに渡してもらおうか?」
「いやだと抜かすなら、少しばかり痛い目を見てもらうことになるぜえ?」
「おい、ハチ。他の場所に行った連中を呼んでこい!」
「へい! あれ、兄ィ。連中、こっちに戻ってきましたぜ?」
◆解説2
 半兵衛によって斬られ、妖異と化したヤクザの仲間がやってくる。
 戦闘となる。PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5m離れた地点に下級羅刹(『天下繚乱』p220)×1のエンゲージがふたつ配置される。なお、この下級羅刹は、半兵衛に斬られているため、倒しても助からない。
▼描写2
 ハチと呼ばれたヤクザ者が指差した方を見てみると、薄暗くなった路地の向こう側から、さらに何人かの人影が近づいてくる。
 だが、その足取りは少しおかしい。
 まるでひどく酩酊しているような、そんな足取りである。
 だが、人影が灯りのある場所まで近づいてきたところで、その姿が人と妖が交わった異形と化していることが判明する。
 あの姿は……妖異だ!
▼セリフ:二人組と仲間の会話
「さ……サブ! その姿はいったいどうしたんでえ! おめえ、斬られてるじゃねえか!」
「あ、兄ィ……痛ぇよお! 半兵衛のヤツに斬られたぁ」
「けどよぉ、なんかむず痒くて、痺れるような感じがしやがるんだあ……それに、渇く。渇くんだよお!」
「ひ、ヒイイ! お、お助けぇ!」(ヤクザ者たちは退場する)
◆結末
 戦闘が終了したらシーン終了となる。

●シーン8:英傑、集う
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PCたちが騒ぎを聞きつけ、宿場の通りへと集まるシーン。全員登場となる。
▼描写
 妖異と化したヤクザ者たちとの熾烈な戦いの後、その騒ぎを聞きつけて集まった石蕗の人々。だが、彼らはヤクザ者たちの遺体を見て、不安そうに顔を見合わせている。
 すると、お鈴がヤクザ者たちの姿を見て、はっとした表情をした。どうやら、何かを知っているらしい。
 キミはお鈴から事情を聞くことにした。
▼セリフ:お鈴
「最近、辻斬りだけでなく、こういったヤクザ者風の男たちが、夜な夜な怪物の姿になって襲ってくるという噂があったんです」
「直に見るまで信じていませんでしたが、まさか……本当だったなんて」
「それと、この人たち……見たことがあります」
「以前、うちの店に泊まって、騒ぎを起こした連中です」
「たしか、旅の渡世人だと名乗っていました」
「けど……この町には、小さな一家が二、三あって、どこで草鞋を脱いでいたかまではわかりません」
「……とにかく。今日はもう遅うございます。うちの店でゆっくりとお過ごしください」
◆結末
 PCたちがお鈴との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン9:お鈴からの話
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 旅籠いわやにて、お鈴から町の現状や新しい情報を聞くシーン。全員登場となる。
▼描写
 翌朝。お鈴から話があると言われ、旅籠、いわやの一間にて再び一堂に会した。
 お鈴は全員が集まったところを見計らって、話を始める。
▼セリフ:お鈴
「昨夜のことで、お話ししたいことがあります」
「以前、この町のどこかの一家が開いた賭場(とば)で、ヤクザ者と客の武士とが刃傷沙汰を起こしたという話です」
「そのときにヤクザ者が大勢斬られて、武士は仲間の一人と共に、どこかに姿をくらましたそうですが……」
(武士の仲間について聞いた)「はい。そのときに仲間と思しき者が、一人だけ同行していたという話です」
「たしか、その時期あたりから、昨夜のような化け物や辻斬りの噂がされるようになったんです」
「昨夜の出来事を知って、ひょっとすると、その武士が辻斬りなのかもしれないと思って」
「この町には小さな一家がいくつかありますが、賭場を開いているのは、網寺一家(あみでらいっか)だけのはずです」
「わたしには何もできませんが……一応、お伝えしておこうと思いまして」(PC3に目配せする)
◆結末
 PCたちがお鈴との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン10:情報収集シーン
シーンプレイヤー:PC5(いなければPC1)
◆解説
 情報収集シーン。以下の情報を収集する。判定値は基本的に【理知】で判定する。カッコ内が情報を得るための難易度である。
 開始時は昼とし、PC全員が1回ずつ判定を行なうことで夜となる。夜の情報収集判定はファンブル値に+3され、ファンブルした場合、下級羅刹×2と戦闘になる。PCたちはひとつのエンゲージ、そこから10m離れた地点に下級羅刹(『天下』P229)からなるエンゲージふたつが配置される。なお、この下級羅刹は、半兵衛に斬られているため、倒しても助からない。
 
▼室戸半兵衛(難易度:12)
 半年ほど前、石蕗に現われた浪人。町を支配する網寺一家にわらじを脱いでいたが賭場で揉め事を起こしたため、すぐにいなくなった。一時は代官、金井三十郎を通して仕官の口を捜していたこともある。網寺一家なら何か知っているかもしれない。
▼網寺一家(難易度:10)
 古くから、この石蕗の町の一角を縄張りにしている渡世人の一家。善良というほどではないが悪辣(あくらつ)というほどでもない。最近、若い者が行方しれずになったり、帰ってきたかと思えば妖異化していたりして、それらが徐々に手に負えなくなりつつある。
▼町の妖異(難易度:8)
 夜な夜な町に出現する妖異たちは、網寺一家の者がほとんどだが、中には辻斬りの犠牲者も含まれているという。
▼鬼一文字(難易度:12)
 半兵衛が刀の名前をそう呼んでいた。鬼一文字は妖異の力を呼び、それを振りまく妖刀である。(これから先の情報は、PC4がいる場合のみ公開される)鬼神衆が鍛え、魔力を宿した妖刀のため、その力を封じるにはPC4の鬼神衆としての力が必要だ。
▼武士の仲間(難易度:10)
 武士の仲間と思しき男は、蔵六(ぞうろく)という。蔵六は一年ほど前、石蕗に現れた蘭学者くずれの鍛冶屋で、ある人物に呼ばれてこの町へとやってきた。そして、依頼を受けて刀を鍛え、法外な報酬を受け取り、当時、賭場へ頻繁に遊びにきていたらしい。

●シーン11:網寺一家
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 網寺一家へと赴く。そこで半兵衛や鬼一文字に関する話を聞き、半兵衛の居場所を探るシーン。
 他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 網寺一家は、石蕗の宿の端に居を構えていた。
 キミが半兵衛に関する情報を聞くために一家の門をくぐると、剣呑とした雰囲気の男たちが立ちはだかる。
 彼らと揉めている間に、屋敷の奥から壮年の男が現れる。
 どうやら、この男が網寺一家の親分らしい。
▼セリフ:親分
「お前さんたち、只者じゃねえな? まあ、立ち話もなんだ。こっちへきな」(屋敷に案内される)
(キセルに火をつけながら)「で、用件というのは?」
(半兵衛について尋ねる)「……室井半兵衛? ああ、確かに半年前、うちで草鞋を脱いでいた浪人だ」
「ただあの浪人、うちで草鞋を脱いでしばらくするうちに、仕官に必要だからと見た目のいい刀をどこかから見繕ってきてな」
「あの立派な刀……たしか鬼一文字とかいったか」
「その刀を欲しがったうちの若い者が、半兵衛を賭場に誘ってな、イカサマでその刀を巻き上げようとしたんだ」
「だが、半兵衛がそのとき連れてきた仲間にイカサマ見抜かれちまってな。突っかかった若い者が半兵衛に斬られて……」
「あとは、あんたも知ってのとおりさ」
「ヤツは自分を罠にはめようとしたオレたちを、今でも恨んでいるらしくて、時折、若い者が斬られちまうのよ」
「……なあ、ものは相談なんだが、オレたちは半兵衛の居場所を知っている。もし、お前さんがヤツを始末してくれるのなら、その居場所を教えてもいいぜ?」
(承諾した。あるいは脅した)「半兵衛の居場所は……宿場町裏にある古寺だよ」
◆結末
 PC3が半兵衛の居場所を聞き出し、網寺一家を後にしたらシーン終了となる。

●シーン12:月下の対決
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 半兵衛の居場所を知ったPCたちがお鈴の案内のもと、宿場町裏にある古寺半兵衛と赴き、半兵衛と対決するシーン。
 PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5mの距離に半兵衛と下級羅刹×2のエンゲージを配置する。ただし、情報収集判定において「鬼一文字」を調べている場合、PC4が宣言することで鬼一文字の力を封じることができる。PC4が鬼一文字の力を封印した場合、下級羅刹は出現しない。
▼描写
 網寺の親分から半兵衛の居場所を聞いたキミたちは、地元に詳しいお鈴の案内のもと、半兵衛が潜んでいるという宿場町裏にある古寺へとやってきた。
 空には……禍々しい月輪が輝いている。
 お鈴はキミたちに目配せをすると、「いわや」と書かれたちょうちんを持って、その場を後にする。
 そして、それを見計らって、キミたちは月光を浴びながら古寺へと踏み込んだ。
▼セリフ:半兵衛
「……何奴!」
「き、貴様はPC1!?」
「……どうやら、オレの忠告を聞き入れなかったらしいな」
「いかにも……察しのとおり、辻斬りの正体はオレよ」
「この刀に血を吸わせるほど……自らが強くなる事を感じ取れる。強くなること。剣客においてこれ以上の目的はあるまい?」
「かつての同門である貴様を斬るのは忍びないが、我が愛刀は今宵も血に飢えている。今日の獲物は……貴様らだ!」
(PC3に)「ほほう。このオレの仕掛けるだと? 仕事人が面白い。やってみろ」
(PC5に)「ほほう。貴様がPC1と一緒だったとはな。探す手間が省けた。貴様もここで死ぬがよいわ!」
(PC4に)「この刀を渡すことはできん。おとなしく我が刃の錆となるがいい。唸れ鬼一文字! 妖異を呼び出せ!」
(PC4が力を使った)「何!? 力が使えぬ!?」
(倒された)「ば、バカな……このオレが敗れるだと!?」
◆結末
 戦闘が終わると鬼一文字は砕け、半兵衛が取り憑かれていた妖異から解放されたらシーン終了となる。

●シーン13:隠された真実
シーンプレイヤー:PC4(いなければPC2)
◆解説
 半兵衛が鬼一文字にまつわる真実を告白するシーン。
 全員登場となる。
▼描写
 妖刀・鬼一文字を砕かれ、倒れ伏した半兵衛はうめき声を上げながら、うっすらと目を開いた。
 その瞳に……もはや狂気の色はない。
▼セリフ:半兵衛
「オレは……そうだ、オレは蔵六から手渡されたあの刀に取り憑かれて、凶行を……」
(PC4に)「おぬしがあの刀を砕いてくれたのか、礼を言う」
(PC1に)「PC1よ、聞いてくれ。あの鬼一文字は蔵六がこしらえた数打(かずうち)で、本物ではない。真打(しんうち)の鬼一文字は……石蕗代官金井三十郎の手にある」
「オレは金井に仕官を推挙してもらうことを条件に、あの刀を渡され、人を斬るように命じられていたのだ」
「だが、賭場で人を斬ってから、すでにオレの心は鬼一文字に魅入られてしまった」
「いま思えば蔵六がイカサマを見抜いたのも、こうなることを予測してのことだったのかもしれん」
「おそらく金井は、魔性の刀鍛冶である蔵六と組んで、あの鬼一文字を量産し、世にばら撒くつもりだ」
「このようなことを頼めた義理ではないが……PC@よ。どうか、金井の凶行をとめてくれ」
「頼んだ……ぞ……」
◆結末
 PCたちが半兵衛の遺体を葬り、古寺を後にしようとした際、中庭にお鈴が持っていた「いわや」と書かれたちょうちんが燃えているのを発見したらシーン終了となる。

●シーン14:真打・鬼一文字
マスターシーン
◆解説
 シーン13で倒された半兵衛の独白を盗み聞きしたお鈴が黒幕だった叔父の金井三十郎を問い詰め、逆に斬られるシーン。
▼描写
 半兵衛の独白を盗み聞きしたお鈴は、その足で三十郎が通う小料理屋へとやってきていた。
 知り合いの主に聞き、離れへと案内されたお鈴は、三十郎の前で臆することなく、半兵衛の件を問いつめた。
▼セリフ:お鈴と三十郎の会話
「どうしたお鈴。血相を変えて?」
「叔父上……あなたが辻斬りを操っていたというのは、本当なのですか?」
「な、なんの話だ?」
「とぼけないでください! あの半兵衛という浪人が事切れる間際にすべてを話しました!」
「どうしてこのようなことを? 叔父上がこんなことさえしなければ……隼人は死ななかったのに!」
「黙れ! わしはな、とあるお方からの使命を帯びて、仕方なくやったのだ!」
「使命がなによ! この人殺し! 人殺しぃ!」
「……やかましい! 死ねい!」
(金井に斬られる)「ああっ! は、隼人……」
「くくく。やはり、真打は違う。まるで骨無きが如く、だ」
「……これを数多く作り出せるのなら、なるほど、由比さまもさぞかしお喜びになるだろうて」
◆結末
 三十郎は斬り伏せたお鈴を蹴飛ばし、高笑いを上げながらその場をあとにした場面を演出したらシーン終了となる。

●シーン15:最後の願い
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 お鈴を追って小料理屋に到着し、PC3が事切れる間際のお鈴から最後の仕事を依頼されるシーン。
 他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 古寺から駆け足で石蕗宿へと戻ってきたキミは、宿場町の端にある小料理屋の前で人だかりができていることに気付いた。
 人々は、皆一様に悲痛な表情を浮かべている。
 強い胸騒ぎを感じたキミは、人だかりをかきわけて、小料理屋の中へと入ってゆく。
 するとそこには、無残にも斬り伏せられたお鈴の姿があった!
▼セリフ:お鈴
「う……あ……PC3さん」
「やったのは……金井、三十郎……」
「お願い……です。どうか……三十郎の命を」
「わたしと……隼人の……恨みを、晴らして」(手に握っていた小判がこぼれ落ちる)
◆結末
 お鈴が事切れる場面を演出したら、PC全員に【宿星:三十郎を倒す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン16:巨悪、許すまじ
シーンプレイヤー:PC4(いなければPC2)
◆解説
 全員登場。PCたちが、石蕗の代官所に突入するシーン。代官所を守る兵たちは妖異の力によって正気を奪われている。だが、完全に羅刹化しているわけではないので、《一件落着》を使用した場合、彼らの正気を取り戻させる、あるいはPC2に従う手勢によって取り押さえられるなどの形で道を開けさせることができる。《一件落着》を使用しない場合は戦闘となる。このことはプレイヤーに伝えること。
 戦闘となった場合、PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5mの距離に軍勢(『天下』P224)×2のエンゲージをが配置する。
 なお、《一件落着》で従えた代官所の兵士たちをそのまま連れていった場合、彼らは鬼一文字が放つ妖異の瘴気に当てられ無力化されたとして、エキストラとして扱うこと。
▼描写
 全ての黒幕である石蕗代官、金井三十郎を追って代官所へとたどりつくと、門扉は代官所の兵たちによって守られていた。
 だが、彼らの様子はあきらかにおかしい。どうやら、彼らは何かに取り憑かれ、正気を失いつつあるようだ。
▼セリフ:兵たち
「なんだ貴様らは!
「辻斬りの件は落着したと聞いておる! 代官様はその件で忙しいのだ。そうそうに立ち去るがよい!」
(《一件落着》を使用した、あるいは倒された)「う……我々は一体なぜ、このようなことを?」
◆結末
 兵を倒すか無力化し、代官所の中へと突入したらシーン終了となる。


クライマックスフェイズ

●シーン17:代官所の決戦
シーンプレイヤー:PC5(いなければPC1)
◆解説
 代官所の内部へと突入し、真打・鬼一文字を携えた金井三十郎、及び蔵六と対峙し、決戦を行なうシーン。PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5mの位置に下級羅刹×3のエンゲージをふたつ、さらに5m離れた位置に三十郎と蔵六をひとつのエンゲージに配置する。PC4が鬼神衆の力を使って、鬼一文字の力を封印した場合、出現するのは下級羅刹×3のエンゲージをひとつにする。なお、このシーンに登場している下級羅刹は《威圧》(『天下』P220)を所持している。
▼描写
 代官所の中庭は襲撃に備えてか、いたる場所にかがり火がおかれていた。
 禍々しい炎が揺らめく中、キミたちは石蕗代官、金井三十郎の姿を探し出す。
 すると、金井は閉じられた障子を大きく開いて、キミたちの前に姿を現す。その傍らには眼鏡をかけた軽薄そうな男の姿。
 おそらく、あの男が、半兵衛に数打の鬼一文字を手渡した人物――蔵六に違いない。
▼セリフ:三十郎
「やはり来おったか、英傑ども」
「こうなっては仕方がない。最早、逃げも隠れもせぬ」
「せぬが……無論、貴様らを生かしては返さん」
「ここで貴様らの命を絶ち、我が明主、由比正雪どのの命に従って、鬼一文字を量産する!」
「そして、鬼一文字で武装した妖異の軍勢を生み出し! この日ノ本を我ら妖異の手落とすのだ!」
(倒された)「そんな……このワシが、倒されるなど……しょ、正雪どのーっ!」
▼セリフ:蔵六
「表の連中が使えないことなんて、百も承知さ」
「ボクらがまさか、キミたちがやってくるまで、何もしなかったとでも思うのかい?」
「当然、用意しておいたさ……鬼一文字の力を得て、我らが下僕となる死体どもをね!」
「キミたちの死体もボクが作った鬼一文字の力で下僕してあげるから……だから、安心して死になよ!」
(倒された)「バカな! 天才のボクが、こんなヤツらに倒されるなんて……ぐはあっ!」
◆結末
 戦闘が終わると、三十郎の手から鬼一文字が零れ落ち、魔力を失って砕け散る。それをPCたちが見届けたらシーン終了となる。


エンディングフェイズ

●シーン18:これにて落着
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PCのエンディング。石蕗の宿場で起こった一連の事件を解決したPC2が、いわやの番頭に見送られるシーン。
▼描写
 事件から数日の時が経過し、キミは石蕗の宿場町から旅立つことにした。
 次の街道の入り口まで、死んだお鈴に替わって、いわやの番頭が見送りに来てくれていた。
▼セリフ:いわやの番頭
「まさか……代官様が黒幕だったなんて」
「けれど、女将さんも隼人も代官が裁かれたことを知って、安堵の思いで三途の川を渡っておるのでしょうなあ」
「お客さんがどのような身分の方なのかは存じませんが……この石蕗の町を良くしていただき、大変感謝しております」
「また機会がありましたら、是非ともこの町にお寄りください」
「どうぞ……道中、お気をつけて」
◆結末
 番頭が頭を下げ、PC2が旅立ったらシーン終了となる。

●シーン19:新たなる脅威
シーンプレイヤー:PC5
◆解説
 PC5のエンディング。妖異の魔の手に苦しむ人々を救うため、新たなる戦いに身を投じるシーン。
▼描写
 石蕗の妖異は去った。目的を終えたキミは、また人々を救うため、妖異を倒すための旅を続けていた。
 そこで、キミは人食い鬼が出るという集落へと辿り着き、村の人々から事情を聞くのだった
▼セリフ:村人
「山に住む人食い鬼が生贄の娘を求めて……今年でもう10年目になりますだ」
「村中から金を集めて、お侍を雇ったこともありましたが、いずれの方も山から帰ってはきませんでしただ」
「おねげえです! このままでは、村は滅んでしまいます!」
「どうか、どうかこの村をお救いくださいまし!」
◆結末
 PC5が、村人との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン20:師への報告
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 PC4のエンディング。鬼一文字を破壊したことを霧鬼に伝えるシーン。
▼描写
 鬼一文字を砕いたことを伝えると、病床に伏せていた霧鬼は、見たこともないような笑顔を浮かべた。
 もはや、思い残すことはない。そんな笑顔だった。
▼セリフ:霧鬼
「そうか……よくぞやってくれた。PC4よ」
「お前のような立派な弟子を持って、オレは幸せだよ」
「これで……もう思い残すことはない」
「そんな顔するな……どんな者も、いつかは死ぬんだ」
「……本当に、ありがとうよ」
◆結末
 PC4が霧鬼との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン21:新たなる仕事
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3のエンディング。仕事人としての新しい仕事を引き受け、再び闇に身を投じるシーン。
▼描写
 悪代官、金井三十郎と蔵六は死んだ。だが、悪党など、この世にはいて捨てるほどいる。
 キミは今日も“仕事”の依頼を聞きに、いつもの閻魔堂までやってきていた。
▼セリフ:依頼主
「実は……わたしの夫を殺した検校を殺してほしいのです」
「検校は夫を落としいれ、当家を取り潰しにしただけでなく、息子の命までも……」
「お願いです! どうかこの金で、あの検校を仕掛けてくださいまし!」
◆結末
 PC3が依頼を受けたらシーン終了となる。

●シーン22:今生の別れ
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1のエンディング。好敵手、室戸半兵衛の弔いを行なうシーン。
▼描写
 妖異の恐るべき野望は、キミの手によって打ち砕かれた。
 だが、かつての朋友であり、好敵手であった半兵衛の姿を、キミはもう見ることはできない。
 キミは目前の墓に、そっと手を合わせる。
◆結末
 PC1が半兵衛の弔いを終えたらシーン終了となる。

●エネミーによる経験点
 エネミーのレベルの合計は、奥義も含めて54点である。経験点の計算に反映すること。
 この計算にはミドルフェイズで遭遇する可能性のある下級羅刹や、鬼一文字の力で登場した下級羅刹(PCCの力で封じることができるもの)も含まれている。
 これらはPCの機転によって避けることのできた障害として、経験点に数える。


エネミーデータ

■室戸半兵衛
◆データ
種別:妖異 レベル:5 サイズ:1
体:15/+5 反:13/+4 知:9/+3
理:12/+4 意:12/+4 幸:9/+3
命:8 回:6 魔:4 抗:4
行:9 HP:42 MP:12
攻:〈斬〉+12/物理
対:単  射:至近
防:斬1/刺0/殴1
《武神の手》《破重撃》《兵者の適正》
《武神の眼》《範囲攻撃》《集団統率》
・【命中値】判定のクリティカル値10

◆攻撃
・《集団統率》
タイミング:セットアッププロセス
解説:下級羅刹すべてに即座にメインプロセスを行なわせる。このメインプロセスの終了後、下級羅刹たちは行動済みとなる。
・《兵者の適正》
タイミング:常時
解説:物理攻撃のダメージロールに+1D6。
・《範囲攻撃》
タイミング:マイナーアクション
代償:なし
解説:メインプロセスの間、攻撃の対象を範囲(選択)に変更。
・《破重撃》
タイミング:メジャーアクション
代償:2MP
解説:鬼一文字を一閃し、〈斬〉3D6+12のダメージを与える物理攻撃を行なう。

◆奥義
□一刀両断 □剣禅一如

■設定
 PC@と同門の剣客。士官への推挙を餌に数打の鬼一文字を手にし、それに魅入られてしまう。

■戦闘プラン
 最初のセットアッププロセスに半兵衛が《集団統率》を使用して下級羅刹を行動させ、PC@以外のPCを攻撃する。半兵衛はできるだけPCたちに接近し、《範囲攻撃》で多くのPCを狙う。PCが複数のエンゲージに別れている場合、可能な限りPC@のいるエンゲージを狙うこと。


■蔵六
◆データ
種別:人間 レベル:5 サイズ:1
体:12/+4 反:15/+5 知:12/+4
理:12/+4 意:9/+3 幸:12/+4
命:9 回:5 魔:5 抗:5
行:11 HP:60 MP:14
攻:〈殴〉+10/物理
対:単  射:20m
防:斬1/刺0/殴1
《カラクリ活劇》《兵器の天才》
・【命中値】判定のクリティカル値10

・《カラクリ活劇》
タイミング:マイナーアクション
代償:4MP
解説:直後のメジャーアクションのダメージロールに+5する。

■設定
 蘭学者崩れの鍛冶屋。魔剣や妖刀だけでなく、武器全般を扱う魔性の匠。金井三十郎の命を受け、妖刀・鬼一文字の試作品を鍛え、半兵衛に手渡した張本人。


■金井三十郎
◆データ
種別:妖異 レベル:10 サイズ:4
体:28/+9 反:21/+7 知:15/+5
理:12/+4 意:12/+4 幸:6/+2
命:8 回:4 魔:6 抗:5
行:7 HP:185 MP:40
攻:〈斬〉+14/物理
対:単  射:25m
防:斬3/刺2/殴1/炎2/氷2/雷2
《外道属性》《攻撃力UPU》
《範囲攻撃》《大斬り》

◆攻撃
・《範囲攻撃》
タイミング:マイナーアクション
解説:メインプロセスの間、攻撃の対象を範囲(選択)に変更。
・《大斬り》
タイミング:メジャーアクション
解説:真打・鬼一文字による強力な斬撃を行ない、〈斬〉4D6+14のダメージを与える物理攻撃を行なう。

◆奥義
□一刀両断 □広大無辺 □剣禅一如
□一蓮托生 □破邪顕正 □疾風怒濤
□千変万化 □光芒一閃

■設定
 石蕗代官にして由井正雪の手先。妖刀・鬼一文字を量産することで妖異の軍勢を作り上げようとしていた。
 いわやの女将、お鈴の叔父にあたる。
 
■戦闘プラン
 最初の行動で《広大無辺》を使用し、PC全員に《大斬り》で攻撃を行なうこと。
 以降は蔵六、下級羅刹と共に、なるべく多くのPCを攻撃する。《破邪顕正》はPCの防御用の奥義に対して使用すること。
 下級羅刹たちは最初のイニシアチブプロセスに《威圧》を使用してエンゲージを封鎖し、PCたちが金井のいるエンゲージに回り込むことをできなくする。
 
■PCの人数が少ない場合
 PCが4人の場合、金井三十郎の【HP】を30点減らし、奥義から《千変万化》を削ること。
 PCが3人の場合は、4人の場合に加えて、金井三十郎の【HP】をさらに20点減らし、《光芒一閃》を削ること。
 
▲上へ戻る

サイトはInternet Explorer5.5以上でご覧ください
サイト内の画像・文書等の無断転載を禁じます。