天下繚乱RPGシナリオ「不死の錬金窟」
著:力造 監修:桶田大輔/梶岡貴典


シナリオデータ

プレイヤー:3〜5人
キャラクターレベル:3〜5
プレイ時間:4〜6時間
使用サプリメント:『京洛夢幻』


シナリオ背景

 かつて武田に仕え、神君家康公に仕えた怪人、大久保長安(おおくぼ・ちょうあん)。
 彼は渡来した謎の錬金術師――弐庚(にこう)により錬金術を学び、それによって岩見銀山や佐渡金山を始めとする日本中の金銀を採掘することで、徳川、いや日本全土に巨万の富をもたらした男であった。
 だが、彼は死後、不正蓄財の疑いをかけられて一族も処刑され、その墓所すらも定かではない。否。幕府すらその真の墓所を把握していなかったのだ。
 そして化政時代。その墓所と思しきものが八王子山中に発見された。
 しかし、それは長安のものではなく、長安の師である弐庚――伝説の錬金術師、ニコラ・フラメルが己の妻を蘇らせ、不老不死とするために築いた墳墓にして研究所だった。しかし、弐庚の術では妻を蘇らせることができず、彼は永い時の狂気に蝕まれ、妖異となり果てる。本シナリオは妖異となった弐庚を倒すことで終了となる。


今回予告

 かつて、西洋から渡来した謎の錬金術師から『象形寓意(しょうけいぐうい)』なる秘術を学び、徳川家康に巨万の富をもたらした伝説の男、大久保長安。
 公儀直轄領150万石を意のままに操り、諸国の金山・銀山開発を行なって巨万の富を得た一代の怪物である。
 だが、彼は死後その名前を歴史から抹殺された。
 そして今、彼の富のすべてが隠された墓所と思しき場所が発見された。
 だが、その墓所こそは……彼の師たる謎の錬金術師が密かに築き上げた、天下を破滅へと導く魔界の門だったのだ。
 天下繚乱RPG『不死の錬金窟』
 百花繚乱綾錦、いざ開幕!

キャラクター作成

 セッショントレーラーを読み上げた後、次ページのハンドアウトをコピーして切り離し、各プレイヤーに配布せよ。どのプレイヤーにハンドアウトを渡すかは、GMの任意にしてもよいし、プレイヤー間で選択させてもよい。プレイヤーの人数が少ない時は、若い番号のものを優先すること。

●ハンドアウト
 ハンドアウトには、各PCによって異なる事前情報と、シナリオによってPCに与えられるコネクションが記載されている。
 今回予告を読み上げたのち、GMは下のシナリオハンドアウトの内容を読み上げて、各プレイヤーに配ること。その後、ハンドアウトに沿ってPCを作成してもらうとよい。

●クイックスタート
 プレイヤーが『天下繚乱』を初めて遊ぶ場合や、ルールブックを持っていないならクィックスタートでキャラクター作成を行うとよい。
 本シナリオでは以下の5つのサンプルキャラクターをクィックスタートで使用することを推奨する。
PC1: 流浪の剣客(『天下繚乱』p052)
PC2: 天下のご老公(『天下繚乱』p054)
PC3: 蘭学の探究者(『天下繚乱』p063)
PC4: 輝く鬼(『天下繚乱』p061)
PC5: おぼろの君(天下繚乱』p074)

●PC2を作成する際の注意
 今回のシナリオは、PCが征夷大将軍であることを前提にしたシナリオである。このことを事前にプレイヤーに解説し、その認識を共有した上でセッションに望んでもらうこと。

●コンストラクション
 プレイヤーがルールを知っていて、ルールブックも所持している場合、コンストラクションでキャラを作成してもよい。
 このとき、各PCにはハンドアウトで推奨されるクラスを取らせ、またハンドアウトに付随する設定についてはGMから説明を行うこと。

●推奨カバー
 PCのカバーは以下を推奨する。
PC1:指定なし
PC2:指定なし
PC3:蘭学者
PC4:指定なし
PC5:指定なし

●PC間コネクション
 キャラクター作成後に、プレイヤーにPCの自己紹介をしてもらおう。その後PC間のコネクションを決定すること。PC間コネクションの結び方は以下のとおり。
PC1→PC2→PC3→PC4→PC5→PC1

●シナリオハンドアウト
 各PCには以下の設定がつくので、キャラクター作成の時によくプレイヤーと相談すること。
PC1:お紋と吉次の友人である
PC2:放浪の天下人である
PC3:田沼意次の部下である
PC4:鬼神衆である
PC5:妖怪である

不死の錬金窟:PC1用ハンドアウト
コネクション:お紋(もん)  関係:友情
クィックスタート:流浪の剣客 コンストラクション:剣客 カバー:指定なし
 キミには悪友がいる。吉次(きちじ)という名前の、調子のいい山師だ。年がら年中お宝の話だの埋蔵金だのと、しょうもないことに毎日を送っている。だが、吉次の妹のお紋はいい子で、キミとも親しくしている仲だ。そんなある日、お紋が血相を変えてキミのところにやってきた。八王子で埋蔵金を見つけた、と言った吉次が、一週間たっても戻らないらしい。キミは、吉次を追って八王子へと向かった。

不死の錬金窟:PC2用ハンドアウト
コネクション:八王子の人々  関係:幼子
クィックスタート:天下のご老公 コンストラクション:天下人  カバー:指定なし
 キミは天下を放浪し、悪を懲らしめる正義の人だ。立ち寄った八王子の地で、キミはおびえる人々に出会った。わけを聞いてみると、ここ数日、八王子の山中で得体のしれないバケモノが現われるようになったという。退治に行った役人も戻らない。これは間違いなく妖異の仕業だ。キミは調査に乗り出すことにした。

不死の錬金窟:PC3用ハンドアウト
コネクション:田沼意次(たぬま・おきつぐ)  関係:同志
クィックスタート:蘭学の探究者 コンストラクション:蘭学者 カバー:蘭学者
 キミは老中、田沼意次に仕える蘭学者だ。今日も彼女に呼び出されたキミは、かつての老中、大久保長安(おおくぼ・ちょうあん)に関する調査を命じられる。不正蓄財で処断された長安の墓所は、公儀内部でも発見されていないらしいのだ。一説によればそこには、枯渇しそうな国家予算を埋めるだけの金が埋まっているとのこと。キミは極秘裏に、長安についての調査を開始した。

不死の錬金窟:PC4用ハンドアウト
コネクション:黄金の妖異  関係:好敵手
クィックスタート:輝く鬼 コンストラクション:鬼神衆 カバー:指定なし
 その妖異に、キミが出会ったのは八王子近くの山中だ。黄金に輝く、西洋甲冑姿の妖異。激戦の末、からくもその妖異を撃退することには成功したが、キミも深手を負ってしまい、動けるようになったのは二日後の朝だった。ヤツはまだ倒れていないはず。キミはトドメをさすべく、あの黄金の妖異を追うことにした。

不死の錬金窟:PC5用ハンドアウト
コネクション:山王権現(さんのうごんげん)  関係:借り
クィックスタート:おぼろの君 コンストラクション:妖怪 カバー:指定なし
 キミは気ままに日々を送っている妖怪だ。ある時キミの夢枕に、山王権現が現われ、八王子に眠っていた強大な妖異が目覚めようとしている、と告げられた。今は山中で暴れる程度だが、やがて人里に降りるだろう。すでに被害者も出ているというが、山王権現自身が動くことはできない。キミは、ふたつ返事で依頼を引き受けた。


オープニングフェイズ

 オープニングフェイズでは、基本的にシーンプレイヤー以外は登場できないものとする。

●シーン1:消えた吉次
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PCがお紋から依頼を受けるシーン。
▼描写
 蒼穹が冴え渡るある日のこと。
 キミがいつものように出かけようとすると、少女が訪ねてきた。
 綺麗な黒髪を結いまとめ、はつらつとした雰囲気をした少女である。
 彼女の名はお紋。キミの悪友、吉次の妹で、この近くの長屋に住んでいる。
 普段、快活な彼女は、不安そうな様子でキミに助けを請うてきた。
▼セリフ:お紋
「あの、PC1さん……兄が出かけたまま、もう一週間も戻ってこないんです!」
「いつもみたいに、ふらっと帰ってくるかなと思ったんですけど……なんだか胸騒ぎを感じてしまって……」
「兄は最近、知り合いの蘭学者さんから蘭学や西洋の読み書きを習って、火薬が使えるようになったとか、その類の本が読めるようになったとかって喜んでました」
「あとは……そういえば、出かける数日前から八王子の山中がどうこうとか言ってました」
「なんでも昔の偉い人の隠されたお墓を見つけて、その中に埋蔵金があるとかどうとか……」
「あの……お願いです。PC1さん」
「兄がいつも迷惑かけてて、こんなこと頼めた義理じゃないんですけど」
「どうか……兄を探しては、もらえないでしょうか?」
◆結末
 PC1が吉次を探す依頼を受け、お紋との会話を終えて八王子に向かったら、PC1に【宿星:吉次の行方を知る】を渡してシーンを終了すること。

●シーン2:人々を救うために
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PC2が八王子の村人から得体のしれない化物について噂を聞くシーン。
 村人の証言から、引き連れていた配下が妖異の存在を感じ取り、その旨を進言する。
▼描写
 キミは天下を放浪する自由気ままな旅人だ。
 しかし、それは世を忍ぶ仮の姿――その正体は、言わずとしれた天下の征夷大将軍である。
 キミは、妖異の魔の手から人々を守るべく、今日も旅人に扮して、お供と共に天下を歩き回っている。
 そんな旅路の中、キミは偶然八王子の山間にある小さな村に立ち寄った。
 だが、村人たちがおかしい……ひどく怯えている様子だ。
 キミは事情を聞いてみることにした。
▼セリフ:村人
「実は……ここ数日前から、山中に得体の知れないバケモノが現れ、村の者を襲うようになったのでごぜえます」
「しかも、そのバケモノは日を追うごとに、この村まで近づいてきておるようなんです」
「わしらは何も悪いことをしてないはずですが……何か山の神のたたりに触れてしまったのやもしれません」
「このことは役人さまたちにも知らせましたが、山に入った役人さまたちも、まったく帰ってこられないのでさあ」
「こうなれば、もはや神頼みしかないと、昨夜から山王権現さまにお参りに行きましたが……もう、それ以上打つ手もなく、途方にくれておるんです」
「悪いことは申しやせん。旅人の方も早くここから立ち去った方がよろしゅうごぜえやすよ」
▼セリフ:配下
「上様……いえ、PC2さま。これはもしや妖異の仕業では?」
「この村を降りれば、たしか、すぐそこからも人里でございます」
「もし、ヤツらが人間の命を狙って、この近くまでやってきているとすれば……このままでは捨ておけませぬな」
◆結末
 PC2が調査を決意し、配下との会話を終えたら、PC2に【宿星:八王子に平和を取り戻す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン3:怪人の墓所
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3が田沼から依頼を受けるシーン。
▼描写
 キミは老中、田沼意次から頼りにされている蘭学者だ。
 ある日のこと。キミは珍しいことに田沼から直接、呼び出しを受けた。
▼セリフ:田沼意次
「うむ。よくぞ参ったな、PC3。ささ、近うよれ。内密の話じゃ」
「……PC3は、大久保長安を知っておろう? かつて、徳川の老中として財政を一手に引き受け、黄金と権力をほしいままにした男よ」
「その男がそれだけの力を振るった背後には、黄金を生み出す魔術――蘭学で言うアルケミーが絡んでおったそうな」
「だが、その後の権力争いに破れ、卒中で亡くなった長安は、自らが不正蓄財した莫大な黄金と共に、いずこかの山中へ密かに葬られたという」
「長安の一族は不正蓄財の在り処を責められ、話さねば斬罪とまで言われたが、結局は誰もその場所を知らず、一族は根絶やしにされたそうだ」
「つまり……公儀はまだ、長安の残したとされる莫大な黄金を見つけてはおらぬのだよ」
「それでなPC3。近頃、八王子近隣の山師が大久保長安のものと思しき墓所を発見したと騒いでいる……と、わたしの手の者が聞きつけてな」
「もしそうであるとすれば、底の見えつつあるわが国の金蔵を潤すだけの黄金が眠っている可能性が充分に高い」
「そして、わたしはお主に大枚を叩いて研究させている蘭学の力が……いかほどのものであるかを、ぜひとも見たい」
「……あとは、わかるな?」
◆結末
 PC3が調査の依頼を受け、田沼との会話を終えたら、PC3に【宿星:大久保長安の墓所を調べる】を渡してシーンを終了すること。

●シーン4:黄金の妖異
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 PCが目覚め、黄金の甲冑を纏った妖異との戦闘を思い出すシーン。
 PC4は黄金の妖異と交戦し、相打ちとなって倒れたという設定になる。
▼描写
 キミが目を覚ますと、そこは八王子近くの山中にある洞穴であった。
 まどろむ意識が徐々に覚醒してゆく。
 そうして、キミは今まで起こったことを思い出す。
 鬼神衆として各地を調査していたキミは、この近くで……黄金の西洋甲冑をまとった妖異と出会い、戦ったのだ。
 結果は相打ち。キミはここで意識を失い、黄金の妖異もとどめを刺す余力を残していなかったのか逃げ去った。
 キミの脳裏に、黄金の妖異の金切り声のような叫びが蘇る。
▼セリフ:黄金の甲冑を纏った妖異
「墓所ニ近ヅク者ハ……全テ殺ス! ソノ魂ヲヨコセ!」
「殺ス! 殺ス!」
「グ! グオオオ!」(深手を負って退却する)
◆結末
 PC4が黄金の妖異にトドメを刺すべく、洞穴から出発したら、PC4に【宿星:黄金の妖異を倒す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン5:権現のお告げ
シーンプレイヤー:PC5
◆解説
 PC5が夢を介して山王権現から依頼を受けるシーン。
 なお、八王子は山王権現の眷属である八王子権現を名の由来にしており、同地において八王子権現と山王権現が祭神として祀られている。
▼描写1
 キミはまどろみの中、光り輝く人影と語り合う夢を見ていた。
 いや、これは夢ではない。直感的に理解した。
 大いなる力を持った何か、神とでも言うべきものが語りかけてきているのだと
▼セリフ:山王権現
「PC5……PC5や。我は山王権現。あるいは牛頭天王という」
「此度は強い力を持つお主に、頼みたいことがある」
「我が眷属が祀られておる八王子の山中に眠っていた妖異が目覚め、その活動を活発化させつつある。その妖異は自らが眠っていた場所に近づこうとする人間を殺しては、その力で魂を抜き去っておるようだ」
「我は今、眷属と共に妖異とその走狗が出られぬよう山に結界を張っておる」
「だが、結界の維持に多くの力を取られ、動くことができぬ」
「万が一にも眠っている妖異が完全に活発化し、我の結界を破壊するようなことがあれば、被害は多くの人里に及ぶだろう」
「そこで……我と同じく強い力を持つお主に、山中の妖異を倒してもらいたい」
「勝手な願いではあるが……どうか、聞き入れてくれぬだろうか?」
◆結末
 PC5が山王権現の依頼を引き受け、八王子に向かったら【宿星:妖異を倒す】を渡してシーンを終了すること。


ミドルフェイズ

●シーン6:吉次の手がかり
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 全員登場。PC1が八王子山中で墓所の入り口と、そこに残された吉次の衣類の切れ端を見つけるシーン。
 このシーンは合流と情報交換を想定したシーンである。最初はPC1のみが登場となり、描写が終了した時点で他のPCが登場となる。
▼描写
 吉次の行方を追って、八王子の山中へとやってきたキミは、山の中腹あたりまで進んでゆく。
 すると……獣道を進む途中、血の臭いと腐臭を嗅ぎ取る。
 キミが周囲を見渡してみると、滝が流れ落ちる沢の近く、その岸壁に大きな穴が空いていた。
 よく見れば、その穴は発破によって穿たれたもののように見える。
そして、その穴の中からは、この世のものとは思えぬ瘴気が漂ってきており、周囲に無数の血肉と、着物の切れ端が落ちていた。
 切れ端を拾い上げ、確認してみると……それは吉次のものだ。
 しかも、その切れ端には血で「たすけて」と記されているではないか!
 もしや吉次の身に何かが起こったのでは……キミがそう不安に駆られたその時、背後よりがさり、と何者かが近づいてくる物音が聞こえてきた。
◆結末
 PCたちが会話と情報交換を終え、意を決して穴の中へと向かったらシーンを終了する。

■不死者の練金窟
 以降のシーンは弐庚ことニコラ・フラメルが作り上げた地下迷宮の探索、踏破となる。この探索の間、PCは通常の購入判定と舞台裏での購入判定を行なうことができず、舞台裏での回復もできない。
 なお、人狼の《予期せぬ贈り物》などの特別に購入判定を行なうような特技は使用できるものとする。
 また、エリア間の移動は一方通行となっており、一度通ったエリアには、戻ることは出来ないし、ニコラを倒すまで脱出も不可能となる。これは、内部の空間が歪んでおり、エリアを移動した時点で通過した道が消失するためである(黄金の甲冑の妖異やニコラは、練金窟内を自由に移動する能力を有している)。






●シーン7:エリア1「骸縛りの門」
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 全員登場。洞窟を進んでたどり着いた練金窟の門前で、ニコラに使役される歩く死者と戦闘を行なうシーン。
 戦闘となる。PCたちはひとつのエンゲージとして配置され、そこから5m離れたところに歩く死者×3(本シナリオエネミーデータ参照)のエンゲージをふたつ、5m離れた所に練金炉を配置する。
 練金炉は【HP】30と全ての属性の防御属性10を持つ特殊なエキストラとして扱う。練金炉はメインプロセスを行なわず、リアクションも行なわない。ただし、PCが攻撃を行なう際は命中判定だけは行なうこと。
 この戦闘中、練金炉が存在している間に歩く死者の【HP】を0にした場合、動く死者の戦闘不能は即座に解除され、【HP】も最大値まで回復する。この際、描写2を読み上げること。
 敵が全滅した場合、結末へと進む。
▼描写1
 暗い洞窟を進んでいくと、そこには不思議な光景が広がっていた。
 白い、大理石のような石材で全面を覆った通路と、その先にある広間。その壁面には、錬金術を連想させる寓意的な絵や紋様が刻まれている。
 広間の中央には黄金でできた大きな灯籠のような物体が置かれており、その奥には大きな白亜の扉が二枚並んでいた。
 そして黄金の灯籠の周囲にうごめくは、腐り果てた肉体を持つ、かつては人であった動く屍たち。
 それらは、口々に怨念や哀願の言葉を口にしながら、キミたちに襲いかかってきた!
▼セリフ:歩く死者
「オオ……寒イ……オ前タチノ血ト肉ヲヨコセ……」
「殺シテクレ……頼ム……」
▼描写2
 英傑たちの一撃で、動く屍たちは崩れ落ちる。
 その瞬間、部屋の中央に置かれた黄金の灯籠から脈動するように白い光の波が放たれた。
 その光を浴び、倒れたはずの屍が再び起き上がる!
▼セリフ:歩く死者
「オオオオッ! 死ネナイ! 死ネナイ!」
「頼ム……! 頼ム……! 殺シテクレェッ!」
(練金炉を破壊した上で倒した)「アリガトウ……コレデ死ネル……」
◆結末
 練金炉を破壊し、歩く死者たちを打ち倒した英傑の前に、二枚の扉が立ちふさがる。左の扉からは冷たい、無機質な感覚が。右の扉からは生暖かい、皮膚を通して蝕むような感覚が漂ってくる。
 PCがどちらの扉を開けるかを決めたら、シーンを終了すること。
 なお、片方の扉を開けた時点でもう片方の扉は何をしても開かなくなる。同時に空けようとした場合は、どちらも開かない(改めて片方のみを開ける場合は問題なく開く)。
 左の扉を進む場合次のシーンはエリア2に、右の扉を進む場合はエリア3となる。

シーン8:エリア2「鏡面迷宮」
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 全員登場。エリア2は広大な迷路となっている。迷路を仕切る壁はすべて磨き抜かれた鏡となっており、進む者の視界と意識を幻惑する。
 【理知】か【幸運】で難易度12の判定を行なうこと。失敗した場合、鏡に映る姿と迷路に幻惑され、精神を衰弱させられた結果【MP】を1D6点失う。
 全員が判定を行なったら結末を読み上げること。
▼描写
 扉を抜け、通路を進んだ先に待っていたのは、驚愕すべき空間であった。
 視界を埋め尽くすは、光を反射し、己の姿を映し出す磨き抜かれた鏡の群れ。
 そう、室内一帯が、鏡で仕切られた広大な迷路となっていたのだ!
 果たしてどのように抜け出すべきか。
 そう思うキミたちの姿を鏡が映し出す。
 その顔が、邪悪に歪んだように一瞬見えた。
◆結末
 迷路を抜けた先には通路が延びている。シーンを終了すること。次のシーンはエリア4となる。

●シーン9:エリア3「練丹実験室」
シーンプレイヤー:PC4(いない場合PC2)
◆解説
 全員登場。このエリアはニコラが中国式の錬金術、練丹術の実践を行なっている実験室である。
 室内には無数の瓶やフラスコが置かれ、その中では赤い液体に様々な物質が漬けられ、煮立てられている。
 この赤い液体は辰砂、すなわち硫化水銀を液状化したものであり、室内は辰紗と抽出物が生み出す毒の蒸気が蔓延している。
 【体力】か【反射】で難易度13の判定を行なうこと。失敗した場合、毒の空気に蝕まれて【HP】を4D6点失う。これは毒に耐えながら進むか、必死に走って毒の影響が軽い内に部屋を抜け出すかの判定である。
 全員が判定を行なったら結末を読み上げること。
▼描写
 扉を抜けて進んだ先は、無数の瓶が並ぶ空間だった。
 何かの実験か抽出を行なっているのか、赤い液体で満たされた瓶は炎であぶられ、中に入っている石や草のようなものを加熱し続けている。
 そして部屋の奥には、先に繋がると思われる扉がひとつ。
 調査か、先に進むかを思案しようとしたそのとき、名状しがたい息苦しさがキミたちを襲った。
 どうやらこの室内は、毒の空気で満たされているようだ。
◆結末
 扉を開け、部屋を抜け出したところでシーンを終了すること。次のシーンはエリア4となる。

●シーン10:エリア4「追憶の間」
シーンプレイヤー:PC5(いない場合PC1)
◆解説
 全員登場。エリア4はニコラが妻ペレネルとの幸福な日々を追想しながら作った安息の場である。この部屋にはトラップなどは存在しない。
 ただし、PCが部屋の捜索を宣言した場合、【知覚】で難易度14の判定を行なうこと。ひとりでも成功した場合、ペレネルの大きな肖像画の裏に仕込まれた、エリア5に繋がる隠し扉を発見する。
 探索に成功した、あるいは探索せずに先に進むか判定に失敗した場合、結末を読み上げること。
▼描写
 そこは、静かな空間だった。
 豊かな顎髭を蓄えた西洋風の男性と、同じく西洋人の特徴をもった麗しい夫人。そのふたりの姿を象った彫像が中央に設えられた小さな庭園に置かれ、壁には両者の仲むつまじい様子を描いた肖像画が掛けられている。
 奥の壁には扉があり、先に進む道の存在を示していた。
◆結末
 PCが次に進む道を決定した時点でシーンを終了すること。次のシーンは隠し通路を進む場合はエリア5に、普通に奥の扉を進む場合はエリア6となる。

●シーン11:エリア5「宝物庫」
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 全員登場。このエリアはニコラの資材庫兼宝物庫である。罠などは存在しないが、様々な物が乱雑に積まれており視界は極めて悪い。
 PCがこの部屋の探索を宣言した場合、【知覚】か【体力】で難易度12の判定を行なうこと。ひとりでも成功した場合、それぞれPCの人数と同じ個数の牛黄丹(マイナーアクションで使用。【HP】3D6点回復。『京洛』P069)と薬湯(マイナーアクションで使用。【MP】3D6点回復。『京洛』P069)を発見する。
 探索を行なうか探索せずに先に進む場合、結末を読み上げること。
▼描写
 隠し通路の先は、これまでに比べると狭い空間だった。
 だが、その室内には所狭しと様々な資材、道具、宝物や黄金が積まれており、部屋の壁を見ることすら困難だ。
 おそらく、この中には自分たちにとっても有益な物が混じっていることだろうが、それを見つけ出すにはかなり難儀しそうだ。
◆結末
 積まれた物をかき分けながら奥に進んでいくと、反対側の壁に先に進む道が開いている。
シーンを終了すること。次のシーンはエリア6となる。

●シーン12:エリア6「書斎」
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 全員登場。エリア6は無数の本棚が立ち並ぶニコラの書斎となる。
 書斎の中にはニコラが行なっている実験についてのメモや資料も存在するが、それを発見、理解するには【理知】で難易度15の判定を行なうこと。蘭学者のクラスを持っているPCは、この判定の達成値に+4される。
 判定に成功した場合、描写2を読み上げること。
▼描写1
 部屋に立ち並ぶ無数の本棚と、そこを埋め尽くす数え切れないほどの本。
 それが、通路を抜けた先に待っていたものだった。
 試しに一冊手にとって見れば、装丁や書かれている文字などすべての点でその本が西洋の物であることを物語っている。
 おそらく書斎であろうこの空間。だが、果たして墓所の主は本当に大久保長安なのであろうか。
▼描写2
めぼしい本や書き付けを捜索し、その内容を確認していくことしばらく。
 所々に日本語で書かれた書籍や注釈などもあったことから、異国人以外の手もこの詳細には入っていることが分かった。
 それ以上に重要なのは、この墓所の主が行なっている研究についての内容だ。
 どうやら主は、“魂を切り離し、器物に封じる法”と“魂を抜いた後の肉体を加工し、不死不滅の体を作る法”を研究していたようだ。
 もっとも研究自体は未だ未完成で、魂を封じた器を破壊すればその魂は本来の主の元に戻り、不死性も失われてしまうようだ。
 この墓所の門前にあった黄金の灯籠と動く屍も、おそらくはこの研究の産物なのだろう。
◆結末
 部屋の奥には、先に進む道が延びている。PCが部屋を出た時点でシーンを終了すること。次のシーンはエリア7となる。

●シーン13:エリア7「生と死の分岐」
シーンプレイヤー:PC4(いない場合PC1)
◆解説
 全員登場。このエリアは次のエリアに繋がる分岐路である。
 特にトラップなどはないが、ここにも隠し通路が隠されている。
 【知覚】か【幸運】で難易度13の判定を行ない、ひとりでも成功した場合Y字路の分岐点の床に隠された隠し通路を発見する。
 判定を行なったら結末を読み上げること。
▼描写
 長い通路を進んでいくと、道がふたつに分かれていた。
 それぞれの道の入り口には、ラテン語と思われる文字が刻まれている。
 左の通路の文字の下には“生命”、右の通路の文字には“精製”と墨で日本語が書かれており、おそらくは上のラテン語の訳ではないかと感じさせた。
◆結末
 隠し通路に向かうか、左右どちらかの道に進むかを決定したらシーンを終了すること。次のシーンは隠し通路を選んだ場合エリア8、左の通路を選んだ場合エリア9、右の通路を選んだ場合エリア10となる。

●シーン14:エリア8「裏切り者の牢獄」
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 全員登場。エリア8はニコラがかつての弟子にして裏切り者、大久保長安を閉じ込めた牢獄である。正確には、ここに閉じ込められているのは処刑された大久保長安の魂の一部をニコラが捕らえ、生前の姿に似せた人形に封じたものである。
 長安から情報を得ようとする場合、【理知】か【意志】の判定で難易度15の判定を行なうこと。ひとりでも成功した場合、長安は自らの持っている情報を開示する。描写2を読み上げること。
 また、PC2が《世を忍ぶ仮の姿》を解除した場合、長安は判定なしで情報を開示する。その場合、セリフを主君に対する者になるよう修正すること。
▼描写1
 床に隠された通路の先は、暗く狭い座敷牢であった。
 木枠で囲まれた小さな座敷の上にひとりの老人が座しており、行灯の明かりで書物を読んでいる。否、よく見ればそれは人を精巧に模した人形だ。
 だがその人形は、キミたちの足音に気づいたかのようにゆっくりと、そして自然に視線を向けた。
▼セリフ:大久保長安の亡霊
「お師様ではないか。……ふむ、ひとつ質問だが徳川の世はどうなった?」
(答えた)「ふむ、色々問題はあろうがここまで続いたか。ま、重畳」
(名を聞いた)「ワシは大久保長安。正確には、その切れっ端のようなものだ」
「で、ワシに何か用かな? この墳墓の入り口を爆破した馬鹿者について知りたいとでも?」
▼描写2
 キミたちの言葉を受け、大久保長安を名乗る人形はゆっくりと手にしていた本を閉じる。
 そして体全体で向き直り、静かに頭を下げた。
▼セリフ:大久保長安の亡霊
(判定に成功した)「なるほど、そのような仕儀になっておったか。……承知した、ワシの知ることでよければ語ろう」
(《世を忍ぶ仮の姿》を解除した)「これは……上様であらせられますか! 此度は我が身と師の不覚、心よりお詫び申し上げます。せめてもの罪滅ぼしとは申しませんが、ワシめが知るすべて、お話いたしましょう」
「この墳墓は、我が師“弐庚”……否、本人が言うには“にこら・ふらめる”なる錬金術師の研究所であり本人とその奥方の墳墓だ」
「お師様は奥方を蘇らせるため、不老不死の研究に邁進し、道を誤った。妖異の言葉に耳を傾け、魔道に堕ちたのよ」
「じゃが、ワシがお師様の異変に気づいた時にはすべて手遅れじゃった。ゆえにワシは自らの蓄財の証拠を流すと同時に息子に命じ、この墳墓の入り口を神仏の力を借りて封じ、さらに埋め立てた」
「まあ、結果として激怒したお師様に魂を捕らわれ、ワシは見ての通りじゃがな」
「ところが、最近になってどこかの馬鹿が墳墓の入り口を発破でぶっ壊しよった」
(吉次について話した)「……ああ、そやつじゃ。そやつは今は生ける屍に変えられ、お師様の魂を納めた黄金の甲冑を着せられておるよ。ぶっちゃけ燃料代わりじゃな」
「今のお師様は、魂を封じた黄金の甲冑を破壊しない限り不死身と同じよ。甲冑の中に閉じ込められた馬鹿者の魂を救ってやるためにも、一緒に砕いてやるしかなかろう」
「ワシの知っておることは、以上よ。さて……それではワシを砕いてくれんかな? お師様が消えればどうせワシも解放されるじゃろうが、その前にけじめをつけたくてな」
(人形を砕いた)「……感謝する」
◆結末
 長安と会話を終え、奥にある扉を開けたところでシーンを終了すること。次のシーンはエリア10となる。

●シーン15:エリア9「精気注入の間」
シーンプレイヤー:PC5(いない場合PC2)
◆解説
 全員登場。エリア9はニコラが妻ペレネルの魂を収めるために作った黄金の像を完成させるために作った部屋である。
 エリア10から抽出した精気をペレネルを模した黄金の彫像に注入し、ペレネルの不死を支える糧としようとしているのだ。
 このペレネルの彫像は宣言するだけで破壊できるが、破壊した場合大爆発を起こし、登場しているPC全員に〈炎〉16+2D6のダメージを与える。【理知】で難易度12の判定に成功すれば、この彫像に凄まじい力が集まっており、下手に破壊すれば爆発することを理解できる。
▼描写
 分かれ道を左に進んで行くと、やがて小さな部屋に出た。
 まず目につくのは、部屋の中央に置かれた西洋人の女性を模した黄金の彫像だ。その造詣は、先ほどの庭園の部屋にあった像や肖像画に酷似している。
 さらに、天井や床のそこかしこから細い管が伸び、その黄金の彫像に繋がっている。そしてその管の中を紫色の光が通っており、彫像に流し込んでいるようだ。
 奥には、先に続く扉がひとつ。
◆結末
 奥に繋がる扉からは、強い瘴気を感じる。おそらく、この先にこの墳墓の主がいるのだろう。先に進むことを決めたらシーンを終了すること。次のシーンはエリア11となり、クライマックスフェイズに移行する。

●シーン16:エリア10「精気抽出の間」
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 全員登場。このエリアはエリア9のペレネルの魂を収める器に注入する精気を生者や刈り取った魂から抽出するための部屋である。
 部屋の中には抽出のために魂を苛まれる者たちの怨嗟の念が充満しており、【意志】で難易度12の判定に失敗すると【MP】を2D6点失う。
 判定を行なったら、結末を読み上げること。
 なお、抽出の装置を破壊しても特に何も起こらないが、少なくともこの場の死者は解放される。彼らは感謝の言葉と共に成仏していくことだろう。
▼描写
 部屋の中には、無数のガラスの器が並んでいた。
 人間ひとりが丸ごと入りそうなその器には様々な動物や人そのもの、そして霞みながらも光り輝く、おそらくは人の魂か何かではないかと感じさせるものなどが封入されている。
 それぞれの器からは細い管が天井や床に伸びており、その管から紫色の光が部屋の外に向かって流れていく。
 おそらく、その光を抽出する過程には凄まじい苦痛を伴うのだろう。部屋の中には犠牲者たちの苦悶と、怨嗟の念で充ち満ちていた。
◆結末
 部屋の奥の扉からは、妖異のものと思われるおぞましい気配が放たれている。おそらく、この先に墳墓の主が待っているのだろう。PCたちが先に進むことを決めたらシーンを終了すること。次のシーンはエリア11となり、クライマックスフェイズに移行する。


クライマックスフェイズ

●シーン17:エリア11「妄念の錬金術師」
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 全員登場。墳墓の最深部にして錬金術師ニコラ・フラメルの研究室となる空間で、妄念に捕らわれた錬金術師と決戦を行なうシーン。
 戦闘となる。PCはひとつのエンゲージに配置され、そこから5m離れた位置に歩く死者×3のエンゲージをふたつ配置し、さらに5m離れた所にニコラ・フラメルと黄金の甲冑(吉次)を同じエンゲージに配置する。
 また、戦闘前にPCとの会話を行なった後、PCたちに【宿星:狂気の錬金術師ニコラを倒す】を渡すこと。
▼描写
 ついにたどり着いた墳墓の最深部。だがそこは、墳墓という言葉とはあまりにかけ離れた空間だった。
 立ち並ぶ無数の実験器材。大きな机の上には羽根ペンと無数の書類、開かれっぱなしの大きな洋書などが乱雑に置かれている。
 間違いなく何かの研究室といったところであろうその部屋の中央で、ひとりの男が手にしたフラスコの中の液体を揺らしながら眺めていた。
 豊かな顎髭を伸ばしたその男の姿は、庭園の間で見た彫像や肖像画の男性と同じ姿だった。
 そしてその男の隣で、黄金の西洋甲冑に身を包んだ男が静かに立っている。今、その面覆は上に上げられており、素顔をさらけ出していた。
 そう、キミの悪友吉次その人の素顔を。
▼台詞:ニコラ・フラメル
「我が錬金窟を突破し……ここまでたどり着く者がおろうとはな」
「後少し、後少しなのだ。忌々しい封印が砕け、材料が集まり始めたのだ。後少しなのだ」
「器さえ完成すれば、後はお前たちが“魔界”と呼ぶ空間と繋がる門を開き、ペレネルの魂を呼び出して封じるだけ。肉体を再構成するなど、さほど難しいことではない」
「そう、儂はふたたび、ペレネルと永遠を生きるのだ……!」
「それを邪魔するというなら、我が手でその命を断ち、術式の糧としてくれよう!」
(隣の吉次に)「さあ、我が奴隷よ面を下ろせ! そしてこやつらを皆殺しにするのだ!」
(エリア9の黄金の彫像を破壊した)「……なぜ、ペレネルの器を破壊した! 許さん、絶対に許さんぞ!」
▼セリフ:黄金の甲冑の妖異(吉次)
「ウ……アアア……」
(PC1に)「ス、マン……オレノ……セイデ……オ紋ニハ……幸セニ……ナッテクレ……ト……」
(PC4に)「アンタニハ……悪イコトヲ……シタナ……迷惑カケツイデデ悪イガ……殺シテ、クレナイカ……?」
(兜の面を下ろし)「グウウオオオオ!! 墓所ニ近ヅク者ハ……全テ殺ス! 貴様ラノ、ソノ魂ヲヨコセ!」
「殺ス! 殺ス! 殺ス!」
◆結末
 最後の一撃を受け、狂気の錬金術師は崩れ落ちる。
「ペレネルよ……儂は、儂は……!」
 その言葉を最後に、彼の肉体は砂のように崩れ去った。
 シーンを終了すること。


エンディングフェイズ

●シーン18:戦いを終えて
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 PC4のエンディング。ニコラ・フラメルを討った後、彼のことを思い返し、先に進むシーン。
▼描写
 キミは黄金の妖異――正確には、それを使役する狂気の錬金術師を討ち果たした。
 ある意味、哀れな男であった。不老となった体は、最愛の妻を失った悲しみを凝らせる元となり、その心を狂気へと導いてしまったのだろう。
 だが、妖異に堕ちた以上は鬼神衆であるキミに取って討つ以外の道はない。
 せめて、墓はなくとも妻共々弔いぐらいはしてやるべきだろうか。
◆結末
 PC4が弔いを終えたらシーン終了となる。

●シーン19:これにて一件落着
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PC2のエンディング。八王子宿の人々から感謝の念を向けられるシーン
▼描写
 キミの活躍により、妖異の脅威は去った。
 山を降り、そのことを村人たちに伝えると、人々は両手を合わせてキミに感謝する。
 また、人々をこの手で守った。
 彼らの笑顔を見ると、その想いが、キミの胸の中で誇らしく咲き誇る。
▼セリフ:村人
「ありがとうごぜえます! 旅人さまは、きっと、山王権現さまがつかわしてくださった方にちげえねえ!」
「これでまた、山に入っていけます! 本当にありがとうごぜえます!」
◆結末
 村人たちはPC2を歓待しようとする。PC2が歓待を受けるにせよ、受けないにせよ、村人との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン20:田沼意次の憂鬱
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3のエンディング。田沼意次からねぎらいを受けるシーン。ちなみにニコラが死亡した時点で時空の歪みも解除されるため、黄金などの回収は可能である。
▼描写
 江戸に戻ったキミは、ことの顛末を田沼意次に語った。
 その内容を聞いた田沼は、喜びを露にし、手のひらに扇子を打つ。
▼セリフ:田沼意次
「大儀であったぞ。PC3」
「これで……江戸の財政は大いに救われる」
「だが……その渡来人の錬金術師も大久保長安もは哀れであったな」
「なあ、PC3。ご政道を導くには、金が要る……だからわたしには、いや、江戸には金がいくらでも必要だ」
「わたしも、その錬金術師や大久保長安のように、魔道に落ちると思うかえ?」
(答えた)「ふふ……まあ、そうやもしれん」
◆結末
 PC3が田沼との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン21:山王権現からのお礼
シーンプレイヤー:PC5
◆解説
 PC5のエンディング。人の姿を取って表われた山王権現より今回の尽力に対し感謝の言葉を贈られるシーン。
▼描写
 キミは山王権現の借りを見事に返した。
 そうして、意気揚々とねぐらへ帰ってくると、そこに人影がある。
 珍しく人の姿をとった大いなる古き神、山王権現だ。
▼セリフ:山王権現
「苦労をかけたなPC5、だが、見事」
「此度の一件は我が借りとしよう。何か難儀したことがあれば、いくらでも言うがいい」
「いずれにせよ、お主のおかげで山は守られた。改めて礼を言おう」
「ささ、今日は礼の品として、上物の酒を持ってきた。今宵は飲み明かそうではないか」
◆結末
 PC5が山王権現との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン22:吉次の弔い
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1のエンディング。お紋と共に吉次を弔うシーンとなる。
▼描写
 錬金屈から吉次の遺体を持ち帰ったキミは、そのことをお紋に伝えた。
 兄の死、そして兄の残した言葉に、お紋はただキミの胸の中で泣いた。
 そして後日……キミはお紋と共に、その墓参りに来ていた。
 お紋は吉次の墓に手をあわせると、キミに振り返って微笑んだ。
▼セリフ:お紋
「PC1さん……兄を連れ帰ってきてくれて本当にありがとうございます」
「今思えば……兄は、PC1さんを連れて来てほしくって、わたしに虫の知らせを送ってきたのかもしれません」
「いくら埋蔵金が好きだからって……あんな場所にひとりきりだなんて、寂しすぎますよね」
「ですから……本当に、ありがとうございました」
「……本当に」
◆結末
 PC1が吉次を弔い、お紋との会話を終えたらシーン終了となる。

●エネミーによる経験点
 エネミーのレベルの合計は、奥義も含めて65である。経験点の計算に反映すること。


エネミーデータ

■歩く死者
種別:妖異 レベル:モブ(3) サイズ:1
体:12/+4 反:9/+3 知:5/+1
理:3/+1 意:3/+1 幸:6/+2
命:7 回:3 魔:5 抗:4
行:8    HP:20   MP:5
攻:〈殴〉+6/物理
対:単体  射:至近
防:斬0/刺10/殴5/氷20
特技:《自動再生》《呪い:邪毒》
《弱点属性T:炎》

■設定
 土葬された死体が低級妖異に憑依されたもの。歩く死者に襲われた者は歩く死者となる。すでに死んでいるため刺突武器はほとんど効果がない。蘭学で言うゾンビ。


■黄金の甲冑(吉次)
●能力値
種別:妖異 レベル:10
体:20/+6 反:17/+6 知:14/+4
理:6/+2 意:11/+3 幸:9/+3
命:8  回:5  魔:5  抗:4
行:6  HP:60  MP:30
攻:〈斬〉+12/物理
対:単体  射:至近
防御:斬12/刺8/殴10/炎6
◆特技
《不滅の黄金》《闘気集中》
《大斬り》《無限の魔》

◆攻撃
・《不滅の黄金》
タイミング:オートアクション
解説:自らに収められたニコラの魂と精気を交えることで、倒れたニコラの肉体を復活させるオリジナル特技。ニコラ・フラメルの【HP】が0になった時に使用する。ニコラ・フラメルの死亡を解除し、【HP】を30まで回復する。この特技は重圧でも使用できる。

・《闘気集中》
タイミング:マイナーアクション
解説:直後のメジャーアクションのダメージロールに+1D6して攻撃。
・《大斬り》
タイミング:メジャーアクション
解説:物理攻撃。命中した場合、ダメージロールに+1D6

■設定
 錬金術師ニコラ・フラメルが自らを不死にするために己の魂を封じた黄金の甲冑を纏った吉次。
 吉次本人の意識はなく、肉体もすでに死亡しているが甲冑によってその魂から苦痛と共に精気を搾り取られ、動力源にされている。
 なお、黄金とはいうもののニコラによって強化されており、鋼鉄の鎧を遙かに凌駕する強度を持ち、同じく強化された黄金の両手剣を持って戦う。


■ニコラ・フラメル
●能力値
種別:妖異 レベル:12
体:12/+4 反:12/+4 知:15/+5
理:18/+6 意:12/+4 幸:9/+3
命:5  回:7  魔:9  抗:5
行:9  HP:120  MP:80
攻:〈殴〉+5/物理
対:単体  射:至近
防御:斬1/刺0/殴1
◆特技
《外道属性》《餓獣の牙》《異能:晴明桔梗印》
《異国の守り神》《異国の魔術》

◆攻撃アクション
・《異能:晴明桔梗印》
タイミング:マイナーアクション
解説:直後に行なう《餓獣の牙》の対象を範囲(選択)に変更する。
・《餓獣の牙》
タイミング:メジャーアクション
解説:自らが使役する人工聖霊に敵を襲わせ、〈闇〉4D6+8のダメージを与える特殊攻撃を行なう。射程15m。

●奥義
□一刀両断 □剣禅一如 □疾風怒濤
□妙計奇策 □一蓮托生 □破邪顕正
□広大無辺

■設定
 練金窟の主。その正体は、長安の師である謎の錬金術師“弐庚”にして、伝説の錬金術師ニコラ・フラメルその人である。
 最愛の妻を蘇らせるために、人の魂を力の根源とする練金炉を作り、それに妻の魂を宿らせ、復活させようとしている。

■戦闘プラン
 最初のイニシアチブプロセスで《疾風怒濤》を使用し、PC全員のいるエンゲージに対して《餓獣の牙》で攻撃を行なう。
 以後の行動はもっともPCの数が多いエンゲージに対し、《異能:晴明桔梗印》+《餓獣の牙》で攻撃すること。
 黄金の甲冑(吉次)はもっとも近い距離にいるPCに《闘気集中》+《大斬り》で攻撃する。この時、最初の行動で行なう攻撃にニコラが《広大無辺》を使用する。
 ニコラの奥義は攻撃のためか、黄金の甲冑(吉次)を守るために使用すること。

■PCの人数が少ない場合
 PC人数が4人の場合はニコラの【HP】を20点減らし、奥義から《破邪顕正》を削ること。
 PC人数が3人の場合は、4人の場合に加えて、黄金の甲冑(吉次)を30点減らすこと。
 
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