天下繚乱RPGシナリオ「必殺拳vs吸血鬼!」
著:力造 監修:桶田大輔/梶岡貴典


シナリオデータ

プレイヤー:3〜5人
キャラクターレベル:3〜5レベル
プレイ時間:4〜5時間
使用サプリメント:『太閤幻想』


シナリオ背景

 清帝国の港町、康安(こうあん)。この街はヨーロッパから渡来したアヘン商人、ヨハネス・ゴールドベルグによって支配されていた。
 アヘンによって莫大な利益を貪っていたヨハネスは、その強大な富にものを言わせ、康安の街の人々を思いのままに支配し、その配下である西洋人たちの横暴は頂点を極めていた。
 だが、ヨハネスの横暴に対し、立ち上がった男がいた。
 彼の名前は林薛英(りん・せつえい)。康安にその名を轟かせる当代一の八極拳士であった。
 やがて薛英は、自警組織を結成し、ヨハネスとその配下たちの横暴から、人々を守ろうとする。
 しかし、ヨハネスはただの商人ではなく、中世暗黒時代から生き続ける、恐るべき力を持った吸血鬼だった。
 ヨハネスは薛英を卑劣な罠に落とし、彼を吸血鬼へと変貌させてしまう。
 そして、ヨハネスは二年前に負った深手を完治させるため、鍋島藩から盗み出させた秘宝、血涙のロザリオと聖者たるPC2の力を用いた儀式を執り行おうと目論む。
 PCがヨハネスの住む館へと突入し、薛英とヨハネスを討伐することで、このシナリオは終了となる。


今回予告

 アヘン戦争に敗れた清帝国の港、康安の町は、今や邪悪なアヘン商人、ヨハネス・ゴールドベルグの支配下にあった。
 人々を食い物にする邪悪なヨハネスに対抗するのは、自警団の頭領であり、高名な武侠である林薛英(りん・せつえい)とその門下生、そして英傑たち。
 だが、ヨハネスはただの悪漢ではなく、恐るべき吸血鬼であった。はたして、ヨハネスがもたらそうとする闇を打ち払うことはできるのだろうか?
 天下繚乱RPG『必殺拳vs吸血鬼!』
 百花繚乱綾錦、いざ開幕!

キャラクター作成

 今回予告を読み上げた後、次ページのハンドアウトをコピーして切り離し、各プレイヤーに配布せよ。どのプレイヤーにハンドアウトを渡すかは、GMの任意にしてもよいし、プレイヤー間で選択させてもよい。プレイヤーの人数が少ない時は、若い番号のものを優先すること。

●ハンドアウト
 ハンドアウトには、各PCによって異なる事前情報と、シナリオによってPCに与えられるコネクションが記載されている。
 今回予告を読み上げたのち、GMは下のシナリオハンドアウトの内容を読み上げて、各プレイヤーに配ること。その後、ハンドアウトに沿ってPCを作成してもらうとよい。

●クイックスタート
 プレイヤーが『天下繚乱』を初めて遊ぶ場合や、ルールブックを持っていないならクィックスタートでキャラクター作成を行うとよい。
 本シナリオでは以下の5つのサンプルキャラクターをクィックスタートで使用することを推奨する。
PC1: 少年武侠(『太閤幻想』p028)
PC2: 隠れ里の聖女(『太閤幻想』p030)
PC3: 疾風の人狼(『太閤幻想』p032)
PC4: 異国の使徒(『天下繚乱』p068)
PC5: 大武辺者(『天下繚乱』p072)

●コンストラクション
 プレイヤーがルールを知っていて、ルールブックも所持している場合、コンストラクションでキャラを作成してもよい。
 このとき、各PCにはハンドアウトで推奨されるクラスを取らせ、またハンドアウトに付随する設定についてはGMから説明を行うこと。

●推奨カバー
 PCのカバーは以下を推奨する。
PC1:弟子
PC2:指定なし
PC3:武士
PC4:指定なし
PC5:倭寇

●PC間コネクション
 キャラクター作成後に、プレイヤーにPCの自己紹介をしてもらおう。その後PC間のコネクションを決定すること。PC間コネクションの結び方は以下のとおり。
PC1→PC2→PC3→PC4→PC5→PC1

●シナリオハンドアウト
 各PCには以下の設定がつくので、キャラクター作成の時によくプレイヤーと相談すること。
PC1:林薛英の弟子である
PC2:林薛英の居候である
PC3:鍋島氏の密偵である
PC4:ヴァンパイアハンターである
PC5:海賊である

必殺拳vs吸血鬼!:PC1用ハンドアウト
コネクション:林薛英(りん・せつえい)  関係:師事
クィックスタート:少年武侠 コンストラクション:武侠 カバー:弟子
 キミは康安(こうあん)最強の武侠、林氏八極門を極めた武侠、林薛英の一番弟子だ。キミと師匠は自警団を組織し、当てにならない官軍や、西洋人たちに変わってこの街を守っている。だが、日に日に西洋人たちの横暴は強まるばかり。師匠はみずから、総督と掛け合うと言い出したが、キミはそれに不安を感じた。だが、師匠はキミに後事を託し、この街を守ることを決意した。

必殺拳vs吸血鬼!:PC2用ハンドアウト
コネクション:ヨハネス・ゴールドベルグ  関係:恐怖
クィックスタート:隠れ里の聖女 コンストラクション:切支丹 カバー:指定なし
 キミは日本で迫害を受け、清大陸に逃げてきた隠れキリシタンだ。アヘン戦争に敗れたこの地では、皮肉にもキリスト教の布教が許可されていることから、キミでも生きていくことができる。だが、キミをかくまってくれている林薛英(りん・せつえい)の道場にも、邪悪な西洋人たちの魔の手が迫っている。そして、彼らの総督であるヨハネスは、どうやらキミにおぞましい欲望を抱いているようなのだ。

必殺拳vs吸血鬼!:PC3用ハンドアウト
コネクション:鍋島斉正(なべしま・なりまさ)  関係:忠誠
クィックスタート:疾風の人狼 コンストラクション:人狼 カバー:武士
 キミは鍋島藩主、鍋島斉正に忠誠を誓う武士だ。今日もキミに密命が下る。長崎に厳重に封印されていたはずの秘宝、血涙のロザリオが妖異によって奪われたというのだ。奪った妖異は、清帝国は康安(こうあん)の港に向かう密貿易船に乗り込んだという。キミはロザリオ奪回の命を受け、清朝を目指す船に乗り込んだ。主命とあらば、鎖国とてものの数ではない。それが鍋島武士なのだ。

必殺拳vs吸血鬼!:PC4用ハンドアウト
コネクション:鮮血のヨハネス  関係:好敵手
クィックスタート:異国の使徒 コンストラクション:異邦人 カバー:指定なし
 二年前、キミはインドの地で吸血鬼ヨハネスを追い詰めた。はるか中世暗黒時代から生き続ける強大な吸血鬼ヨハネスは、人々の生き血をすすり、インドの奥地に暗黒の帝国を築いていたのだ。キミは激戦の末、ヤツに深手を負わせたが、完全に滅ぼすことはできなかった。そして今、キミは彼がイギリスの康安(こうあん)総督を名乗り、中国の地で悪事を働いていることを知った。なんとしてもやつを追い詰め、滅ぼさねば。

必殺拳vs吸血鬼!:PC5用ハンドアウト
コネクション:黒衣の男  関係:借り
クィックスタート:大武辺者 コンストラクション:いくさ人 カバー:倭寇
 キミはひょんなことから倭寇、東シナ海の海賊たちに拾われ、気ままな日々を過ごしていた。だがあるとき、キミを拾ってくれた仲間たちは、突如夜空から舞い降りた巨大なコウモリによって、次々と全身の血を抜かれ、殺されてしまった。生き残ったのはキミだけだ。キミは、心を共にした友人たちの敵を討つべき、コウモリの飛び去った清帝国を目指すことにした。


オープニングフェイズ

 オープニングフェイズでは、基本的にシーンプレイヤー以外は登場できないものとする。

●シーン1:吸血鬼を狩る者
シーンプレイヤー:PC4
◆解説1
 PC4が本拠地であるロンドンで、吸血鬼ヨハネスの行方を知り、決着を着けるために康安へと向かうシーン。
 最初は二年前の回想シーンを描写する。吸血鬼ヨハネスはインド奥地でPCCによって追い詰められるが、何とか逃げる事に成功する。
 演出を終えたら、描写2へと移ること。
▼描写1
 ――インド奥地にある密林。
 ヨーロッパでも名の知れたヴァンパイアハンターであるキミは、ヨーロッパ中を恐怖のどん底へと叩き落した稀代のヴァンパイア、ヨハネスを追い詰め、その胸に白木の杭を打ち込もうとする。
 ……だが、白木の杭はヨハネスの心臓に届く前に、その禍々しい手によって受け止められていた。
▼セリフ:ヨハネス
「ぐああっ、熱いッ、胸が焼けるッ!!」
「あと一歩で、このインドを死の土地に変えられたものを……」
「おのれ! 忌々しきヴァンパイアハンターよ!」
「貴様から受けた傷を癒すためには、また、多くの時間と血が必要となる……」
「この傷が癒えたあかつきには、必ずやヨーロッパ全土を死の街に変え、貴様の喉笛に牙を突き立ててくれようぞ! 覚えておるがいい!」(《神出鬼没》を使用し退場する)
◆解説2
 場面は現代へと戻り、PC4の本拠地、ロンドンでの描写となる。
 協力者である英国貴族が、PC4にヨハネスの情報を知らせる。
▼描写2
 それが、二年前の出来事であった。
 あの日、ヨハネスの心臓を貫けなかったことを、キミは今でも後悔している。
 ヨーロッパ全土を死の街に変える……おそらく、ヨハネスが残した言葉は偽りではない。
 ヤツはそれだけの力と才覚を備える、強大な吸血鬼なのだ。
 キミは、本拠地のロンドンに戻り、ヨハネスの行方を知るために情報収集を続けていた。
 そして、キミは清帝国との交易を行っているという協力者のひとりから、ヨハネスの行方を知らされた。 
▼セリフ:英国貴族
「あなたのおっしゃる風貌の紳士なら、以前見かけたことがあります」
「彼はいま……清帝国の港町、康安にいるはずです」
「稀代のアヘン商人にして康安総督。それが彼――ヨハネス・ゴールドベルグの現在の肩書きですよ」
◆結末
 PC4が康安へと向かったら、PC4に【宿星:ヨハネスを滅ぼす】を渡してシーンを終了すること。

●シーン2:友たちのために
シーンプレイヤー:PC5
◆解説1
 PC5が仲間の倭寇を殺され、襲撃者である黒衣の怪人に復讐を誓うシーン。
 倭寇の老人との会話を終えたら、描写2へと移ること。
▼描写1
 キミが東シナ海を根城にする倭寇たちに拾われたのは、ずいぶんと前のことだ。
 倭寇たちと意気投合したキミは彼らの食客として、そのまま船に乗り込み、気ままな日々を過ごしていた。
 ある日の夜……キミが夜空を眺めていると、親しい倭寇の老人がキミに話しかけてきた。
▼セリフ:倭寇の老人
「今宵も、星を眺めておられますのか……まったく、風流ですな」
「不思議な方よな、おぬしは。戦の時は戦国時代の武将も震え上がるほど苛烈だというのに、そうでなければこのように星を眺めたりして……」
「ともあれ、おぬしのような武辺者が仲間になってくれて、わしらとしても心強い。これからも頼りにしておりますぞ」
「……おや、向こうが妙に騒がしい。どれ、少し見てきましょう」
◆解説2
 倭寇の船が黒衣の怪人(ヨハネス)によって襲われる。
 倒れた仲間たちは、その場で絶命している。
▼描写2
 そういって、倭寇の老人が船の向こう側に向かおうとすると……突如として飛来した巨大コウモリに殺到され、悲鳴とともに倒れ伏せる!
 巨大コウモリが転倒した老人の首筋に牙を突き立てると、周囲に不気味な嚥下の音を響き渡る!
 キミは老人を救うべく、瞬時に手にした得物を振り抜く。
 だが、巨大コウモリは肉体を霧散させることでキミの一撃をかわし、再び姿を現したときには、邪悪な紅い瞳を輝かせた黒衣の怪人の姿をとっていた。
▼セリフ:黒衣の怪人(ヨハネス)
「ほほう、なかなかの一撃……貴様、ただの人間ではないな」
「その命の輝き、素晴らしい。貴様の血の味はさぞや美味なのであろうな」
「この場で貴様を打ち負かし、その血を味わいたいのはやまやまだが……あいにく、わたしは負傷中の身でね」
「今宵は充分に血を得たこともある。なので、これで失礼させてもらおう」
「フハハハ……では、さらばだ命輝きし者よ」(《神出鬼没》を使用して退場する)
◆結末
 黒衣の怪人は清帝国、康安の方角へと立ち去ってゆく。PC5に【宿星:復讐を果たす】を渡してシーンを終了すること。

●シーン3:邪悪との邂逅
シーンプレイヤー:PC2
◆解説1
 PC2が、薛英の道場に現れたヨハネスから眼をつけられるシーン。
 薛英を捕らるために、道場に憲兵が現れる。PC2と憲兵のやり取りが終わったら、描写2へと移る。
▼描写1
 異国の地に流れ着いたキミが康安の名士、林薛英とめぐり合って、どれほどの月日が経っただろう。
 信仰のために祖国まで捨てたキミの志に、薛英は心を打たれ、キミのことをわが子のように慕ってくれた。
 そうしてキミは、薛英の屋敷に居候させてもらいながら、康安の人々に神の救いの手を差し伸べている。
 だがある日、薛英が留守の間に、この街を牛耳るヨハネス総督と、配下の憲兵たちが道場にやってきた。
 キミは留守の薛英に代わって、対応するために彼らの前へとやってきた。
▼セリフ:憲兵
「ここは、林薛英の道場で間違いないか?」
「我々は、林薛英を捕らえに来た。林薛英はどこだ?」
(逮捕の理由を聞く)「薛英は自らの門下生と共に、イギリス人アヘン商人を襲ったという情報があったのだ」
(薛英をかばった)「ヤツをかばいだてするというのか! ならば貴様も同罪とみなすぞ!」
◆解説2
 憲兵の背後からヨハネスが登場する。ヨハネスはPC2の聖者としての資質を見抜き、目をつける。
▼描写2
 巨漢の憲兵は、キミを捕らえようと乱暴に手を伸ばす。
 だが、すんでのところで、巨漢の手が捕らえられる。
 その手を捕らえたのは、なんと、彼のかたわらにいた紳士――ヨハネス総督その人だった。
 ヨハネスは、その見た目から想像できないほどの怪力で、巨漢の憲兵の手を締め上げながら、キミに対し、その紅い瞳を向ける。
 そのとたん、キミの背筋に凄まじい悪寒が走った。
▼セリフ:ヨハネス
「……部下の乱暴は、詫びさせてもらおう」
「ところで、この康安には無償で人々に手を差し伸べる聖者がいるという。もしや、それはキミのことではないかね?」
(PC2が成否を答えた)「ほほう? ククク……まあ、薛英はここにおらぬようだし、今日はここでお暇するとしよう」
「いずれにせよ、キミとはいつか二人だけで、信仰などについて、ゆっくりと語らいたいものだね……ククク」
◆結末
 ヨハネスとの会話を終えたら、PC2に【宿星:康安に平和を取り戻す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン4:密命を帯びて
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3が鍋島斉正から密命を与えられ、それを果たすために康安へと向かう船に乗り込むシーン。
▼描写
 キミはある日、鍋島藩主、鍋島斉正(なべしま・なりまさ)から呼び出しを受けた。
 斉正は、普段とは違った思いつめた様子で、出仕したキミに面を上げるように告げる。
 そうして斉正は、キミに対して事情を説明し始めた。
▼セリフ:鍋島斉正
「PC3、よくぞ参った」
「お主を呼んだのは他でもない。実は長崎にて厳重に封印されていたある秘宝が妖異によって盗み出されてしまったのじゃ」
「その秘宝の名は血涙のロザリオ。聖者の力を引き出す力を持つ秘宝中の秘宝らしい」
「こちらの調べでは、ロザリオを盗み出した妖異が清帝国の康安へと向かう密貿易船に乗り込んだことまでが判明しておる」
「妖異が、なぜそれを盗み出したのかはわかっておらぬ。だが、このまま捨ておけば、我が鍋島藩の面目に関わる」
「PC3よ、主命じゃ。単身、康安へと向かい、秘密裏に血涙のロザリオを奪還してまいるのじゃ」
「我が家臣の中でも、指折りの豪の者であるお主にしか頼めぬこと。この鍋島斉正、お主にしかと頼んだぞ!」
◆結末
 斉正との会話を終えて、康安行きの船に乗り込んだら、PC3に【宿星:血涙のロザリオを奪還する】を渡してシーンを終了すること。

●シーン5:意思を継いで
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1が後事を託された後、師匠である林薛英と別れるシーン。
▼描写
 康安一の武侠、林薛英。
 キミが、彼やその門下生と共に、善良な商家の店先を荒らしていたイギリス商人の横暴を止めに入ったのは、夕方に差しかかった頃だった。
 今まで、幾度となく康安の商家を荒らしていたイギリス商人たちは、キミたちが制止するや激高し、刃物やマスケット銃まで持ち出してきたのだ。
 だが、彼らは逆に、キミによってことごとく打ち据えられた。
 そして、最後には、この事を提督に告げ口してやると捨てセリフを残し、この場を逃げ去っていった
 助けられた商家の人間や門下生たち、そして、それを見ていた街の人々は歓声をあげる。だが、薛英は表情を曇らせたままキミを呼び寄せ、自らの心のうちを語った。
▼セリフ:林薛英
「PC1よ、見事であった。どうやら拳訣(けんけつ)を極めたようだな」
「だが、今回の件をこのままにしておけば、西洋人たちとまた、大きく揉めることになるだろう」
「彼らの横暴は……日に日に強まるばかりだ」
「たとえ、この場にいた全員が証人になったとしても、彼らは時と共に我々を悪人に仕立て上げ、さらなる暴挙に出るやもしれん」
「それゆえに、わしは時をおかず、今からヨハネスの元へ赴き、直談判をしようと思う」
(PC1が薛英を止めた)「お前の言いたいことはわかる。だが、誰かがやらねばならぬことだ」
「そうでなければ、この康安に真の平和は訪れぬだろう」
「……もし、わしに万が一のことがあったその時は、この街と林氏八極門を頼んだぞ」
「これは、わしの一番弟子である、お主にしか頼めぬことだ」
「わしの意思を継ぎ、この街を守ってくれ……」
◆結末
 薛英との会話を終え、薛英がヨハネスの屋敷へと向かったら、PC1に【宿星:師匠の志を継ぐ】を渡してシーンを終了すること。


ミドルフェイズ

●シーン6:康安の地にて
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3が康安の地に降り立ち、官兵に誰何(すいか)されるシーン。
 他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 日本を発ったキミは、ようやく康安へとたどり着いた。
 康安の港にはさまざまな船が停泊しているが、特にアヘン戦争に勝利したイギリスの商船の数が目に留まる。
 キミがその様子を眺めながら街へ入る。すると、そこで清帝国の官兵に呼び止められた。
▼セリフ:官兵
「……その姿。お前は、日本の者か」
「この康安の地に、何をしにきた?」
(PC3が何かしら答えた)「……ふん。まあいい。とにかく、この地で騒ぎを起こしてくれるなよ」
「特に、イギリス人には絶対に手を出すな。いいな」
(ロザリオのことを聞いた)「そんなものは見ていないが……その船だったら、たしかイギリス提督のヨハネス様が管轄している商船のはずだ」
◆結末
 PC3が官兵との会話を終えたら、シーン終了となる。

●シーン7:師の訃報
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1の師匠、林薛英が処刑されたと聞かされるシーン。
 PC2は自動登場。他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 林薛英からの志を受け継いだあの日から、数日が経過した。
 だが、キミの師がヨハネスの屋敷から帰って来ることはなかった。
 そうして、師の身を案じながらも日々を過ごしていたキミと門下生たちのもとに……イギリスの憲兵たちがやってきたのは、昼を過ぎた頃だった。
 彼らは見下すようにキミたちを眺めた後、得意げな表情で師の行方について語り始めた。
▼セリフ:憲兵
「お前たちに残念な知らせがある」
「お前たちの師である林薛英は、我がイギリス総督ヨハネス・ゴールドベルグ閣下暗殺の容疑で逮捕され、昨夜、処刑された」
「遺体の引渡しは今晩中に行なうので、そのつもりでいろ」
「また、貴様ら林一門は、一週間以内に解散せよとの総督からの命令だ」
「すでに、清帝国からの許可は降りている。なあに、貴様らだけではない。この康安中の武術家や一門、すべてにその命が下っている」
「わかったら、さっさと、この康安から出てゆくんだな。ハハハ!」
◆結末
 PC1が憲兵との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン8:葬儀の謎
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PC2が林薛英の葬儀中、その棺桶が空であることに気付く機会が訪れるシーン。
 PC2が薛英の棺について疑問を感じその中身を暴いた場合、棺の中身が空であると判明する。
 棺の中身を確認した場合も、しなかった場合もシーンは終了し結末へと進む。
 PC1は自動登場。他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 その日の夜。康安一の武侠、林薛英の葬儀はしめやかに行われた。
 門下生たちは皆、一様にうなだれ……薛英にゆかりのある人々は、その死を嘆き、滂沱の涙を流した。
 だが、キミは薛英の死を悲しみながらも……イギリス憲兵たちが運び込んだ棺に、違和感を感じていた。
 どういうわけか、彼らは薛英をこの国の棺に入れ、丁重に弔う形を見せていたのである。
 それに、棺は釘付けにされており、中を確認することができないのである。はたして……棺の中は、どうなっているのだろうか?
◆結末
 PC2が疑問を感じながらも、特に行動をしなければ、葬儀はつつがなく終わりを迎え、シーン終了となる。
 あるいは疑問を感じて棺を暴き、内部が空であることを確認したらシーン終了となる。

●シーン9:跋扈する闇
シーンプレイヤー:PC5(いなければPC3)
◆解説
 PCが康安の裏路地で、血を抜かれた無残な死体を発見するシーン。
 他のPCの登場難易度は8とする。
▼描写
 康安へとやってきたキミは、なんらかの情報を得るために、裏路地へと足を運んだ。
 キミが、ふと目についた酒家へと足を運ぼうとしたそのとき、路地の奥から子供の悲鳴が響きわたる!
 キミは瞬時にそちらへと走り出し、悲鳴の主のもとへと駆けつけた。
 すると、そこには血を抜かれた無残な死体と、それを見て腰を抜かしている子供の姿があった。
▼セリフ:子供
「あ、あ……助けて!」
(何があったのかを聞いた)「そ、それが、わかんないんだ」
「さっき、変な声が聞えて、なんだろうと思ってこの路地を覗き込んだら、この人が死んでたんだよ……」
「この死に方……同じだ」
「最近、夜になると出てくるっていう、化け物コウモリに襲われた人の死に方と同じだよ!」
◆結末
 子供との会話を終えたら、PCは藍色に染められた中国服の切れ端を自動的に発見し、シーン終了となる。

●シーン10:情報収集シーン
シーンプレイヤー:PC4
◆解説1
 情報収集シーン。以下の情報を収集する。判定値は基本的に【理知】で判定する。カッコ内が情報を得るための難易度である。
 情報収集開始時は「昼」とし、PC全員が1回ずつ判定を終えると「夜」になる。「夜」の情報収集判定ではファンブル値に+3され、ファンブルした場合、歩く死者(本シナリオ巻末に掲載)と戦闘になる。PCたちはひとつのエンゲージ、そこから10m離れた地点に歩く死者×2のエンゲージがふたつ配置される。
 夜の情報収集判定でPC全員が1回ずつ判定を終えたら、シーンを終了すること。
 
▼中国服の切れ端(難易度:10)
 藍色に染められた包の切れ端。PC1の師匠、林薛英が最後に着ていたものである。
▼巨大なコウモリ(難易度:12)
 数年前から目撃されるようになった巨大なコウモリ。ヨハネスの屋敷に出入りしているのが目撃されている。
▼ヨハネス・ゴールドベルグ(難易度:16)
 英国の康安総督。貪欲で邪悪な男。夕暮れや曇り、夜にしか出歩かない吸血鬼。ヴァンパイアハンターのPC4によって深手を負わされ、これを回復するために血涙のロザリオというものを求めており、最近、それを入手した。また、彼には致命的な弱点があるらしい。
▼血涙のロザリオ(難易度:12)
 長崎にかつて存在したイエズス会の司教が持っていたロザリオ。聖なる者の力を引き出す力を持つ。その力を逆用すれば、吸血鬼の復活を阻止することも、加速することも可能。

◆解説2
 以下の情報は、それぞれ「巨大なコウモリ」と「ヨハネス・ゴールドベルグ」を調べると、次の情報収集が行なえる。
 なお「ヨハネスの弱点」については、エネミーデータに掲載されている《弱点:気功》をプレイヤーに説明するとよい。

▼ヨハネスの館の間取り(条件:「巨大なコウモリ」、難易度:14)
 ヨハネスの館は、康安の見下ろせる丘の上に建っている。内部は入り組んでおり、さらには各部屋にイギリス本土から呼び寄せた用心棒や憲兵たちが控えている。そのため、腕利きの者であっても、ヨハネスの元にたどり着くのは難しい。また、いたる場所に狡猾な罠が仕掛けられているとの噂もある。
▼ヨハネスの弱点(条件:「ヨハネス・ゴールドベルグ」、難易度:16)
 拳法家の気による攻撃に弱い。そのため、最近は特に拳法を弾圧している。康安一の武術家である林薛英に総督暗殺の罪を被せ、殺害したのもそのためであろう。


●シーン11:暗殺嫌疑
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 官兵たちがやってきて、PC2を引き渡すように迫るシーン。全員登場となる。
 官兵たちはPC2をヨハネスの屋敷へと連行しようとする。
 PCが抵抗するならば、官兵たちはエキストラとして扱うので宣言のみで倒すことができ、PC2の連行を阻止することができる。 また、あえて抵抗を行なわずにヨハネスの屋敷へと連行されても構わない。
 その結果に応じて、以降のシーンを演出すること。
▼描写
 ある日の朝。林薛英道場の前では、大きな騒ぎが起こっていた。
 イギリス人兵士を連れた清帝国の官兵たちが、林薛英による総督暗殺の重要参考人として、PC2を引き渡すように迫ってきたのである。
▼セリフ:官兵
「……貴様ら、おとなしくしろ!」
「出てこい、PC2! 貴様がいることはわかっているのだぞ!」
(PC2が出てきた)「PC2。お前に、ヨハネス総督暗殺を命令したという嫌疑がかけられている」
「総督命令だ。さあ、林一門の拳士たちよ。PC2を捕らえて引き渡せ」
◆結末
 PC2が官兵との会話を終え、ヨハネスの屋敷へと連行されたら、或いは官兵を追い払ったらシーン終了となる。

●シーン12:屋敷への潜入
シーンプレイヤー:PC4(いなければPC3)
◆解説
 決戦を挑むために、ヨハネスの屋敷へと侵入するシーン。PCは全員登場(PC2が引き渡されている場合、PC2以外、全員登場)。
 ヨハネスの屋敷へ忍び込むためには、難易度12の【反射】判定に成功する必要がある。この判定は全員が成功するまで続けること。なお、情報収集の際に「ヨハネスの館の間取り」を調べてある場合、難易度は8となる。判定を行ったPCは失敗のたびに罠にかかり、〈刺〉2D6ダメージを受ける。
▼描写
 もはや、一刻の猶予もない……。
 キミは、すぐさまヨハネスと対決することを決意し、ヤツが根城にしている丘の上の屋敷に侵入を試みようとする。
 だが、屋敷は内外ともに狡猾な罠が多数仕掛けられているという。
 キミは注意して、先に進んだ。
◆結末
 PCたち全員が判定に成功し、ヨハネスの館へと侵入できたらシーン終了となる。

●シーン13:ヨハネスの計画
マスターシーン
◆解説
 ヨハネスが計画を語るシーン。マスターシーンだが、PC2が「シーン11:暗殺嫌疑」で官兵に引き渡されている場合、ここで自動登場となる。
 PC2が登場している場合、自動的に「ヨハネスの弱点」の情報が判明する。
▼描写
 すでに、街は夜の闇に包み込まれ、天井には禍々しい月が輝いていた。
 康安提督……いや、吸血鬼ヨハネスは、自室にあるテラスから康安の街並みを眺め、恍惚の表情を浮かべていた。
 だがその表情は、風景の美しさに対する恍惚ではなく、これからの食事の味を想像するときの、それであった。
▼セリフ:ヨハネス
「どうやら、PC4もこの街にきているようだな」
「ククク……だが、もうすぐだ」
「もうすぐ、聖者であるPC2(PC2がいる場合、きさま)の力を用いて、この血涙のロザリオを使うことができる!」
「そうすれば、あの忌々しいヴァンパイアハンターから受けた傷を完治させ、わたしは再び強大な力を取り戻すことができるだろう!」
「フハハ! その時には、まず手始めにこの康安の人間を全て吸血鬼へと変えてくれよう!」
「そして、死者の軍勢を率いてヨーロッパへと帰還し、今度こそ死者の王国を築いてくれるわ!」
「ククク……ことごとく拳法家を弾圧し、最強の拳士、林薛英も亡き今、わたしに気を打ち込める優れた拳士もおるまい」
「そして、その名だたる最強の拳士たちも、今やわたしの手駒。ひとりひとりが英傑とも言えるような逸材ばかり……まさに最強の兵団よ」
「クク、まもなくヤツらが来る……わたしが儀式の準備を済ませるまで、その拳、存分に振るうが良いぞ。我が下僕たちよ」
◆結末
 ヨハネスが最後のセリフをいい終えると、その背後の控えていた影が動き、ヨハネスがロザリオを眺めながら隣室へと移動したらシーン終了となる。

●シーン14:いざ、決戦の地へ
シーンプレイヤー:PC4(いなければPC3)
◆解説
 ヨハネスの自室へと向かうシーン。PCは全員登場(PC2が引き渡されている場合、PC2以外、全員登場)。
 ここでは落とし穴の罠が発生する。落とし穴を捜索するには【知覚】で難易度14の判定に成功する必要がある(床を調べると宣言があった場合、難易度12)。捜索の判定は、PCが申し出ない限りやらなくてもよい。
 落とし穴を無効化するには、【反射】判定で難易度16に成功する必要がある。失敗したPCは〈殴〉5D6ダメージを受ける。
▼描写
 幾度となく探索を繰り返しながら、キミはようやく、ヨハネスの自室へと続く道を発見した。
 冷たい石畳でできた無機質な通路。
 おそらく、この先を曲がったところに、ヨハネスの自室へと続く最後の通路が存在するはずだ。
 キミは、先を急ごうと動き出す……。
◆結末
 PCたちが落とし穴の罠をかいくぐり、会話を終えたらシーン終了となる。


クライマックスフェイズ

●シーン15:武術家として
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 ヨハネスの自室で、吸血鬼と化した林薛英と対決するシーン。PC2が連行されていた場合、ここで他のPCと合流できる。
 その場合、PC2はこの部屋に軟禁され、林薛英及び吸血鬼の拳士たちによって見張られていた扱いとなる。林薛英は何も言わずにPC2の拘束を解き、その身をPCたちへと託す。
 林薛英は己が吸血鬼と成り果てる前に、弟子であるPC1の手で武闘家としての最期を迎えたいと願う。
 戦闘となる。PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5mの位置に林薛英を配置すること。
▼描写
 キミはようやく、ヨハネスの自室の前へとたどり着いた。
 するとちょうど、目前の巨大な扉を突き破りひとりの吸血鬼が部屋から吹き飛ばされ、その場で屍と化す。
 キミは目前の姿に目を疑ってしまう。
 キミの視線の先……部屋には吸血鬼と化してしまった師匠、林薛英の姿があった。
 林薛英の周りには、彼によって倒された吸血鬼の屍が積み重なっている。
▼セリフ:林薛英
「……久しぶりだなPC1よ。お前に、このような姿をさらすことになろうとは、残念だ」
(吸血鬼の屍を見ながら)「ここに倒れているのは形意羅漢門の李従誡(り・じゅうかい)、酔八仙拳の梁子誦(りょう・ししょう)……それに心意六合拳の王天明(おう・てんめい)や双手純陽剣の孫天意(そん・てんい)。いずれも高名な拳法家であり、万夫不当の豪傑であった」
「しかし彼らはヨハネスによってその魂を汚され、吸血鬼へとその身を堕としてしまったのだ。それは、わしとて例外ではない」
「PC1よ。わしの……最後の願いを聞いてくれ」
「もはや、この体は、わしの言うことを聞かなくなりつつある」
「だが、わしは拳士だ。最後は穢れた吸血鬼ではなく……拳法家として死にたい」
「そして、わしの生涯最後の相手は、一番弟子のお前だ!」
「参れ! お前の全てをわしにぶつけるがいい!」
(倒された)「見事だ……PC1よ。これで、わしは、安心して死ねる……あとは任せたぞ」
◆結末
 戦闘が終わると林薛英の肉体は浄化され、砕け散る。PC全員に【宿星:吸血鬼ヨハネスを倒す】を渡してシーンを終了すること。

●シーン16:決戦! 吸血鬼ヨハネス
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 ヨハネスと対決するシーン。
 PC全員をひとつのエンゲージに配置し、そこから5mの位置に歩く死者×3のエンゲージをふたつを配置する。さらに5m離れた位置にヨハネスを配置すること。
▼描写
 吸血鬼と化した林薛英の肉体が滅びさると同時に、奥の部屋からヨハネスが現れた。
 ヨハネスは、林薛英が倒された姿を見て目の端をゆがめると、キミに対して禍々しい紅眼を向け、刺すように睨み付けた。
 ヨハネスの周囲は、その怒気を表すかのように影が渦巻き始めている。
▼セリフ:ヨハネス
「おのれ……まさか、我が最強の拳士軍団を討ち果たすとは!」
「あと一歩というところで、本当に忌々しいヤツらめ!」
「だが、儀式を目前にして、わたしも引くわけにはいかん」
「貴様らの命を、我が傷を癒す最後の糧としてくれようぞ!」
(PC1の攻撃を受ける)「この気……林薛英のものを上回るだと……!?」
(倒された)「バカな! 一度ならず二度までも! わたしが消える……永きに渡って生きながらえてきたわたし……が!」
◆結末
 戦闘が終わるとヨハネスは砕け散り、血涙のロザリオが零れ落ちる。PC3がそれを回収したら、シーン終了となる。


エンディングフェイズ

●シーン17:新たなる敵を求めて
シーンプレイヤー:PC4
◆解説
 PC4のエンディング。PC4の戦いがまだまだ続いていくことを示すシーン。
▼描写
 キミの長年の宿敵、ヨハネスは滅び去った。
 だが、キミに休息の時はない。この世に邪悪な吸血鬼たちが存在する限り、キミの戦いに終わりはないのだ。
 そしてキミは、今日もヴァンパイアハンターとしての務めを果たすために、ロシアの地で戦いを繰り広げている。
▼セリフ:吸血鬼
「ひ、ひいいい!」
「貴様、このようなマネをして、ただで済むと思っているのか!?」
「この大地は、我が同胞の領域! わたしを殺せば、他の仲間たちが貴様を……」
「やめろ! いやだあ! 消えたくない!」
◆結末
 PC4が吸血鬼を倒したらシーン終了となる。

●シーン18:恩師の墓前にて
シーンプレイヤー:PC2
◆解説
 PC2のエンディング。林薛英を静かに弔うシーン。
▼描写
 あの事件から、数ヶ月の月日が経とうとしていた。
 キミはいまでも、林薛英の道場で世話になり、人々に救いの手を差し伸べる日々を送っている。
 今日は、近況報告もかねて、林薛英の墓参りへとやってきたのだ。
 恩師の墓の真上では、見事な桃の花が咲き誇っていた……。
◆結末
 PC2が林薛英を弔ったら、シーン終了となる。

●シーン19:海からのいざない
シーンプレイヤー:PC5
◆解説
 PC5のエンディング。倭寇の仲間たちを弔い、新たな冒険へと向かうシーン。
▼描写
 仲間だった倭寇たちの仇を果たしたキミは、彼らを弔うために、海へとやってきていた。
 康安の港から見える海は、いつものように穏やかな姿を見せている。
 そうしてキミが酒を飲みながら海を眺めていると、向こう側から、複数の男女がやってくる。
 その風貌と、雰囲気……彼らはおそらく、海賊だろう。
 海賊たちはキミの前までやってくると、その口を開いた。
▼セリフ:女海賊
「あんたかい……このあたりで噂になってる戦人ってのは」
「実は、あんたの腕を見込んで、お願いがあるんだよ」
「あたしたちは今度、海賊たちに伝わるっていう神器を探しに航海に出る。その旅路は危険でねえ、腕の立つ豪の者が仲間にほしいんだ」
◆結末
 PC5が女海賊との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン20:密命を終えて
シーンプレイヤー:PC3
◆解説
 PC3のエンディング。鍋島斉正に取り戻した血涙のロザリオを私、ねぎらいの言葉を受けるシーン。
▼描写
 遠く離れた康安の地において、見事密命を果たしたキミは鍋島藩へと帰還し、事の顛末を語った。
 藩主、鍋島斉正はそれらの話を聞き、さらに目前へと差し出された血涙のロザリオを認めると、満足そうにうなづいて、キミの面を上げさせた。
▼セリフ:鍋島斉正
「うむ……遠い異国の地にて、見事な武者ぶり」
「まこと大儀であったぞ。PC3」
「さすがは、我が藩きっての豪の者……余は満足じゃ!」
「これからも我が藩のために、その腕、存分に振るってくれい」
◆結末
 PC3が斉正との会話を終えたらシーン終了となる。

●シーン21:林一門
シーンプレイヤー:PC1
◆解説
 PC1のエンディング。
▼描写
 キミは、その手で師を倒した。
 弟子はいつか師を超えるもの。師から、そう聞かされてはいたが、いまになっても、その実感は薄い。
 自分はこれから……どうすべきなのだろう?
 キミは心の迷いを消すため、今日も道場で拳を振るい、功夫を鍛えぬく。
 するとそこに、門下生たちが集まってくる。
 何事かと思ったキミは修練を止めて、彼らの言葉に耳を傾けた。
▼セリフ:門下生
「PC1師兄(しけい)……いや、PC1師父(しふ)!」
「お願いです! どうか、林薛英の跡を継ぎ、我々の指導者となってください!」
「……これは、この場にいる全員で決めたことです!」
「PC1師父が道場を継いでくだされば、林一門は残りますし……なにより、この康安を守ることができます!」
「お願いです。林師父の志を受け継がれた、師父にしか頼めないのです!」
◆結末
 PC1が門下生との会話を終えたら、シーン終了となる。

●エネミーによる経験点
 エネミーのレベルの合計は、奥義も含め55である。経験点の計算に反映すること。
 ミドルフェイズで戦闘が複数回あった場合でも、一度も無かった場合でも同じ経験点である。
 これはそれぞれ脅威を退けた、或いは不手際による戦闘を招いた扱いとなる為である。


エネミーデータ

■歩く死者
◆データ
種別:妖異 レベル:モブ(3) サイズ:1
体:12/+4 反:9/+3 知:5/+1
理:3/+1 意:3/+1 幸:6/+2
命:7 回:3 魔:5 抗:4
行:8    HP:20   MP:5
攻:〈殴〉+6/物理
対:単体  射:至近
防:斬0/刺10/殴5/氷20
特技:《自動再生》《呪い:邪毒》
《弱点属性T:炎》

■設定
 土葬された死体が低級妖異に憑依されたもの。歩く死者に襲われた者は歩く死者となる。すでに死んでいるため刺突武器はほとんど効果がない。蘭学で言うゾンビ。


■林薛英
◆データ
種別:吸血鬼 レベル:10 サイズ:1
体:15/+5 反:18/+6 知:12/+4
理:12/+4 意:12/+4 幸:9/+3
命:8 回:7 魔:5 抗:6
行:12 HP:60 MP:36
攻:〈殴〉+12/物理
対:単  射:至近
防:斬2/刺0/殴1
《外道属性》《弱点属性T:光》
《発勁》《推手》《鉄山靠》

・《発勁》
タイミング:ダメージロール
代償:2MP
解説:ダメージロールの直前に宣言する。そのダメージロールに+1D6する。
・《推手》
タイミング:マイナーアクション
代償:4MP
解説:直後に行なう至近に対する白兵攻撃の達成値を+2、クリティカル値を−1する。
《鉄山靠》
タイミング:メジャーアクション
代償:4HP
解説:ショートレンジからの強烈な当身を喰らわせるオリジナル特技。単体の対象に〈殴〉3D6+12の物理攻撃を行なう。射程至近。
・《崩撃雲身双虎掌》
タイミング:リアクション
代償:6HP
解説:同一エンゲージからの物理攻撃に対して、【命中値】で防御判定を行なうオリジナル特技。対決に勝利した場合、攻撃を回避すると同時に〈殴〉2D6+12のダメージを相手に与える。林薛英の最終奥義。

◆奥義
□一刀両断 □剣禅一如

■設定
 PC1の師匠にして、康安一の武術家。ヨハネスの陰謀によって吸血鬼へとその身を堕とす。
 それでも尚、強靭な意志によって自我を保ちヨハネス配下の拳士たちを一掃。
 完全なる吸血鬼へと堕ちる前に、弟子の手によって格闘家としての最期を迎える事を望む。


■ヨハネス・ゴールドベルグ
◆データ
種別:妖異 レベル:13
体:20/+6 反:16/+5 知:18/+6
理:18/+6 意:15/+5 幸:9/+3
命:9  回:5  魔:8  抗:6
行:10  HP:135  MP:80
攻:〈刺〉+10/物理
対:単体  射:至近
防御:斬7/刺5/殴6/氷10
◆特技
《血族:モルトゥス》《串刺し公》《血の魔術》
《飛行能力》《攻撃力UPU》《外道属性》
《範囲攻撃》《弱点:気功》《指揮能力》《無限の魔》

・《範囲攻撃》
タイミング:マイナーアクション
解説:メインプロセスの間、攻撃の対象を範囲(選択)に変更。
・《血の魔術》
タイミング:マイナーアクション
解説:8点以下の任意の【HP】を消費する。直後のメインプロセスで行なう特殊攻撃のダメージに+[消費した【HP】点]する。
《串刺し公》
タイミング:メジャーアクション
解説:吸血鬼の身に備わる絶大な膂力で周囲一帯をなぎ払い、範囲(選択)の対象に〈刺〉5D6+16のダメージを与える物理攻撃を行なう。
・《血族:モルトゥス》
タイミング:メジャーアクション
解説:無数の死者を己の血より現出させ、範囲(選択)の対象に〈殴〉5D6+8のダメージを与える特殊攻撃を行なう。この攻撃で1点でも実ダメージを与えた場合、更に狼狽を与える。使用すると【HP】を4点失う。射程10m。
・《弱点:気功》
タイミング:常時
解説:拳法家の「気」による攻撃に弱い事を表わすオリジナル特技。このエネミーが「武侠」のクラスを持つキャラクターから受けるダメージは常に+2D6され、さらに防御修正を0として扱う。
・《指揮能力》
タイミング:オートアクション
解説:セットアッププロセスに使用する。そのラウンド中、歩く死者が行なう全ての判定の達成値を+2する。

●奥義
□一刀両断 □秋霜烈日 □疾風怒濤
□妙計奇策 □一蓮托生 □破邪顕正
□広大無辺 □光芒一閃 ■神出鬼没
■神出鬼没

■設定
 かつてヨーロッパでその名を轟かせていた吸血鬼。PC4の手によって深手を負い、英国の康安総督としてその身を隠していた。
 拳法家が扱う「気」に弱く、それ故に拳法家を弾圧していた。
 血涙のロザリオとPC2が持つ聖者の力を逆用し、自らの傷を完治させようと企んでいる。

■戦闘プラン
 セットアッププロセスに《指揮能力》を使用すること。
 最初の行動では《広大無辺》と《秋霜烈日》を使用し、《血の魔術》+《血族:モルトゥス》でPC全体を攻撃すること。その後もできるだけ多くのPCを巻き込めるように攻撃せよ。
 歩く死者は可能な限りPCのヨハネスへのエンゲージを阻止するように行動すること。

■改造
◆PCの人数が少ない場合
 PC人数が4人の場合、ヨハネスの【HP】を30点減らし、奥義から《光芒一閃》を削ること。
 PC人数が3人の場合は、4人の場合に加えて、林薛英の【HP】を15点減らし、《疾風怒濤》を削ること。
 
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