文:柳田真坂樹 絵:渋沢佳奈

前回のリプレイはこちら 
ミドルフェイズ  
ミドル05 英傑、羅刹を打ち払う ――シーンプレイヤー:全員

 宿場町のそこかしこで火が上がり、悲鳴が上がる。
 源八郎の眼力、喝破の技により、英傑達は暴徒の中に妖異の姿を見つけた。
 羅刹に身を乗っ取られたその姿は既に異形。
 体を覆う醜いいぼ、瞬かぬ剥き出しの瞳は沼のように暗く。
 長い舌を伸ばして犠牲者の血を舐めとり、喜悦の声を上げる様、おぞましきこと限りない。

GM: 連中は皆さんに気が付きます、そしてくんくんと匂いを嗅ぐうちに、ひとりがにたああと笑う。

「ひとのちじゃなあい」
「てんぐだああ」
「あやかしだあ」
「なかなかなめられなああい」


源八郎: 「おう、ゆず。お前の血はずいぶんと喜ばれるらしいぞ。あいつらにとっては」
ゆず: 「ふん! あげる義理なんて全くないわ!」
十兵衛: 「弓張殿、先ほどは見られなかった、弓のわざとやら見せてもらおう」
源八郎: 「おう、とくと見るがいい」
飯縄坊: よっしゃ、ラウンド進行だ!

GM: この戦闘、皆さんが敵から受けたダメージを“流血ポイント”として記録します。つまり、宿場町に流れた血によって、クライマックスが変化します。

源八郎: 《妖身喝破》(*01)の代償はHPなんだけど、これはそれに数える?
GM: いえ、純粋に敵から受けたダメージだけにします。それと修羅之蝦蟇にとって、ゆずと源八郎の血は特別なので、流血ポイントは二倍で数えます、のでご注意ください。
ゆず: ええー!?

エンゲージ図


第一ラウンド
十兵衛: 「渡世の義理もわきまえねェから、簡単に妖異に乗っ取られてちまうんだよ。今すぐ正気に戻してやる」といって、長脇差の刃を返す。こんな連中相手に《仁義を切る》(*2)必要はない。プライド的にもな。
ゆず: 次は私ね! 「さあ、十兵衛やっちゃいなさい!」と《陣形構築》(*3)下級羅刹(*4)エンゲージ(*5)に進ませる!
十兵衛: 「命令すんな!」
ゆず: 「命令じゃないわ、お願いよ!」
十兵衛: 「それならしかたねえ」(笑)

――不思議な娘だ、なにやら力がわいてくるような気がする。
無宿人は天狗姫の言葉に背を押され、羅刹の群れの中へと踏み込んで行く。その足さばきはまさに神速。
「野郎、さっきはまだ手を抜いていやがったな」為朝は刮目し、そして楽しげな笑みを浮かべた。


源八郎: 「貴様ら羅刹など、冥府でいくら喰らったかわからんわ!」こちらは《妖身喝破》! 
GM: 他には無いので十兵衛のイニシアチブプロセスからです!(*6)

十兵衛: 「さて、始めやしょうか。後には行かせやせん。あんたらの相手はこのあっしです」と気迫だけで相手をたじろがせ、完璧な間合いの操作で自分の横をすり抜けられないように動く。マイナーで《立ちはだかる壁》(*7)。俺が移動するまで、このエンゲージは封鎖される(*8)
源八郎ゆず飯縄坊: 『ひゅーひゅー!格好いい!』
GM: 十兵衛以外、全員基本的に後衛だもんなあ(*9)……。
十兵衛: そしてメジャーで羅刹1に攻撃。
十兵衛: 2d6+10 命中判定 diceBot : (2D6+10) → 8[5,3]+10 → 18
GM: たっか! 回避は失敗。
十兵衛: あ、ダメージは最大値。斬の19点(*10)
GM: ウム、16点抜けました。
十兵衛: まあ、これくらいじゃ倒れないだろう。
ゆず: でも下級羅刹なら死にかけくらいまで行ってると思う。

 渋沢氏、さすがである(下級羅刹のhpは20)
 続いてゆず。天狗姫はお律の店のヤカンを風で巻き上げて煮え湯を浴びせ、憑依された者の目を覚まさせようとするが、相手は高く飛んでそれを回避した。

ゆず: 残念!
源八郎: さて、出番だ。イニシアチブプロセスで《戦支度》(*11)。左腕を弓のようにしならせて、そこに右腕を突っ込み破魂弓(*12)を引きずりだして装備。

「冥府仕込みの合戦作法、つかまつる」

源八郎: 弓を引き絞れば、源氏と平氏の亡者どものおめき声が周囲に響く。マイナーで《地を薙ぐ者》(*13)、メジャーで《乱れ咲き》(*14)。羅刹三体に対して範囲攻撃。
DM: うッ、やはり強力。ここで終わるか?

源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 4[3,1]+6 → 10

源八郎: うん?
GM: あ♪ 出目4。
ゆず: 《名将の指揮》(*15)で振り直し! どーぞっ!

源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 5[3,2]+6 → 11

全員: 『うん? うん??』
源八郎: ちょ、ちょっと待て(汗) 《天を砕く者》(*16)で自前振り直し。
命中14! さあ、回避するがいい!
GM: では回避します!

GM: 2d6+5 回避1 diceBot : (2D6+5) → 10[5,5]+5 → 15

源八郎: ぬあぁぁぁーッ?!
ゆず: 「待った!」って声をかけると相手の動きが一瞬止る!《神秘念力》(*17)で2下げて当たり! 
源八郎: ゆずさまのおかげじゃー(涙)。
ゆず: 「うむ、くるしゅうない(笑)」
GM: ちぇー、では2体目の回避です。お、14。
源八郎: おわあああああ!?
GM: 同値はリアクション優先(*18)だから回……。
ゆず: ちょっとまって! 《天賦の貫禄》(*19)ふりなおしなさい!
GM: おおお、ダメでしたー。最後の回避も失敗し全員にヒットです!
十兵衛: 一時はどうなることかと思ったぜ(笑)
源八郎: よし、三体に当たったな!(素晴らしく渋い声で)「冥府の矢だ、貴様ら羅刹達にはこの上ない馳走だろうよ」
ダメージは《闇》(*20)の25点。
GM: そ、それは死にます。
源八郎: 「南蛮の学者に言わせると俺の矢はちぃと特別でなあ、蘭学で言うところのブラックホールクラスター(爆笑)」
GM: な、なにがなんだか(笑)羅刹はすべて倒れ、ごろつきたちの口から蝦蟇の魂のようなものが現れますが、すぐに雲散霧消します。とりつかれていた連中は赤松、虎太郎の両陣営です。
ゆず: どっちかがどっちにしかけたってわけじゃなさそうね。「しっかりなさい」
GM/ごろつき: 「い、一体何があったのかわからねえ、矢が飛んできたかと思ったら身体がぐしゃぐしゃになってシュバルツシルト半径(*21)の向こう側に行ったと思ったが気のせいだったぜ」
飯縄坊: もうなにをいっているのかわからないが、ありがたやありがたや。
十兵衛: 「おう、飯縄。ガマとか言っていたな」
飯縄坊: 「ええ、ダンナ。修羅之蝦蟇って言うんで。あっしが信州の山の中から追ってきた」
十兵衛: 「今度はお前のヨタ話じゃなさそうだな……」
ゆず: 「十兵衛さんも何か知ってるの?」
十兵衛: 「まあな、みかん」
ゆず: 「んー、今回は惜しかった……。って、違う! ゆずだって言ってるでしょー!もう!!」
十兵衛: 「改めて長吉親分に聞いて見なきゃならねえな……。弓張の!」
源八郎: 「うん?」
十兵衛: 「かような次第だ、勝負は一旦預ける」
源八郎: (ニィと笑って)「いずれかならずつけると、約束か?」
十兵衛: 「いかにも」
源八郎: 「なら、それまで楽しみに取っておくとしよう」
十兵衛: 「好きにしな、馴れ合う気はない」といって立ち去ろう。
GM: では情報収集をしましょうか。


ミドル06 英傑、走る! ――シーンプレイヤー:全員

GM: 項目と【理知】判定の難易度貼り付けますね。

 竹里長吉について(難易度10)
 竹里虎太郎について(難易度10)
 赤松半次について(難易度10)
 十手預かりの番作について(難易度10)
 長吉の身体の衰えについて(難易度12)
 修羅之蝦蟇について(難易度10)

GM: 項目によっては事態の真相に迫る次の項目が出現します。それに加えて時間制限もあります。鬼無の宿ではいつまた喧嘩が起こってもおかしくなく、そうなれば再び羅刹となる博徒やごろつきも出てくるでしょう。全員が2回情報収集の判定を終えたところでタイムリミット。それを過ぎたら再びここは騒乱の巷となり、流される血で修羅之蝦蟇の目的は果たされます。

 PCたちはコネ、理知の高さ、情報収集に使える特技などで割り振りを決めてゆく。理知が一番高いのはゆず(+5)で、《忠実なる右腕》(*22)を考えれば+8スタート。財産ポイント(*23)も考えれば、ほぼ確実に成功する。次点は《渡世の作法》(*24)をつかって+5スタートとなる十兵衛。源八郎、飯縄坊も理知は+4スタートで財産もあるので、この時点ではほぼ確実に情報は得られるだろう。

十兵衛→長吉の身体の衰えについて(【理知】判定、難易度12)
十兵衛: 2d6+5、長吉の衰えについて(【理知】判定、《渡世の作法》込み)、15で、成功。
GM: 二年ほど前から体調を崩していますが、病を患ったわけではなく、医者も匙を投げている。それでもやはり気味悪がられてはいて、隠居先は先刻の通り。
十兵衛: むう。
GM: ただしちょっと変わったことがあります。正月の間だけ餅を食べられるくらいに体力が回復する。
全員: ……?
GM: でも松が外れると再び食べ物が喉を通らなくなり、痩せる一方になる。
源八郎: なにやらこれは……わけがありそうだな。
GM: というわけで、調査項目が新たに出現します。

 衰弱と正月の関係(難易度12)
十兵衛: これは後に回そう

ゆず→虎太郎について(【理知】判定、難易度10)
ゆず: 「ちゃんと跡継ぎとして認められているのに、どうしてこういうことに? 」
ゆず: 2d6+5 diceBot : (2D6+5) → 3[2,1]+5 → 8
ゆず: うわー、ほとんどファンブル(*25)! 財産ポイント2点使用。たぶん、「あー、勝手がわからないわね!」といっていると、爺が気を利かせてくれるんだと思います(笑)
GM: では、爺が宿場のあちこちで金を使ったという演出で。
人となりについては十兵衛の記憶の通り、「お調子者だが、人好きのする男だった」と。ただし、長吉は“知人の子供”といって連れてきましたが、実際にはよそに生ませた子供のようです。
ゆず: 本当は自分の子供だけど、養子ってことにしてきたのね。
GM: はい。そしてもう一つ。二年ほど前、宿場の子供をいきなり殴りつけて怪我をさせるという事件がありました。
全員: !?
GM: なんでも、竹で作った蛇のおもちゃで遊んでいた子供が、それを虎太郎に見せたところ、本物の蛇と勘違いしたのかひどく驚き、逆上して殴りつけた、とか。
飯縄坊: ! なるほどなるほど。
ゆず: 蛙的なサムシングを感じますね!
GM: その事件以降、半次とのいざこざも目立つように。宿場の人間たちは、虎太郎はもともとは頭に血の上りやすい男だったのではないか、そう噂してます。

源八郎→赤松半次について(【理知】判定、難易度10)
源八郎: 2D6+4 赤松平次について調べる。 diceBot : (2D6+4) → 8[44]+4 → 12。成功。
情景は簡単だ。その日の夜に月を見ながら酒を酌み交わす。特に言葉をかわさなくても、俺はそれで察することができる。
飯縄坊: (しみじみと)良いなあ。
GM: 好漢達には余計な言葉を交わさずともわかることがある、ですね(笑)
彼は舎弟たちには慕われ、宿場の人間たちからも信頼されています。
ゆず: お律ちゃんも言ってたしね。
GM: ただ、“筋を通す”ことにこだわり、長吉に意見することや虎太郎を諫めることもしょっちゅうだったとか。
源八郎: 融通の利かない男だったんだな。
GM: さて、ここまでは普通に察しがつくところ。この先が情報収集の結果です。

 月下、二人の男は何も言うことなく、酒を酌む。
 と、侠客は暑さを感じたのか、襟元をくつろげ風を入れた。その胸元にはから色鮮やかな彫物が覗く。
「うん」英傑が眼を止める。半次は軽く頭を下げた。
「お見苦しいものをお見せしまして」
 くつろげた胸、そこから覗く模様は鎌首もたげた蛇の頭。背中より広がる図柄が胸乳まで延びていたのだ。


飯縄坊: ここでも蛇か!
GM/半次: 「長吉の親分も、実の子の方が可愛かったってことなんでやしょうね。あっしも親分のことは実の親、虎太郎のことは実の弟のつもりでいたんですが……。届かないもンで」
源八郎: 「届かぬと言うことはないだろうさ。届かぬというならなにかが邪魔をしてるんだ。ほら、」と杯を掲げ月を指す。「あの月にかかってる雲みたいにな」
全員: ……。
源八郎: 「だが、風が吹けば雲は散る。それまで少し、待ってみたらどうだ」
GM/半次: 「あっしは待ちましょう。我慢しましょう。けれど、宿場の衆が……」
源八郎: 「なら風でも吹かせてみるかね」
GM/半次: 「おてんとさんでもあるまいし」と言って苦笑い。
源八郎: 俺はにこと笑って、縁側に寝転がり、酒を楽しむ。

飯縄坊→修羅之蝦蟇について(【理知】10)
飯縄坊: このままだと俺の生命があぶない。修羅之蝦蟇の弱点を捜し出し、なんとか十兵衛と源の字にけしかけないと!

飯縄坊: 2d6+4 修羅之蝦蟇 diceBot : (2D6+4) → 5[32]+4 → 9 財産点を1点使って成功。
GM: ということは、なにかに使えるだろうと、どこかから手に入れた古文書、とかですかねえ。
飯縄坊: 「これだ! 早速どっかの誰かに……ゆずさんの爺に読んでもらおう」
全員: 『おいィッ!』
GM: では、その古文書に記されていた蝦蟇の生態を。
一般に蝦蟇の化け物ってのは人家の縁の下に潜み、口をパクパクして、住んでいる人間の精気や血を吸うと言います。で、修羅之蝦蟇というヤツは闘争によって流された多量の血を吸ってその力を高めた上、「争いごとがおこると血が流れる」、「人を惑わせ争わせればもっと血を吸える」ということに気が付いた化け蝦蟇なのです。
飯縄坊: ふむふむ……。
GM: 元の蝦蟇の性(さが)どおり、ヤツはその姿形を変えて隠れるほか、地中に潜って身を隠します。これはゲーム的に言うと特定の状況を満たさない限り登場することはなく、こちらも影響を及ぼせないということです。というわけで、新たな情報項目が出現します。

 修羅之蝦蟇を誘い出すには(難易度12)

飯縄坊: だいたいわかってきたぞ。だが、この調査はゆずさんに頼んだ方がいいな、爺さんからもお願いしてもらおう。……いかん、俺もゆず姫に頭が上がらなくなってきた(笑)

 日は傾きはじめたが、なお宿場町は怯えたように静か。
 虎太郎一家、赤松組。それぞれに武装を整え、宿場に響くは早桶を作る桶屋の木槌の音。
 次に争いの火ぶたが斬られるのはいつか。
 流される血は、修羅之蝦蟇を肥やし、悲歎の声が妖異を喜ばせる。
 それを阻めるのは英傑のみ。


ミドル07 英傑、さらに走る! ――シーンプレイヤー:全員


ゆず: 次の番ですね。色々まだ残ってたり、新しく出てきたりしてるわけですけど。

 竹里長吉について(【理知】10)
 長吉の衰弱と正月の関係(【理知】12)
 修羅之蝦蟇を誘い出すには(【理知】12)
 十手預かりの番作について(【理知】10)

飯縄坊: とにかく蝦蟇を誘い出すことが第一なんだ。それさえやってしまえば他はどうにでもなる。
十兵衛: なら俺がいこう。元の値が+5で財産ポイントが4あるからピンゾロ以外は成功できる。
源八郎: 確かにそれはまかせた方が良さそうだ、あとは番作もいるか。
ゆず: 番作については今のところ私しか知らないから、するとしたら私ね。

十兵衛→蝦蟇をおびき出すには(【理知】12)
十兵衛: 2d6+5 (【理知】判定、《渡世の作法》込み) diceBot : (2D6+5) → 7[16]+5 → 12。よしぴったり。財産ポイントも使わずにすんだ。
GM: 《渡世の作法》を使ったんですから……。『そういえば、筑波の蝦蟇の膏売りから昔聞いたことがある』てな感じで。
十兵衛: お、イイね(笑)

「蝦蟇ってえと、筑波の四六の蝦蟇って話になります。連中はもう半分妖怪みたいなモンでして、肉や魚なんて餌じゃ捕まえられません。
 で、そんなときはどうするかって言いますと秘伝がありまして。いや、これを邪法だとか言う者もいるんですが、てきめんに効くんでございます。ええ、年を取った化け物一歩手前の蝦蟇、そういうのをおびき寄せる。これにはね、
 ――人の生き血が効くんでございます。
 ――それも若い娘や、高貴な方の血。これが一番間違いない」

GM: ルール的に言いますと、PCたちが生き血を流す、つまりHPを支払うことで修羅之蝦蟇をおびき寄せることができます。総計40ポイント。
飯縄坊: お、それはおもしろい。
GM: で、特別な血ということで黄泉還りの源八郎、娘かつ天狗の血でゆず、この二人については倍付け。1ポイントで2ポイント分として扱います。割り振りは任せます。
十兵衛: どうせ飯縄坊はHP16点しかなくて当たったら死ぬんだから、10点くらい……(笑)
飯縄坊: あ、え、いや。ね。血を失うと痛いのよ(汗)あと、まだ正月に長吉が復活する理由とかまだ調べてないんでそっちも!

源八郎→長吉の衰弱と正月の関係(【理知】12)
源八郎: 2D6+4 diceBot : (2D6+4) → 5[43]+4 → 11 財産点払って12!
GM: 実はですね、鬼無の宿にある神社は、諏訪の大社から勧請されてきたお社で、その縁もあって鬼無の宿では正月、家々は立派な注連飾りを飾るのです。
十兵衛: ! あー、そうか。
源八郎: なるほど! そうだな。
ゆず: うん? どゆこと?
飯縄坊: 注連縄は“蛇”の象徴でもある。蛇がいる間は蛙は来ないってことだ。
ゆず: ここでも蛇なわけね!
源八郎: ……これはちょっとおもしろい対抗手段ができそうだぞ? 戦いの前に蛇に見立てた何かを用意すると言うのはおもしろいかも知れん。
全員: 『!! それはイイ!』
源八郎: 実はな。提出したキャラシートにも書いてあったんだが。俺は前に退治した七本角の大蛇の鱗(*26)を"装飾品"として常備化してあるんだ。常備化ポイント3点余ったから3枚(笑)これを使えば、よりいっそう効果があるはずだ。
GM: (モニタの前で深々と一礼)はい、その通りです。設定を拾わせて(*27)いただきました。使い方によって判定を有利にしようとは思ってたんです。が、それで蛇をつくるとまでするなら、もっと効果高くなります。
全員: よーし!

このシーンのうらがわ
源八郎: ところでこの鱗、3枚はがして牛に運ばせたがあまりに重すぎるので牛が死んでしまったという伝承が……。
ゆず: そんなすごいの常備化ポイント1点で常備化しちゃって良いの(笑)
GM: いやまあ、そこは昔話的誇張表現と言うことで。

ゆず→十手預かりの番作について(【理知】10)
ゆず: 2d6+5 番作 diceBot : (2D6+5) → 8[26]+5 → 13。こっちも成功!
GM: 十手預かりの番作が一体何をしていたか、ですが……。先ほど説明したとおり、何もしておりません。
ゆず: ちゃんと働け、ばかものー!
GM: が。調べてるとわかります。彼は江戸の絹問屋、大黒屋から賄賂をもらい、鬼無の宿でのこの争いを長引かせるよう頼まれているのです。
ゆず: ど、どういうこと?
GM: 反物の闇取引の片棒をかついでいるんですよ。鬼無の宿で争いが長引けば、江戸に出る絹が少なくなり値が高騰します。一方で、鬼無の宿近辺では反物を早くお金に換えたいから、足元を見て安く買いつけられる。そうして大きく利ざやが得られるわけです。
十兵衛: 私腹を肥やそうとしているヤツがちゃんといたんだな。
GM: 話の展開次第ではこちらのルートも一応用意してたんです。
ゆず: 「許しがたいわ、十手を預かっておきながらこんなこと!」
源八郎: どうも番作自体は妖異とは関係なさそうだな。
GM: はい、そのようです。爺は証拠となる大黒屋からの書き付けをゆずに差し出します。「どうもこのようなことになっておりました」と。
ゆず: 「すごい爺!」と飛びついて抱きしめる(笑)
GM/爺: 「姫様。嫁入り前の娘御がそのようなことをなさってはいけません」と小言に(笑)
ゆず: 「うええん」
GM: これでだいぶ情報揃いましたね。

飯縄坊→竹里長吉について(【理知】10)
飯縄坊: 一応長吉が残ってるのでそちらも判定しておこう、って6ゾロだ。こんなところでクリティカル(*28)せんでもなあ(笑)
GM: ならそれに見合う演出をしましょう。
そろそろ日も傾こうかという頃、長吉のいる屋敷へ調べに言った飯縄坊。
生け垣を抜けたところ、縁の下からまるまると太った蝦蟇が這いだしてくるのに出くわします。とはいえ修羅之蝦蟇ではなく、羅刹の時と同じように修羅之蝦蟇の眷属です。
飯縄坊: 驚いて叫びつつも、独鈷杵(*29)を投げつける!
GM: 狙い違わず独鈷杵は蝦蟇を貫き、蝦蟇は今までたっぷりと飲み込んでいた生き血をばらまく。
飯縄坊: 「なァるほど。コイツが血を吸ってやがったンだな」
GM: 屋敷の中から長吉が顔を出し、蝦蟇をみて仰天。
飯縄坊: (もったいつけた口調で)「拙僧は旅の僧、飯縄坊紫電と申します。そちら様の床下に怪しげな蝦蟇がおりましたので、今、退治いたしました」
GM/長吉: 「あ、あああ。ありがたや」と手を合せる。
飯縄坊: お、これはちょうどいい具合に金が♪ 
十兵衛: なら、そこで俺が顔を出す。「ほう、これがオマエの言ってた蝦蟇ってやつか。さすがは高野山の飯縄坊紫電殿。謝礼も取らずにこのようなあやかし退治とは。英傑にして退魔僧だけのことはある、なァ!」(笑)
飯縄坊: くぅぅううっ(涙)「ま、まあ何にしろこれが血を吸っていたのが原因で」
GM/長吉: 「お、おおお。なんといいましょうか、頭の中の霧が晴れたような……。いまなら鰻丼の二、三杯も食えようという気がいたします」
全員: 『いやいやいや』
十兵衛: 「親分さん、この一件まだ終わったわけじゃない」

 老侠客は十兵衛の言葉に、顔を上げる。
 隼の二つ名を持つ男は、厳しい表情のまま。足下の大蝦蟇を見れば、その意は知れた。
「隼の、これは、どういうことなのか、ワシらにはさっぱりわからねえ、手に負えねえ。鬼無の宿はどうなっちまうんだ」
「この飯縄って坊主が言うには、もっと大きな修羅之蝦蟇ってえ化け物が潜んでるって言うことです。あっしらは今から、それを狩りだしやす」
「隼の、すまねえ」
 長吉は頭を下げた。
「ただ事じゃすまねえってことくらい、俺にもわかる。けど、お前さんに頼むしかねえんだ。頼む、鬼無の宿を……」
「親分、顔を上げておくんなさい」


十兵衛: 「世話になったあんたのためです。水くせえことは言わないでくだせえ。なあに、大丈夫ですよ。こちらにはこんなに徳の高いお坊さんもいる」
飯縄坊: 「う、うむ。拙僧に任せておけば大船に乗ったつもりで」
十兵衛: (笑って)「では、あっしはお坊様に助けを頼まれてますんで、参ります」
GM: 老侠客は、心込めて手を合せ。おそらくは彼の人生で初めてと言って良いほどに真摯に、あなたたちの無事を祈るのでした。
十兵衛: 「さあ行くぞ! 飯縄さんよ」と背中をぱーんとはたこう(笑)
飯縄坊: ここはちょっと十兵衛に言うぜ。「あのねえ、このあたりの大親分なんだよ、蔵には金が唸ってンでしょうが。ちょっとくらい出したって功徳ですよ、功徳。そう思うでしょ、ダンナ」
十兵衛: 「お前はよう、そう言って何人から甘い汁吸ってきたんだ?(全員笑)そろそろ、性根を入れ替えてまっとうになったらどうだ。やくざに言われちゃオシマイだぜ(全員爆笑)
GM: では、鬼無の宿へ戻る二人を、昇りかけた月が照らしている。そんな感じでここは終わらせましょう!


ミドル08 蛇が舞えば、蛙はすくむ ――シーンプレイヤー:源八郎

源八郎: 情報が集った時点で蛇を準備するシーンをやりたいんですが、どうでしょう?
GM: お、良いですね! ではそこはシーンプレイヤー源八郎で、他の人も適当に登場していただいてOKです。

 辻の一膳飯屋、そして隣の桶屋は二つの一家が正面からぶつかり合うところにあった。
 相変わらずの木槌の音に、ときおり飯炊きの辰が怒鳴り込み、お律は窓から辻を眺めては溜息をついていた。張り詰める緊張に、そろそろ人々の限界が近づいている。
 そんなときだったのだ。源八郎がやってきたのは。
「ところでゆず。お前さん、縫い物はできるか?」


ゆず: 「そりゃできるけど?」ってこくりとうなずく。
源八郎: 「なるほどな」と蛇の絵を描いて出し。「これは昔俺が会って倒した大蛇なんだがな。その辺の布団の切れっ端とかで構わねえ、縫い合わせてこんな感じのものを作ってもらえねえか。見立てられればそれでいい」
ゆず: 「ふんふん、これを使ってどうするの?」
源八郎: 「蝦蟇とくりゃ蛇だろう、コイツでにらみをきかすのさ」
ゆず: 「なるほど♪」とそこはわかりやすく笑顔になる。「わかったわ!」

 ゆずはお律のもとに行き、「妖怪退治に使うから、布が欲しいの」と告げた。
 「この宿場のいざこざをよ、あんた達で止められるぜ」と、これは源八郎。
 精気を取り戻した長吉が飯縄坊の倒した蝦蟇の話をすれば、宿場の人々は成程と合点して、三々五々と使えそうなものを持って集ってくる。
 どてら、下帯、なかには布団のおもてを剥がしてきた者もいる。
 「ありがてぇなあ」ぼそりと飯縄坊が呟く。
 「ゆずさん、おかみさん達が手伝ってくれるって!」お律が女衆を連れてくれば、ゆずはきりりと顔を引き締めて答えた。
 「絶対に何とかしてあげるわ!」


GM: これは注連縄と言うよりも長崎の蛇踊りや大きめの獅子舞みたいになりますね。
源八郎: で、肝心なのは蛇の頭。これを半次に任せようと思うんだが、どうだろう?
十兵衛: ああ、適任だね。刺青を背負っているし。
ゆず: 「じゃあ、半次さんの方はお願いね、源さん」
源八郎: 「アイツだったら二つ返事だろ」半次のところに行く。

 「なあ、半次」
 「どうなさいました、源八郎さん」
 「月にかかってる雲は、おてんとさんでも風を吹かさなきゃどかせない、そう言ってたな」
 なんだ、そんなことかと半次は軽く笑った。
 「ええ、そんなことも言いましたねえ」
 「お前もその風を吹かせる手伝いをしてみてくれないか?」
 「風を吹かせる手伝い? あっしに何ができるって言うんで」
 「そいつはお前の胸一つ」


源八郎: といって、刺青のある胸を拳で軽く打つ。「お前に、あの蛇をかついで欲しいんだよ。そして、この宿場にかかってる雲を吹き晴らそうってんだ」
GM/半次: 「……」
源八郎: 「お前がこないってんなら、俺たちであの蛇を抱えて、この宿場にかかってる雲を晴らす」
GM/半次: 「……」
源八郎: 「だが、お前に何ができるか、弟分がどういうありさまになってるか。その目で確かめてみて、そして動いてみたっていいんじゃねえか?」と。
GM/半次: 「源八郎さん……、わかりやした。あっしのこの身、どうか使ってやって下さい!」
源八郎: 「良い蛇の舞い、見せてくれよ」とにこりと笑う。
GM: 赤松の半次はここで初めて両肌を脱ぎ、これまでカタギの衆の前には晒さなかった刺青をあらわにします。
その背に背負ったのは一面八臂三眼の夜叉の姿、数多の蛇を絡みつかせ、蓮華を踏みしめ炎を背負う、五大明王が一尊。南方守護、軍荼利夜叉明王の姿!
全員: 『おおー!』

 そして一行はクライマックスへの打ち合わせに入るのであった。
 まず、蛇舞いには蝦蟇が出たら、その周りを取り囲むように出てもらうことにした。戦闘には巻き込まれないようにとそこは念を押す。

GM/お律: 「飯炊きの辰っつぁんが笛を吹けるって。おろくじいさんは桶をひっくり返して太鼓代わり。だからあたしはこれ!」と鍋でお玉を鳴らします。こんな風に宿場の心得ある連中がお囃子をしてくれます。
源八郎: 「良い女だな、惚れた!」
GM: 早いよ!
源八郎: 「ああいう女のために死ぬのも悪くない」

 このシーンに登場しなかった(*30)十兵衛はMPを3点回復し、ゆずもまた自前の若水(*31)と飯縄坊からもらった若水でMPを全回復する。源八郎も飯縄坊から若水を譲り受け、MPを若干回復した。

このシーンのうらがわ
源八郎: ところで大僧正様、大僧正様の若水はまだ余ってます?
飯縄坊: 俺は《大黒天呪》(*32)により常備化ポイントを底上げしてあるのでまだありますよ!。地道な努力の賜物。2本どうぞ。
源八郎: やった! 紫電様のお慈悲をいただいたので若水×2! さーてと

源八郎: 2D6 diceBot : (2D6) → 2[11] → 2

源八郎: 「こ、このインチキ水売りがーッ!」(全員爆笑)
十兵衛: (たしなめるように)いや、冷静になって下さい。天さん。ちゃんと回復してるじゃないですか2ポイント。
飯縄坊: そうですよそうですよ、インチキじゃないですよ(笑)
GM: 単に出目が、ちょっとナニなだけで(笑)
源八郎: こんなの飯喰って寝てるだけでも回復するわー!(爆笑)
ゆず: どうどう(笑)
源八郎: ふ、ふーッ(自分を取り戻す)。と、ところでお坊様。先ほどあのように罵倒しておいてなんですが(飯縄坊:まったくだ!)。HPが1点減ってるんでナニか治す方法はありますでしょうか?
飯縄坊: や、ない。
源八郎: 「このインチキ坊主がーッ」(爆笑)
飯縄坊: (シブイ声で)「拙僧、孔雀王コズム(*33)より参ったので、密教でできるのは火を付けることだけでございます」

GM: クライマックス前に、あと一つだけ。40ポイントのダメージ割り振りを決めておいてくださいね!
源八郎: HPを払うのはやぶさかではない。「しょせん戦場においては誰もが皆死人だ」いくら血を流そうとも構わんよ。
ゆず: 「私もみんなの役に立てるんだったら、血ぐらいいくらでも」
十兵衛: 「ちっとばかり血を流したって、当たらなければどうと言うことはない」
飯縄坊: あれ、なんか三人がシグルってるんで、やらないと駄目な雰囲気になってきたなあ(汗)

 一行は話し合い、結果としていざとなったら《闇夜の糧》(*34)でほぼ代償無しで回復できる源八郎が20点全部を払うことになった。

このシーンのうらがわ
源八郎: 「だからな、皆が1点ずつ残せばいいのだ」
全員: 『へ?』
源八郎: まずは大僧正が15点(しれっと)
飯縄坊: はぁあ?
源八郎: 次に十兵衛が20点払う、これで35点だ。早い!
十兵衛: ……。
源八郎: 「あとは姫が3点……。オオなんということだ!私が払う余地がないではないか(詠嘆)」(全員爆笑)
GM: 『これまで積み上げてきたカッコイイ演出を全部ひっくり返さないでくださいよッ!』
源八郎: いや、別にHP減るのがコワイわけじゃなくてねッ!
ゆず: まあ、私も《不惜身命》35で攻撃を自分に集めることはあるんで、どうせ覚悟状態に入るなら最初は低くてもいいかなーって?
源八郎: (渋く)為朝は思った「娘の身にそのようなことはさせられない」と。しかしゆずの眼に決意が光っているのを見ると悟ったのだ。

『この娘もまた死人(しびと)か』
源八郎: 「大した覚悟だ、ゆず!」
GM: 待て待て待て待てッ!!
飯縄坊: ……いやー。あのさ。為朝が20点払ったら良いんじゃないか。それで40点。
十兵衛GM: 『俺もそう思った』

 しばしの沈黙。
源八郎: ほ、ほう。そこに眼をつけられたか(汗)
GM: HPが代償の特技って《妖身喝破》だけですしね。
飯縄坊: 為朝絞ろうぜ(笑)
源八郎: マ、マスター! この40点ってクライマックスの時払わなきゃダメですか?
GM: へ? どゆことで?
源八郎: いまここで瓶に20点分の血を注いだあと、ちょっとよそに出かけて《闇夜の糧》でちゅうっと回復してですね、ベストでクライマックスに向おうと。
GM: せこいッ(笑)生き血って言いましたから、その場で払ってください。
十兵衛: なんなら同じエンゲージにいる飯縄坊あたりを《闇夜の糧》で血を吸って回復すれば良いんじゃないかな。
GM: あ、なるほど。この特技は戦闘中にも使えましたね! それで良いのか。
源八郎: では、(切り換わって)「大僧正、そんなに怯える必要は無い。この俺が払おうではないか」と誰よりも早く進み出て、躊躇することなく腹をかっさばき、その血を大地に捧げよう。
ああ、なんという勇気、これこそが死人(しびと)。死人の覚悟とはまさにこのようなものであった。
……という流れでいかがでしょう。先ほどまでの私の腑抜けた発言は無かったものにしていただいて。
全員: 『んなわけがあるかーっ!!』

 「大僧正、案ずるな。その血、この俺が払おうではないか」進み出たのは源八郎である。
 もののふは辻の真中へ一歩進み出ると両肌を脱ぎ身体を晒した。見ればその腹には一文字の傷痕がある。
 「一度切るも、二度切るも同じか」何事でもなさそうに弓張源八郎は微笑み、短刀をおのれの腹に突き立てる。そして、一瞬のためらいもなく横にかっ捌く。
 ――見事な覚悟。
 その凄まじき光景を、十兵衛はしっかと見据えた。
 とっさに上げそうになった悲鳴を飲み込み、ゆずもまたもののふの生き様を眼に焼き付ける。
 ――眼を背けちゃ、だめ。
 仰天したのは飯縄坊である。
「お、おい。源の字。もしかしてお前、本当に鎮西八郎、源為朝だったのか!?」


源八郎: 「ようやく信じたか?」と笑う。HP20点減らし、残りは4点。
GM: 溢れ出した血が地面にこぼれ落ちます。が、それはその場に溜まることなく、まるで砂に吸い込まれる水のように、消えてゆきます。
しみ通ってくる源八郎、いや源為朝の血を舐めとると、修羅之蝦蟇はその玄妙な味に身を震わせます。何よりもその血の味は、自分が求める妖異、その力に近い黄泉還りの味がする。
飯縄坊: うむ!
GM: 修羅之蝦蟇は思いました。『ああ、そうだ。この血だ、この血の力があれば。我はより強い妖怪へ、まことの妖異となることができる!』と。
ゆず: なるほど! それもあって天狗と黄泉還りの血なら二倍なんだ!
源八郎: では血を流しながら名乗ろう。

「清和源氏、河内源氏の流れを組む源為義が八男、源為朝鎮西八郎が血、とくと味わえ!」

全員: おおおおっ!
GM: まるで錦絵の一部みたいなシーンですね!
その名乗りに答えるかのように、宿場の真ん中。あの十字路の地面ががっぱと口を開き、そこから小山のような蝦蟇が姿を現しました!
今回最後の宿星です。宿星:修羅之蝦蟇を倒し、鬼無の宿に平和を取り戻す。をどうぞ!

クライマックスフェイズ:修羅を撃ち、世を正せ英傑!  

十兵衛: 「でたか、物の怪」と言うと長脇差を抜く。弓手に長脇差、馬手に酒徳利。そしてぐいと酒を含むと柄に酒飛沫を吹きつける! そして切っ先を突きつけて、言う。「渡世の義理でござんす」と!
飯縄坊: 「へ、妖異になりたいだッて?お前はとっくの昔に立派な妖異だ。それがわからねえってのが、お前が妖異だっていうそもそもの証拠だ。……ちっくしょう、もうこうなったら破れかぶれだ! こうなったらどうあってもお前を折伏してやるぜ! あの時は英傑のダンナが死ぬのを見るだけだったが今回は違う!」
源八郎: 「さすがだなァ、大僧正。やはりおぬしはは墓場や寺よりも戦場にいるときが良い面を見せる」
GM: 黄泉還りの源八郎、かッ捌いたその腹からはたしかに多くの血が流れましたが、今は締めた帯で止められています。
ゆず: 「私の血が欲しかったかも知れないけれど、おあいにく様!」
GM: 一際涼やかなその声に、蝦蟇はぎょろりと目を巡らせる。その目は欲望に赤く燃えている!
ゆず: 「この地を納めるお父様に変わって私たちがお前を討つわ! さあ、みんな!」
GM: すると家々の屋根に、お律をはじめとしてあり合わせの楽器を持った宿場の人々が現れます、そしてそこには布を縫い合わせた大蛇の姿。あり合わせの布を綴ったものとは言え、その眉間にはかつて源八郎が倒した大蛇の鱗が光ります。
ゆず: 「はじめてッ!」
GM: 長い身体はちょうど修羅之蝦蟇を取り巻くよう。そして、祭り囃子に波打つ蛇の頭をもつのは赤松の半次。あたかもそれは背中に背負った軍荼利明王そのものがそこに顕現したかのよう!
源八郎: 「半次、良い男っぷりじゃないか」
GM: さて、宿場の民によるこの蛇踊りを見て、明らかに修羅之蝦蟇は狼狽しています。具体的にはMPが下がり、特技の《高速移動》(*36)を失います。蛇に睨まれた蛙の如く、足がすくんで、動けない!
全員: 『やった!』
GM: そんな修羅之蝦蟇の傍らから、ごぼりごぼごぼと赤黒い血の塊が現れます。これこそは“血飛沫”。この宿場町で流された人々の血が怨念に凝った妖異であり、その表面には傷つき倒れた人々の苦悶の表情が浮かび上がっています。…が、
ゆず: が?
GM: このシナリオのミドルフェイズで、皆さんは博徒達の喧嘩を速やかにおさめ、流血ポイントは0。結果として今回登場する血飛沫は1体のみです!
全員: 『よしッ!』
GM: ちぇー、ある程度数出して自爆させると楽しかったのにー。
十兵衛: ぞっとしねえな(笑)
GM: そして時を同じくして、虎太郎一家の庭先では虎太郎が、口からごぽっと蝦蟇を吐き出し、我に返るのでした。 さあ、戦闘です!
コラム
 今回、クライマックスの戦闘ではGMは戦闘の進行をプレイヤーに任せ、自分はエネミーの管理に専念させてもらった。そうすることで、GMはより効果的にエネミーを運用、演出し戦闘をドラマチックに行なえる。
 特に、オンライン・セッションでは自分の手番でないPLが手持ち無沙汰になることはよくあるので、与えたダメージの管理などを任せてみよう。結果として、セッションの速度を律するGMの判断時間が短くなり、テンポよくセッションを行なえるだろう。
 ルールに不慣れなPLなどがいる場合にはこの限りではないが、それでもそのフォローをGMではなく慣れたPLに任せるなどして、セッション時のGM負担を和らげるのは有益だ。

第一ラウンド・セットアップ・プロセス  

15:隼の十兵衛 :HP21/21:MP13/14:覚悟□
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
13:ゆず :HP22/22:MP22/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / □鎧袖一触
13:血飛沫 :ダメージ0:
11:源八郎 :HP4/25:MP12/20:覚悟□
 □破邪顕正 / □疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ0:
 ??:??:??:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 □一刀両断 / □秋霜烈日 / □秋霜烈日

エンゲージ図01


十兵衛: 切っ先を突きつけたまま、「隼の十兵衛、渡世のけじめ、つけさせてもらいやす」と《仁義を切る》!
ゆず: きたー!!「そう言ったからには先陣を切ってもらいましょう。十兵衛、おゆきなさい!」と私の番は《陣形構築》で十兵衛をエンゲージさせるけど……。問題はどっちにするかよね。
十兵衛: 悩むなぁ。血飛沫か、蝦蟇か。
飯縄坊: ……いや、だがここは、
十兵衛飯縄坊: 『蝦蟇だろうな』

エンゲージ図02


ゆず: そうね、いざとなったら私が血飛沫にエンゲージして動き止めても良い。
GM: 血飛沫はセットアップ無し、次どうぞ!
源八郎: では《妖身喝破》!「我が矢を今生の面目とせい!」(『保元物語』から抜粋)といいながら、弦打ちすれば、たまらず妖異どもが姿を現す!
ゆず: 「源さんかっこいい!」
源八郎: 「惚れたか?」

 修羅之蝦蟇、飯縄坊はともにセットアッププロセスの行動はない。第一ラウンドのイニシアチブプロセスへ入った。

ゆず: では、このイニシアチブプロセスで《天狗変》(*37)、両肌を脱いじゃいます! 背中から翼が広がり、そしてさらにここで《鎧袖一触》(*38)!「ここが正念場よ、みんな!」と一声叫ぶと、天狗の神通力がみんなの身体に行き渡る! 全員このラウンド攻撃属性が〈神〉になってさらに+2d6ダメージね!
源八郎: きた! 究極モテ奥義。
ゆず: さっきのお返し「惚れた?」って言っておく(笑)
源八郎: なら、そっちを見もせずに答えるさ。「とうの昔に惚れておる」ってな。……あれ、俺追ってる女がいたような。まあいいや(笑)
十兵衛: 「やれやれ、ずいぶんと思い切ったな、“ゆず姫”さんよ」とここで初めてちゃんと名前を呼ぼう。「ならば、修羅之蝦蟇の相手はこの十兵衛がつかまつろう」
ゆず: 「あれ、えッ!? う、うん!」と戸惑ったりして。ここで名前呼ばれると恥ずかしくなっちゃう。
飯縄坊: ……ナァ、その演出だと十兵衛死ぬんじゃねえか?
ゆず: しーっ(笑)

第一ラウンド:ゆずのプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP17/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP21/21:MP9/14:覚悟□
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
13:血飛沫 :ダメージ0:
11:源八郎 :HP3/25:MP12/20:覚悟□
 □破邪顕正 / □疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ0:
 ??:??:??:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 □一刀両断 / □秋霜烈日 / □秋霜烈日

ゆず: で、《天狗変》したのでイニシアチブがトップなんですが、私にはやることがない?!
十兵衛: なら血飛沫にエンゲージしてくれ。それで源の字と飯縄が隣接されなくなる。
ゆず: びゅーん、と飛んで血飛沫にエンゲージ!

エンゲージ図03


源八郎: 「ますます惚れるぜ!」もっと惚れるから、そいつ引きつけておいて(笑)
ゆず: でもでも、ミドルの戦闘で煮え湯投げちゃったからホントに何も無いの!
源八郎: む、最大奥義煮え湯が!
飯縄坊: いやいや、どうせ素手だって〈神〉属性になってんだから、当たればダメージ3d6行くから殴っちゃえ。
ゆず: 当たるかも知れないしね! 飛び込みながらライダーキック的に。
十兵衛: そうそう、天狗キック(笑)
ゆず: よーしいっくぞー(笑)

ゆず: 2d6+3 命中判定 diceBot : (2D6+3) → 12[66]+3 → 15

源八郎: クリティカルッ?!
ゆず: やった出た!
GM: えええええええ!
十兵衛: あははははッ!
飯縄坊: でちゃったなあ!
GM: い、いや避ければ良いんですよ! うあ、ド命中……。
十兵衛: アレが噂のゆずキック!
源八郎: これはヒドイ(笑)
飯縄坊: 血飛沫、弱点属性(*39)あります?
GM: 実はあるんです。(《弱点属性I:炎》と《弱点属性I:氷》)ということはさらに+2d6ですね?
ゆず: え、するとゆずキックが6d6? あたしすごくない?
ゆず: 6d6 <神> diceBot : (6D6) → 24[6,3,3,5,2,5] → 24
GM: ま、まだ死にゃあしないけど、えええええ? 天狗ってこういう生き物だっけ?
源八郎: 血まみれのそなたも美しい(笑)一瞬、いくさ人の血が騒いだ。
ゆず: なにいってるのー!
十兵衛: 一から十までまぐれやんか!
ゆず: ゆず本人もびっくりしてるよ!

第一ラウンド:十兵衛のプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP17/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP21/21:MP9/14:覚悟□
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
13:血飛沫 :ダメージ24:
11:源八郎 :HP3/25:MP12/20:覚悟□
 □破邪顕正 / □疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ0:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 □一刀両断 / □秋霜烈日 / □秋霜烈日

十兵衛: マイナーで《立ちはだかる壁》。血飛沫がゆずから凄まじい攻撃受けたので、そちらに行こうとする修羅之蝦蟇。そこを俺が長脇差で押さえ込む。「行かせんと言ったはずですぜ」。で、メジャーは《大斬り》(*40)、達成値19!
GM: 回避12、届きません喰らいました!

 修羅之蝦蟇はまるで達人の槍のような速さでその舌を突き込む。
 だが、十兵衛の踏み込み、切り下ろすという単純なただ一つの動きが、その突き込みをかわし、そして攻撃を加える。まさに一刀が攻防を兼ね備えた一撃である。


十兵衛: これこそが小野派一刀流の奥義、切り落とし。
GM: おおお! さすが、やってる人間の演出はひと味違う!
十兵衛: 飯縄、貰えるか?
飯縄坊: 応、行っとこう。《一刀両断》(*41)を乗せるぞ! 十兵衛が切り落とす瞬間、「た、確かこうだった! オン・マリシエイソワカ!」と摩利支天の加護を祈る。その瞬間、十兵衛の長脇差がビームサーベルになる(一同爆笑)
源八郎: 「アレこそは降魔の利剣! 蘭学で言うところのビームサーベル」(笑)
GM: (まだHPに余裕はある、奥義もある)これは通します、どうぞ! あ、弱点属性がTあるんで+2d6どうぞ
十兵衛: 14d6+13 ダメージロール(《大斬り》) diceBot : (16D6+13) → 47[4,3,2,5,3,2,1,6,6,6,4,3,1,1,1,6]+13 → 67
GM: では、ここで《一蓮托生》(*42)。撃たれた神気そのものは蝦蟇の身体を断ち切ります、しかしその柔軟な肉は十兵衛の一撃、その衝撃を吸い込み、跳ね返す!
十兵衛: 喰らって、吹き飛ぶが、覚悟を決める(*43)! 笠と服はボロボロになり、上半身が剥き出しになる、そしてその背中には般若の刺青がある!「まだまだ、ここからだ」

第一ラウンド:血飛沫の前のイニシアチブプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP17/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
13:血飛沫 :ダメージ24:
11:源八郎 :HP3/25:MP12/20:覚悟□
 □破邪顕正 / □疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ67:
 ■一蓮托生:??:??:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 ■一刀両断 / □秋霜烈日 / □秋霜烈日

源八郎: 待てよ? 修羅之蝦蟇にも血飛沫にも〈神〉属性+2d6できるンんだな。ここが使い時だろう。血飛沫が動く前に《疾風怒濤》(*44)で動いて潰す!《疾風怒濤》!
GM: メインプロセスをどうぞ!
源八郎: まず、マイナーで今のエンゲージを離脱。そしてギリギリとこれまで引き絞ってきた矢を一気に撃ち放つ!破魂弓での《乱れ咲き》、クリティカル確定! 光速に近づいて重力を増した矢が地面を抉りながら飛んでゆく。

エンゲージ図04


飯縄坊: ホントもう何いってんだか(笑)
GM: 2d6+6 回避 diceBot : (2D6+6) → 11[5,6]+6 → 17 く、一足りない、クリティカル避けならず!
源八郎: 6D6+13 〈神〉 重圧 ※《乱れ咲き》による攻撃+《鎧袖一触》 diceBot : (6D6+13) → 20[2,6,3,5,1,3]+13 → 33
飯縄坊: それに重ねる!《秋霜烈日》(*45)! 14
源八郎: ありがたい! 合計47点!
GM: さっき喰らったのが24、足して71? 落ちた。
飯縄坊: 「やったッ!」
源八郎十兵衛: 『よしッ!』
ゆず: 「やったねっ!」
GM: うおー、ゆずキックが予想外すぎる。1回くらいは手番回ってくると思ったのに! ぴったり71でした。
源八郎: 「冥府に戻れ」というと大地にぽっかりと穴が開き、そこから血飛沫が冥府に引きずり込まれてゆく。そして本来の俺のメインプロセス。

第一ラウンド:源八郎のプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP17/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
11:源八郎 :HP3/25:MP10/20:覚悟□
 □破邪顕正 / ■疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ67:
 ■一蓮托生:??:??:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / □秋霜烈日

エンゲージ図05


源八郎: 立て続けに行く、修羅之蝦蟇に《撃滅者》(*46)で《乱れ咲き》
源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 11[6,5]+6 → 17 11でクリティカル!
GM: く、それに対しては《妙計奇策》(*47)!ファンブルになれ。蝦蟇のいぼから毒汁がでて源八郎の眼を狙う!
ゆず: これを止めるかですねえ……(悩)
源八郎: 俺の《破邪顕正》(*48)を使うか、否か。
十兵衛: 《天佑神助》(*49)《千変万化》(*50)があるから、1回消すのはアリ。
飯縄坊: 消しておこう、《鎧袖一触》が残っているうちにダメージ入れておきたい。
源八郎: では、《破邪顕正》! 《妙計奇策》を止める。
GM: ここは……、その《破邪顕正》に《破邪顕正》。口から吐く瘴気が源八郎の動きを鈍くする!
飯縄坊: もう一発は厳しいな!
源八郎: そうだな、ここで俺が《千変万化》を使うとあとで対応しきれない可能性がある。
ゆず: うん、それは重いよ。
飯縄坊: 奥義二枚使わせたんで、よしとしよう!
十兵衛: それにヤツに《妙計奇策》使わせたから、俺の《剣禅一如》(*51)が使いやすくなった。
源八郎: かつ、向こうが今《妙計奇策》使ったから、俺の《千変万化》でコピーできるようにもなったんで、ありがたい。「さすが蝦蟇よ! 我が矢を落とすか!」

第一ラウンド:修羅之蝦蟇のプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP17/22:覚悟□
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / □金城鉄壁
11:源八郎 :HP3/25:MP6/20:覚悟□
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ67:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正:
8:紫電 :HP16/16:MP21/21:覚悟□
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / □秋霜烈日

GM: では修羅之蝦蟇のプロセス! 奴は思い出した、あの時、あの宿場町で起きた惨劇を、あの時の戦いの様子を! マイナー・アクションで《妖力増大》(*52)を使用してダメージを増やします、次に奥義《広大無辺》(*53)で攻撃をPC全員に!
ゆず: 撃ってきたか、耐えどころね!
GM: 修羅之蝦蟇がぎょろりと眼を巡らせ、瘴気をさらに漂わせます。すると鬼無の宿全体が、柵や櫓で強化された必殺の迷路と化します。
これこそが映画『十三人の刺客』で舞台となった、あの宿場町!
修羅之蝦蟇の記憶にある侍たちが敵味方の区別なく、手に手に武器を持った姿で櫓の上、矢狭間から姿を現します。ここで使うは《妖術:雷》。侍達が稲妻の矢や弾を雨霰と降らせます!
源八郎: 「そうか、これがお前が妖怪になったきっかけか!」
ゆず: 《広大無辺》打ち消さなくてもいいよね?
十兵衛: ああ、これを打ち消す手は無い。ここは喰らおう。
GM: 《妖術:雷》の目標は隼の十兵衛、それを《広大無辺》します。命中判定!達成値は19! で、これを《剣禅一如》で全員にクリティカル!
ゆず: さて。これをみんなで喰らって覚悟状態になり、すでに覚悟の十兵衛だけは《起死回生》(*54)で戻すか。それとも私が《不惜身命》で一人だけ喰らい、覚悟状態になるか。
十兵衛: 俺は《剣禅一如》で避けられるぜ。
ゆず: うーん、《剣禅一如》の使いどころはそこかなあ。《不惜身命》も全員が覚悟になってから、それを保つために使うべきかも。
源八郎: うむ、《剣禅一如》は攻撃のために取って置いた方が良いだろう。
十兵衛: あとはこれをみんなが喰らって、俺は《金城鉄壁》(*55)で耐える。
全員: 『それだ!』
GM: 了解、全員喰らうんですね!
源八郎: 死人は回避しない!
十兵衛: 「く、この隼の眼をもってしても見切れぬとは!」
飯縄坊: あひい! 遮蔽物が! うわあ!(爆発)
GM: 8d6で〈雷〉23、これに《秋霜烈日》を乗せます。4d6で11、くっ。計34〈神〉!
飯縄坊: これは吹き飛ぶ。覚悟だ
ゆず: 食らって覚悟!
源八郎: 覚悟状態!
十兵衛: 俺は《金城鉄壁》、その雷霆を長脇差で切裂く!
GM: おお!
源八郎: 雷斬りか!
GM: 周囲全方向から打ち出される雷の矢、弾、それらをすべて十兵衛は落としてゆく!
十兵衛: 気合一閃、一刀流の“切り落とし”はついに雷霆すらも切り裂くまでに研ぎ澄まされた!
源八郎: 「大した剣閃よ、おもしろい!」

第一ラウンド:飯縄坊のプロセス

18:ゆず :HP16/22:MP17/22:覚悟■
 □天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / ■金城鉄壁
11:源八郎 :HP16/25:MP6/20:覚悟■
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ67:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正
 ■広大無辺:■剣禅一如:■秋霜烈日
8:紫電 :HP10/16:MP21/21:覚悟■
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / □秋霜烈日

飯縄坊: よし、俺の番だ。全身黒こげになりながらも立ち上がる。「畜生、逃げてえ、逃げてえよぉ……」

「でもよ、俺は見ちまったんだ。アイツの巣穴でよぉ。子供の骨をよお! アイツは、子供を食ってやがったンだ。
「逃げるわけにはいかねえよなァ。だってよォ。あのとき、旅の坊さんに運良く拾われなかったら、ああなってたのは俺だったかもしれねえんだ!」


十兵衛: 「こいつは、俺だ!」か……。
飯縄坊: マイナー・アクションで《九字印》(*56)!「臨、兵、闘、者、皆、陣、列、在、前!」そしてメジャーは《不動明王火炎呪》(*57)!ナウマクサマンダ バサラダンカン!

飯縄坊: 2d6+8 不動明王火炎呪 diceBot : (2D6+8) → 11[5,6]+8 → 19 っとこれはクリティカル!
GM: ぬぅ回避クリティカルしません、ダメージをどうぞ!
飯縄坊: そしてこれに《秋霜烈日》!
ゆず: いっけーっ!
飯縄坊: 対妖異なので《不動明王火炎呪》が5d6、クリティカルで+1d6、《九字印》で+1d6、ここに《嵐の心》で+1d6、《鎧袖一触》で+2d6、弱点属性で+2d6、《秋霜烈日》で+4d6、計16d6! 結んだ印から炎が吹き出す!


GM: うお! そこまで行くのかッ!
飯縄坊: 16d6 神 diceBot : (16D6) → 61[6,2,2,4,1,2,6,6,3,3,2,2,6,6,5,5] → 61


源八郎: 61点か!
GM: これは《千変万化》で十兵衛が使った《金城鉄壁》をコピー。その一撃を耐えます!
修羅之蝦蟇は自分の身体組織を変え、十兵衛のあの雷を斬る身のこなしの一部をも真似てみせる!
ゆず: これは消しておきたい!
源八郎: 落とすか!《千変万化》で《破邪顕正》を使うか?
ゆず: それなら、《千変万化》よりも《天佑神助》の方が使い道少ないから、こっちを使おうと思うの!
十兵衛: 確かに!
飯縄坊: 「うおおお、オレの炎じゃだめなのか・・・ニセモノじゃだめなのか・・・」
ゆず: 「お坊様あきらめないで! 源さん!もう一度さっきの破邪の技を!」《天佑神助》!
源八郎: 「承知!」と蝦蟇へと押し寄せる炎の先に無数の矢を放ち、修羅之蝦蟇の守りを打ち崩す!《破邪顕正》!
GM: うおおお、それは止められない! 炎に飲まれて悲鳴を上げるッ!累計130!
飯縄坊: 「やったか!」
GM: いや、まだ立ってます! 次のラウンドか?!
ゆず: 「みんな、まだよ!」って、どうする? 次のラウンドになっても《不惜身命》と《起死回生》が残っているから、そうそう死ぬってことはあり得ないと思うの。
飯縄坊: だが、《鎧袖一触》が残ってる今こそ、《千変万化》で《疾風怒濤》をコピーしてうちに一気に行くってのもアリだ。
ゆず: そうだ!! ここで《千変万化》使わずに、第二ラウンドの頭で《鎧袖一触》をコピーすれば……。
全員: 『それだ!』
飯縄坊: さすが渋沢先生!
源八郎: キャーステキ!
ゆず: うむ、くるしゅうない(笑)


第二ラウンド

18:ゆず :HP16/22:MP17/22:覚悟■
 ■天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / ■金城鉄壁
11:源八郎 :HP16/25:MP6/20:覚悟■
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / □千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ128:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正
 ■広大無辺:■剣禅一如:■秋霜烈日
 ■千変万化:
8:紫電 :HP10/16:MP21/21:覚悟■
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / ■秋霜烈日


第二ラウンド:ゆずのプロセス

源八郎: なら、ゆずのイニシアチブプロセスで《千変万化》で《鎧袖一触》をコピーする!
飯縄坊: それこそ、宿場の皆がやっている蛇踊りの力がわいてきたんだよ!
ゆず: 1ラウンドの間踊ってたのが、やっと効果が出てきたんですね!
GM: うわあ、それは格好いい!
源八郎: 「ふ、これが八幡大菩薩の加護といったところか!全員に《鎧袖一触》!」……これでまたゆずが、ゆずパンチやゆずキックで戦える(笑)
飯縄坊: それだ!
十兵衛: 同エンゲージなら、いざという時は俺がかばえる。
飯縄坊: ゆず先生、幻の左ストレートを!
ゆず: じゃあ、調子乗って行っちゃおう! マイナー・アクションで移動してパンチ! これでまたクリティカルしたら爆笑だけどね〜。そううまくは行かないなぁ。達成値11

エンゲージ図06


GM: そうそう、喰らってたまるかよ、です。回避しますね。

GM: 2d6+6 回避 diceBot : (2D6+6) → 2[1,1]+6 → 8

源八郎: ファンブったぁぁぁ!
GM: うそおおおおお!
十兵衛: 渋沢さん、今日何かがついてる(笑)
GM: えええええ、あれええええ!?
飯縄坊: キックだ! 目を狙え!
十兵衛: なあ、クリティカルしてないだけで、これ5d6のダメージだぜ(笑)
ゆず: わー、気分いいなあ!
GM: そりゃそうだろうよおぉぉぉ(涙)
ゆず: あ、でもダメージは低いです<神>10点。
GM: あーよかった。(累計138)危うくGMの心が折れるところだった。
十兵衛: 「なぜ前に出てきた!」と言う!(全員爆笑)
飯縄坊: そういえばホントそうだよな!
ゆず: えっ、その、なぜって言われてもすごく困るんだけどどうしよう(笑)。言われて初めて気が付いた!
GM: おいィっ!
ゆず: 「迷惑かしら」って尋ねるけど?

「ああ、だいぶ迷惑ですねえ」そう、十兵衛は告げた。
「あっしは、誰とも関わりたくないのに、こんなに近くにいられちゃあ、守らなきゃならねえ」
 そして男はまた、一歩前へと踏み出す。


第二ラウンド:十兵衛のプロセス

18:ゆず :HP16/22:MP17/22:覚悟■
 ■天佑神助 / □不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 □起死回生 / □剣禅一如 / ■金城鉄壁
11:源八郎 :HP16/25:MP6/20:覚悟■
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / ■千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ138:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正
 ■広大無辺:■剣禅一如:■秋霜烈日
 ■千変万化:
8:紫電 :HP10/16:MP21/21:覚悟■
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / ■秋霜烈日

十兵衛: 《大斬り》達成値15。これは辛いか?
ゆず: 《名将の指揮》! 「そこじゃないわ、十兵衛!」
十兵衛: 「かたじけない」じゃなくって「すまねえ!」
十兵衛: 2d6+11 命中判定 《大斬り》 diceBot : (2D6+11) → 11[5,6]+11 → 22、青龍じゃないから6ゾロじゃないとクリティカルはなしか! けど達成値22!
GM: 避けられません!
十兵衛: 31点の〈神〉属性!
GM: (累計169)まだ! まだ立ってる!
飯縄坊: 「源さん! 頼む!」

第二ラウンド:《疾風怒涛》による修羅之蝦蟇のプロセス

GM: これは手番廻ってこないかも知れない! この源八郎のイニシアチブプロセスで修羅之蝦蟇は《疾風怒濤》を使います!
源八郎: それは止められない!
GM: 先ほどと同じ攻撃をします。再び《広大無辺》で全員を攻撃し、そして《妖力増大》を重ねてダメージ増やす! 当たれば9d6!《疾風怒涛》なので命中はクリティカル!
源八郎: く、出目5、6!惜しい!
飯縄坊: ダメだ!
ゆず: こちらも!
十兵衛: いかん……ッ!
ゆず: 《不惜身命》!その攻撃、全部私が受けます!雷ならば風に親しい天狗が操れるはず! 全部を集めてみんなを守る!「させない!」
GM: 出目が低いと殺しきれない。ならば最後の《秋霜烈日》を乗せる!
GM: 9d6+4d6 diceBot : (9D6+4D6) → 16[2,1,4,2,2,1,2,1,1]+19[6,4,5,4] → 35 うおお、低いッ! 《秋霜烈日》使ってなかったらやばかった?
ゆず: 雷を受けてぼろぼろになり、そのまま倒れようとする……。
十兵衛: いや、だがその一瞬前。俺の長脇差が避雷針となり、そして雷を大地へと切り伏せる。《起死回生》を使うぜ。
GM: おお!
十兵衛: そして、抱えたゆずの傷口に焼酎を振りかける「応急処置だが」まあ、なぜかこれでゆずのHPとMPが全開になるわけだ(笑)
ゆず: 死んだと思った、その瞬間に助けられたんでびっくり!「あ、ありがとう」って言いながら少し赤くなってます。
十兵衛: 顔を背けながら、「だから言ったろう、面倒なことになるってな」
GM: 目の前でなにか良いシーンになってるけど、俺はまだHP0じゃないからな、と恨めしそうな顔で修羅之蝦蟇が見ている。
十兵衛: 「へ、そろそろお前も年貢の納め時だぜ、修羅之蝦蟇よ。なあ! そうだろ、源の字!」

第二ラウンド:源八郎のプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP22/22:覚悟■
 ■天佑神助 / ■不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 ■起死回生 / ■剣禅一如 / ■金城鉄壁
11:源八郎 :HP16/25:MP6/20:覚悟■
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / ■千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ169:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正
 ■広大無辺:■剣禅一如:■秋霜烈日
 ■千変万化:■疾風怒濤:■広大無辺
 ■秋霜烈日
8:紫電 :HP10/16:MP21/21:覚悟■
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / ■秋霜烈日

源八郎: 「若い二人の邪魔はするなよ!」と破魂弓を放つ!《乱れ咲き》だ!

源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 4[1,3]+6 → 10

源八郎: うむ、これはひどい。
飯縄坊: ちょ、ちょお!!
源八郎: 落ちつけ。まず、自分で《天を砕く者》を使用する。「えい、この! 役立たず」と弓を折って、二本目を引きずり出して撃つ。
全員: 『折るなよ!』

源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 5[2,3]+6 → 11

源八郎: うおおおおおおおーっ!(全員爆笑)
飯縄坊: ちょ、ちょっとッ!!
ゆず: 「戦いが続いて源さんも疲れているらしい」と察して、天狗の念力を送ります。もう一発振り直してください!《天賦の貫禄》
源八郎: この破魂弓は先ほど血飛沫が飲み込まれた大穴に投げ込む(笑)で、いとしいしとーとかいいながらゴクリがおっこっていく。よし、気を取り直して征く!

源八郎: 2D6+6 破魂弓 diceBot : (2D6+6) → 2[1,1]+6 → 8

源八郎: なんじゃこりゃあああああッ!!!

 数分間、爆笑によってセッション中断。

ゆず: (悶絶中)
十兵衛: も、もう、これは(笑)
GM: (モニタの前で転がっている)
飯縄坊: ……他に何か、あります?
ゆず: (息を整えて)もう《名将の指揮》は使ってるし、今《天賦の貫禄》も使っちゃった。
源八郎: 弦を構成している平家の怨霊が「なんで俺たち源家のために働かなきゃいけないんだ」と我に返ったに違いない。
十兵衛: さ、最悪次に俺が《剣禅一如》で何とかします。
源八郎: 破魂弓を弔っておこう(爆笑)
飯縄坊: 弔ってる場合じゃないでしょう!

第二ラウンド:修羅之蝦蟇のプロセス

GM: じゃ、じゃあ。修羅之蝦蟇が行きますが。
ゆず: これ、もしかしたら誰か死んじゃう!
GM: ただ、こちらも《広大無辺》が切れたんで、単体攻撃なんですよね。で、ここまで目の前で邪魔している以上、ヘイトは十兵衛。行きます!「お前が俺の前にいなければ!」《妖術:雷》で
GM: 2d6+10 命中 diceBot : (2D6+10) → 12[6,6]+10 → 22 クリティカルした!
全員: 『……』。
十兵衛: ま、まあまあまあ(笑)
飯縄坊: まあ、な。抗魔判定でクリティカル出れば……。
十兵衛: 2d6+7 抗魔判定(《仁義を切る》有効) diceBot : (2D6+7) → 8[5,3]+7 → 15
全員: 『…………』
十兵衛: 《剣禅一如》で、回避。「バカの一つ覚えがっ!」と雷を斬る
全員: 『ですよねー』
GM: ……今日は出目が大荒れだなあ。で、では飯縄坊、お願いします。

第二ラウンド:飯縄坊のプロセス

18:ゆず :HP22/22:MP22/22:覚悟■
 ■天佑神助 / ■不惜身命 / ■鎧袖一触
15:隼の十兵衛 :HP12/21:MP4/14:覚悟■
 ■起死回生 / ■剣禅一如 / ■金城鉄壁
11:源八郎 :HP16/25:MP6/20:覚悟■
 ■破邪顕正 / ■疾風怒濤 / ■千変万化
9:修羅之蝦蟇 :ダメージ169:
 ■一蓮托生:■妙計奇策:■破邪顕正
 ■広大無辺:■剣禅一如:■秋霜烈日
 ■千変万化:■疾風怒濤:■広大無辺
 ■秋霜烈日
8:紫電 :HP10/16:MP21/21:覚悟■
 ■一刀両断 / ■秋霜烈日 / ■秋霜烈日

十兵衛: お前までファンブったら、もう泣くに泣かれへんからな(笑)
飯縄坊: では再び《九字印》を切る。で、もしかしたらとどめになるからここはちょっと良いことを言おう。ゆずに向ってです。
ゆず: はい!
飯縄坊: 「俺は今まで神仏を信じたことはなかった」
全員: 『……』
飯縄坊: 「だが、アンタが俺の前に現れてわかった。アンタが俺の守り本尊、飯縄権現の化身に違いねえ」
GM: あ、確かに!飯縄坊、そもそも飯縄権現のお守り持ってる!
飯縄坊: それに、飯縄権現っていえば天狗が眷属、そして戦いを勝利に導く神様!
ゆず: おおー。
飯縄坊: 「アンタはその飯縄様のお使いだ、俺もちっとくらい、たまにはまっとうなことをしてえ、そう思ってる」
ゆず: 「じゃあ! 私にカッコ良いところを見せてちょうだい!」
飯縄坊: 「おお!」

飯縄坊: 2d6+8 不動明王火炎呪 diceBot : (2D6+8) → 12[6,6]+8 → 20

飯縄坊: ……クリティカルした!!
GM: (大爆笑)来た、ナチュラルに玄武の力が炸裂してる!
ゆず: すごい!
十兵衛: すげえっ!
GM: も、もちろんこっちには奥義なんて残ってないですよ!
源八郎: これはすごい……。
飯縄坊: ちょっと今度飯綱権現にお参りしてくる
十兵衛: ま、まて。これでGMがクリティカルしたら、泣くに泣けんわけだが。

GM: 2d6+6 回避 diceBot : (2D6+6) → 11[6,5]+6 → 17

源八郎: あッぶねーッ!
GM: 避けきれなかったッ!
飯縄坊: 12d6 神 diceBot : (12D6) → 41[6,5,5,5,2,1,1,4,2,3,4,3] → 41
飯縄坊: 「燃え尽きろッ!」
GM: 不動明王の火炎が修羅之蝦蟇の身体を灼き、肉片がぼろぼろと落ちてゆきます。
全員: 『燃え尽きろーッ!』

 修羅之蝦蟇は炎の中から、英傑達の姿を眺めた。これらを喰らえば、喰らい尽くせば自分も……。
「ツ、ツヨイ、ヨウイニ……」
 舌を伸ばす、指を伸ばす、身体を起こして近づこうとする。
 だが、届かなかった。
 脂汗を流す退魔僧、その印が生む炎がすべてを阻む。
 そして、白い翼が空に舞った。
 ああ、届かないのだ。自分にはもう、永劫に。
 そして、修羅之蝦蟇は焼け崩れた。


GM: 修羅之蝦蟇が倒れ、崩れ落ちるのを見て、先ほどまでお囃子を奏でていた宿場の人々、お律、辰、おろく、そして半次は半ば呆然としています。
目の前のことを見ても何が起こったか、わからないような、信じられないような表情です。「終わったんだろうか」とね。
ゆず: では、呆然としているみんなに向って振返り、「終わりよ! これで《一件落着》だわ!」と言います。マスター、荒れた宿場を直して、ちゃんと反物市が開けるように《一件落着》(*58)をつかいます!
GM: では「心得ました」と、爺が早速手配することに。あとは時間が解決してくれるでしょう。そしてもう一つ。舞いを終えた半次のところに、憑き物の落ちた顔の虎太郎がやってきます。

 男二人はしばらく何も言わずに向き合っていた。
 男は、弟分の眼にかつての素直な心意気と、そして犯した過ちへの悔いを見た。
 男は、兄と慕った男が、最後までこの宿場を守ろうとし、それを成し遂げたことを見た。
「すまねえ……。兄貴、すまねえ」
 膝を折り、うなだれて。ただ、それだけを繰り返す虎太郎。その肩に半次は手をかけて言った。
「虎太郎さん、あっしはね。長吉親分に連れられてあんたが来たときからずっと、弟ができたようで嬉しかったんですよ」


GM: というわけで、おそらく虎太郎が半次の弟分ということでこちらもまたまとまるでしょう。
源八郎: 俺はそう言うところに残る性分じゃない。だからこのあたりで旅立つことにする。
十兵衛: 俺も切れっ端になっちまった道中合羽を羽織って、旅立とう。
GM: なら、エンディングと行きましょうか!


エンディング  

 抜けるように晴れた、関東の冬の青空であった。
 まだ朝夕は冷え込むが、いまは風もなく小春日和。
 旅立ちには、良い頃合いだった。


ゆず: 「わー、綺麗に晴れたわね!」
源八郎: 「良い風が吹いたからな」
十兵衛: 「まったくで。あれだけ濃かった血の臭いが、まるで嘘のようでさあ」
源八郎: 「数百年過ぎても、お天道様は変わらんなあ」と空を見上げる。
飯縄坊: 俺はいつになく真面目に考え込んでいる。
ゆず: 「どうしたの?」
飯縄坊: すると「いや、これもまた御仏の導きで」と言って誤魔化したり。
十兵衛: 「やれやれ、少しは変わったかと思ったが。やはり飯縄は飯縄のママか」
飯縄坊: 「うるせえ! お釈迦様だって悟るのに一生かかったんだぞ。そんな簡単に悟って変れてたまるか!」
十兵衛: 「へ、自分をお釈迦様と一緒にしてやがる。コイツはもう救いようがねえな」と軽く笑う。
ゆず: 「なにいってんの! 最後カッコ良かったじゃない!」とフォロー。
GM: 良い雰囲気ですねえ。ホント時代劇みたいだ。
源八郎: 「そういや、十。お前、いろんなところ廻ってるんだってな」と描いて貰ったあの女の似姿を見せて尋ねよう。冥界から蘇ってくるときのあの娘。
十兵衛: 「どれ? あまり見ないかっこうのようで」
ゆず: 横からのぞき込んだりしても良い?(源八郎:もちろん)「これは、どなた?」
源八郎: 「俺が心底惚れた女よ」と、さきほどゆずに向って“惚れた”といった舌の根も乾かぬうちに言う(笑)
ゆず: あははは!
十兵衛: 「見たところ、唐、琉球のようだが」
源八郎: 「琉球?それは?」
ゆず: 「ずっと南のほうよ!」
十兵衛: 「九州よりもずっと南」
源八郎: 「ほう、そうか。この女を捜していてな。故国のことを知っても今すぐにはどうにもならぬが、手がかりになる」

 「琉球か。良いことを聞いた」
 男はそう言って、南の空の下、遙か彼方に思いを馳せる。
 「琉球に行くなら西国にいって船に乗るがいいでしょう。ここ、上州は山の中ですぜ」
 「ありがたい、東国は不案内でな」
 「西に行けば、港もある。伊豆は下田、さらには堺」
 「ふゥむ。そういうことならもう少し、この天下を廻ってみるとするか」
 ――清盛殿も、来ていると聞くしな。


全員: 『あー』
GM: どっかでからませたいですけど、閻羅王か……。
飯縄坊: それは後でまた考えましょう。
源八郎: で、だ。あともう一つばかり十兵衛には用事があるんだが。
十兵衛: そうでしたね。

 二人の男の間、すぅ、と風が吹く。
 いつの間にやら、男二人の間には一足一刀の間合いが開いていた。


ゆず: 「え、ちょっと、ちょっとちょっと! 何するの?」
源八郎: 「約束通り、蝦蟇退治は終わったがどうするね? 改めて喧嘩を邪魔するヤツはいねえ」
十兵衛: 「まったくで」とにやりと笑う。「もともと理由などあってないような喧嘩でやんした。だとしたら、ケリくらいはつけておくべきでしょうか」
ゆず: 「あ、あれ?」

「そうだなあ」
 もののふは、ゆったり足を開いて構える
 渡世人は無言、しかし張り詰めた気配は、彼もまた闘争の喜悦を待つかのように。
「ちょっ、ちょっとってば!」おろおろと天狗姫が間に入ろうかと言うそのとき、


源八郎: と、そこに風に吹かれて花びらが一枚、男達の前を通り過ぎてゆく。「……花を見ながら喧嘩というよりは、酒といきたいところだな」と手をぱっ、と開く。
十兵衛: こちらも鯉口にかけていた手をおろすと、長脇差を帯から外し、右手に提げる。

このシーンのうらがわ
十兵衛: つまりこれは、戦意がないってことを示す仕草ね。
ゆず: 確か昔は目上の人のところに行くときは、左に刀を置かないんですよね。右手で刀が抜けないようにって。
十兵衛: 本来、やくざはそんなことはしない。
GM: 武士の作法ですからね。

源八郎: 俺はいわゆる武士道が成立する前の人間なんだが、その意味も敬意を払われていることもわかる。ここはこう尋ねることにしよう。

 七百年前の侍は尋ねた。
「この時代の侍というのはみんな、お前のような連中ばかりか?」
 武士を捨てた男は、微かに笑みを浮かべ、答えた。
「よしてください。私は流れの渡世人。侍なんて大したものじゃありませんよ」
「どのいくさ場でみた男よりもお前の方が侍らしかった」


十兵衛: それに、と「あたしが侍の魂を持ってるってんなら」とちらりと飯縄を、飯縄に気付かれないように見て!「他にも似たようなヤツは幾人もいます、そういうのが英傑ってヤツなんでやしょう」
源八郎: 「英傑か……、おもしろいな」
飯縄坊: じゃあ「へ、ダンナ何か呼びました」と(笑)
十兵衛: 「呼んでねエよ、生臭坊主ッ!」(笑)

「俺の名は、源為朝」
 もののふは名乗った。
「鎮西八郎為朝、それが俺の名だ」
「名乗る名など、もう捨てました。十兵衛、隼の十兵衛で結構で」


源八郎: 「また、お前らとどこかで出会えるかな?」
十兵衛: 「どうも、そんな気がしやすねえ」
ゆず: じゃあ、そこにひょいと出てきて、「そうね♪」って答えます。
GM: あれ、飯縄坊は?
飯縄坊: いや、ちょっとね。あとで演出しよう。
十兵衛: たぶん、『三匹が斬る』のエンディングのようにみんなそれぞれに歩いていくシーンが映ってエンディングじゃないかな。
GM: なるほど、となればこんな感じですかね!

 ゆずの《一件落着》に加えて、仲直りして手を携えた半次と虎太郎によって、鬼無の宿の再建は進んでいる。長吉はようやく悠々と隠居を決め込み、あの十手持ちの番作は叩き出された。
 確かに何もかもが元通りとは行かないまでも、宿場は元の活気を取り戻しつつある。
 一膳飯屋のお律と辰は毎日忙しく、しいて問題をと言うなら桶屋のおろく爺さんが早桶を作りすぎたくらい。
 鬼無の宿のほとんどは、英傑達の名を知らぬままだったが、彼らがこの地を救ってくれたことは覚えていた。そして、自分たちが英傑達の手助けをしたと言うことも。

 だから、彼らは一つだけ英傑たちのいた証を残した。
 これ以降、鬼無の宿では節分の頃に、蛇をかたどった頭にながい胴をつけた「蛇舞い」が催されるようになったという。
 この町を助けてくれた、英傑達のことを忘れないようにと。

エンディングロール
 GMからのお願い。
 これから最後まで、皆様どうかお好きな時代劇のEDテーマを流しながらご覧ください。
 「三匹が斬る」、「木枯らし紋次郎」などがお勧めです。

十兵衛: 「では俺は、今度は東に流れてみるか」
源八郎: 「蝦夷か」
十兵衛: 「じゃあな!」そう言って俺は、道中合羽に三度笠、腰に長脇差、股引姿でぐいぐいと歩いて行こう。

 男は歩く。足早に、歩く。
 ひゅうひゅうと、空っ風が吹く。
 青空の下、街道をぐいぐいと、歩いて行く。

 男に何を感じたか――すれ違うものがふと振り返る。
 前にどこかでみかけたような――
 そして、思いおこしてみる。

 ぼろぼろの三度笠、ほつれた道中合羽。
 口に一本、五寸ばかりの楊枝をくわえている。

 だが、
 ――気の迷い、思い違い。
 そうだ、旅烏の一人や二人、厭と言うほど見てきたではないか。
 それに、あの男は、笑みなど浮かべていなかったではないか。
 埃にまみれ、険しい顔のままで道を歩いていたではないか。

 今の男は、違う。
 旅人はそう思い、再び己の旅路を急ぐ。
 ――笑って、いたものな。

 男は歩く。足早に、歩く。
 風が吹き抜ける。
 己が笑みを浮かべていることに、男はまだ気付いていない。
 男はそうして、歩き続ける。

    隼の十兵衛 プレイヤー:加納正顕


ゆず: あたしはそのまま空に舞い上がって。帰るかな。
十兵衛: むしろ、お城に帰って御家老とかにガミガミ叱られてる。
ゆず: あー、それかー(笑)

 しゃらん、と。
 銀簪の飾りが鳴った。
 風が舞い、天狗姫は降り立った。

 関東赤井藩、お城の天守閣。
 人目を忍んで戻るには、少しばかり大胆に過ぎるところ。とはいえ、風に乗る天狗姫にとって、そこは縁側と変わりない。
「んー、楽しかった!」
 旅塵を払って、ゆずは笑う。
 そこに。
「姫様」
 と、声がかかった。
 おお、なんということ。異形の妖異に立ち向かったあの英傑、あのゆず姫が、びくりと怯えて立ちすくむ。
『此度は、ずいぶんと羽を伸ばされたようで』
 待ち構えていたのは、いずれも謹厳実直を絵姿にしたような、家老と腰元頭。
「ちちち、千登勢。三太夫?」
『お帰りをお待ち申しておりました』
 とっさに"忠実なる右腕"の姿を探すが、あにはからんや。爺は素知らぬ顔で天守の屋根の上に居た。
 そう、これもまた忠義の一つの形。
『今日という今日は、お逃がし申し上げませぬぞ』
 お目付二人が揃えて口を開く、小言の濁流がゆずを飲み込んで行く。
「う、うわーん!」
 天狗姫のゆず、翼を持つといえども、教育係の小言からは逃れられぬのであった。

    ゆず プレイヤー:渋沢佳奈


源八郎: 源八郎はたぶん、道々で小粋な姉ちゃんをみたら、にやりと笑ってそちらについて行ったりする。
GM: え、西や南へは?
源八郎: それはそれ、これはこれ(笑)

 潮騒が、聞こえる。
 海原だった。

 足下で船が波に軋み、郎等達が小気味よく動く。
 風は追い風。船は滑るように波を蹴立てて進む。
 ――西海、九州か。それとも、大島への海か。
 頬に潮風を受ける、旅立ちの忘れ得ぬ昂ぶりが胸の奥でうねる。
 そして傍らに感じるぬくもり。
 そこにいるのは、たおやかで、凛として、溌剌とした、娘。
 己の命を投げ出すにふさわしい、娘。
 為朝は、笑った。
 朗らかに、潮風に負けぬほどに大きく、笑った。
 郎党が、傍らの娘が、応えるように笑った。
 為朝の船は、滑るように波間を走っていた。
 どこまでも行けるようだった。
 どこまでも行けたのだった。

 そうして、目が覚めた。

 やはり潮騒が、聞こえた。
 一面の蒼の中、光が煌めいていた。

 海の青に見まごう、空の蒼。
 渡る風が、草原をざわめかせ、光が草の先に散らばっていた。
 為朝は、草枕から身を起こし、大きく背を伸ばした。

 風が吹く。
 空は青い。

 足りないのは……、
「娘か」
 英傑は笑って、
 また、歩き始めた。

    弓張源八郎 プレイヤー:田中天


飯縄坊: 「ふぅ、ようやっとあいつらと縁が切れた」
GM: 晴れ晴れしてますね! で、どうします?
飯縄坊: そりゃあ、もう。

「はいはい、そこゆく旦那様、ご婦人、おぼっちゃん! まずは聞いて行きなさい!」
 宿場の辻、墨染衣にぼろ袈裟姿で口上述べる男が一人。
「ここに取り出しました石。そんじょそこらの石とはわけが違う。上は弁慶義経、近くは清正公、数多英雄はあれども名高きは鎮西八郎源為朝! 
 ご存じの通り、今の世の中荒れ放題。この様子を見あぐねて、為朝様が天よりお下り遊ばされた。その為朝様が腰掛けたのがこの石!
 霊験あらたか、ききめはすみやか。
 黙って座れば万病が治る!」
 取り巻く有象無象はほとんどが冷やかし。時折ヤジが飛ぶが、この坊主意外と弁が立ち、野次ったヤツから聞き入ってしまう。
「なるほど、旅の空でこの石を持って帰るってわけには行かないでしょう。ですがこれならどうだ!」
 と、取り出しのは、見るからに曰くありげな矢尻に矢羽根。
 なんと飯縄坊、あのどさくさのなかで源八郎の矢を拾っていたらしい。
 野次馬達もこれにはどよめき、ぐぐいと取り囲む輪が狭まる。
「これこそ、鎮西八郎源為朝が使った降魔の矢! 持つだけで疳の虫が逃げだし、削って煎じ、一飲みすれば疝気の虫がころりとおちる……」

十兵衛: なら「またやってンのか!」と、登場だな!
飯縄坊: 「げえっ、ダンナ!」(全員爆笑)

    飯縄坊紫電: プレイヤー:小太刀右京


 蓋を開ければ誰しもが、互いを思ってもがいていた。
 隙間狙った妖怪蝦蟇の、奸計砕いた英傑四人。

 縁それぞれにこの地に集い、今宿星に誘われ、それぞれこの地を立つ。
 行方を知るのはお天道様か、それとも吹き抜ける空っ風か。

 天下繚乱RPG、『妖廻り無頼帖』
 今宵、鬼無の宿の語りは、これにてお仕舞。
 次の幕が開くまで、しばしのお待ちを願います。

GM: では、これをもちまして今回の冒険、『妖廻り無頼帖、鬼無の宿〜修羅之蝦蟇』終了とさせて頂きます。皆さんありがとうございました!
全員: ありがとうございました!


プロデューサー
    小太刀右京

シナリオ/ライティング
    柳田真坂樹

イラスト
    渋沢佳奈
    片瀬優(エネミー・コマ:『天下繚乱RPG』ルールブックより)

オンライン・セッション環境
    Skype(http://www.skype.com/intl/ja/home/
    どどんとふ(http://www.dodontof.com/

SRS協力
    F.E.A.R.(http://www.fear.co.jp/
    SRS公式(http://www.fear.co.jp/srs/index.htm

ゲームマスター
    柳田真坂樹

制作
    JIVE
    小太刀右京